アニマル?ライバル!
敵の名称がやっと出てきました
ブックマーク感謝のお礼になると…
~ドギヘルス軍拠点攻撃編隊 ハウル4視点~
『各機に通達。
間もなく作戦宙域に入る。
警戒を怠るな。』
「了解!」
『了解!』
先日、当軍の自動資源採掘プラントが破壊された。
その事を受け、爆撃機3、その護衛の戦闘機4の編隊での出撃が命令された。
標的は、敵軍の物資集積所だ。
小規模では有るが、守備隊は当然保有している。
俺の仕事は、爆撃機隊を敵戦闘機から守ることだ。
『ハウリング隊に通達。
敵機を探知。
迎撃体制をとって下さい。』
敵が来たようだ。
~ケートス隊 12番機 スノウ視点~
『もうすぐ、接敵予想地点だ。
油断するな。』
分隊長からの無線で、レーダーに目を光らせる。
今回の任務は、敵攻撃編隊の撃退だ。
先日、諜報部が得た情報により、この集積所への攻撃が露見。
ケートス隊1分隊に出撃命令が下った。
第3分隊が選ばれたのは、自分を含め、若手の実戦経験を積む為だろう。
『ピッ!』
『レーダーに捕捉。
各機、戦闘開始。
爆撃機を優先しろ。』
「了解!」
『了解!』
ドンッ…キュイィ…
スロットルを巡航から全開に入れて、加速。
グッ…
身体にGがかかる。
レーダーの光点が、自機を示す三角形に近付く。
『……ピーッ!』
敵機にロックオン。
「Fox1!」
無線に合図し、引き金を引く。
バシュッ
ミサイルが発射され、敵爆撃機目掛けて一直線に飛翔する。
……。
ドオッ…
『ミサイル命中。
敵B2、撃墜を確認。』
よし、優先目標は後2機。
~ハウリング隊 4番機 ハウル4視点~
『ピッ』
『敵が来た!
迎え撃つぞ!』
隊長から無線。
『敵4機が急速接近!
捕捉されたようです!』
母艦から敵機の総数が知らされる。
編隊の護衛機と同数。
数は、勝っている。
『敵にロックされた!
ミサイルが来る!』
ドオッ…
そう、通信を残しハンマー2が墜ちる。
『バカなっ!
速すぎる!』
副隊長が無線の向こうで叫ぶ。
『データ照合中!
………。
敵機、通称「ティアマット」です!』
『化け鯨だと!?
何でこんなとこにくるんだよ!?』
先輩が悪態をつく。
対峙した部隊がことごとく壊滅することから、餌を呑み込む様子になぞらえ呼ばれる、敵のエース部隊だって!?
『全機撤退!
ハウル3、4は、ハウル2についていけ!
俺はケツを持つ!』
ドンッ…
『ハンマー3、撃墜!』
また、爆撃機がやられた!
『クソッ!
急げ!
うおぉぉ!』
「隊長!」
隊長が敵に突撃して行く。
無茶だ!
『追うな!
命令に従うんだ!』
先輩に咎められる。
「っ!
了解!」
副隊長の機体の後ろに、先輩の機体と並び付く。
後ろには、少し遅れてハンマー1が。
『ハンマー1、直上!
回避を…!』
ボッ…ドウッ…
『ハンマー1、撃墜!
……。
敵機、撤退して行きます。』
………………。
………。
作戦は失敗。
隊は、爆撃機3機を喪失。
隊長は、戻って来ていない。
~ケートス隊 12番機 スノウ視点~
先輩が敵爆撃機を墜とし、残る標的は1機。
敵は既に、全力で撤退をはじめていた。
分隊長と副長は、突撃してきた敵戦闘機の相手をしている。
「ネレイド12、追撃します!」
『承認します。
敵爆撃機を撃墜して下さい。』
敵編隊の上から追う。
爆撃機は、戦闘機から少し後ろを飛んでいる。
これならば、反撃は食らわないだろう。
敵機の背面に向かって、
「Fox1」
撃墜。
『…優先目標の全滅を確認。
ネレイド12、合流して下さい。』
「了解。」
……………………………………。
………………………。
…。
キュウゥゥ…
『エンジンの停止を確認。
降機して下さい。』
乗機を無事に、ケートス隊母艦「ポセイドン」に着艦させる。
ウウィーン…
ケートス隊専用高速宇宙戦闘機「ティアマト」が格納されていく。
この機体は、通常配備されている高速戦闘機に比べ、軽い特殊軍用合金の装甲に、特殊コーティングを塗布することにより、耐弾強度が1.8倍、最高速度1.5倍のスペックを持つ「速く、硬い」機体になっている。
また、可変サブスラスターによる高い空戦格闘能力を持ち、1対1の戦いでは負けをみない。
ケートス隊の戦果の一助となっている。
まあ、ハイスペックを持つだけあり、生産コストも2倍を軽く超えるが…。
そんな高級機に、一年目から乗れるのは僥倖だ。
…………。
「離せっ!
…くそ!
毛玉の若僧に墜とされるとはな…。
耄碌したか。」
機体が完全に格納されるまで眺めていると、拘束されたクーシーが連れられて行く。
先ほどの生き残りか。
これから尋問などが行われるのだろうか?
「負け犬が。
よく吠えるぜ。」
いつの間にか来ていた先輩が言う。
「彼らには彼らの正義があるんです。
敵だとしても、そんな事言ったら駄目です。」
「…。
まっ、それもそうか。
それより、腹減ったろ?
飯食いに行こうぜ。」
確かに、腹は減っている。
「そうですね。
じゃあ、食堂に行きますか。」
「そうだな。
奢ってやるよ。」
「ありがとうございます。」
礼を言い、ついていく。
ケートス隊の戦いはまだ終わらない。
本作、27話までは予約投稿済みです
( 2023/10/13 時点)
いつも読んでいただきありがとうございます