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2  垣間見る未来

ほぼ説明回です。

伏線回収始めなきゃ!(使命感)


「それじゃ、行って来るとする。」


「はい、お気をつけて。」


 最初の哨戒グループはガイウスとアサメイ小尉の遠距離コンビ。

 比較的消耗が少なく、万が一大軍が押し寄せて来ても撤退が可能な距離で発見することを期待されての選出だ。

 先ほどの会話はガイウスとバリキリー大尉のもので、一見出撃前に良く見られる会話であるが明らかに空気が違った。

 ガイウスが大尉を名前で呼ぶようになってからもしやと思っていたが、二人は正式に付き合っていると本人達から伝えられた。


「いいよな、ああいうの。」


 ガイウスとバリキリー大尉のやり取りを見て、アサメイ小尉に声をかけようとしたらサッとポッドに乗り込まれていたシンが、ハイライトの消えた目で呟いていた。


「ほぉ~、すげぇっす!」


 また別のグループ。

 次の担当のディック、トーマス、メグ、ユキのルーキーグループは、整備班が改修したドギヘルス軍武器を囲み盛り上がっている。


「…だろう?

 ドギヘルスの兵器も基礎技術は似たようなものだか

 らな!」


 以前返答に失敗したトムは、感心するディックの言葉に一拍遅れて胸を張る。

 トムだけの成果でないという野暮な突っ込みはせず、他の整備班たちも誇らしげだ。

 改修ドギヘルス武器は主に二種類の携行武器になった。

 一つはドギヘルス軍ポッドのメイン装備であるマシンガン。

 これは単純にES(電気信号)式レシーバーを引き金(トリガー)式レシーバーと交換したもので、弾帯(ベルトリンク)給弾の繰り返し使用が可能な携行機関銃となっている。

 もう一つは、弾倉式ロケットランチャー。

 これは既存の携行ロケットランチャーにドギヘルス軍機のロケットポッドを弾倉として取り付けたものだ。

 この改造により一発使いきりであったものがリロード可能な、一つの弾倉につき三発撃てる使い勝手が向上したものとなった。

 但し、ロケットポッドの構造上スプリングでの次弾の装填が行えないため、弾倉ごとスライドすることによって次弾の発射を行えるようにした、少々故障のリスクが高い改造となっているらしい。

 他には武装用小型バッテリーに、複数の熱光線銃(ブラスターガン)をそれぞれ別方向に向けて接続した「熱光線擲弾(ブラスターグレネード)」。

 これは起動後数秒でバッテリーが切れるまでブラスターを周辺に放つ投擲武器として組まれたものだ。

 しかしポッドのアームではそれほど素早く投擲は行えないため、専ら敵部隊に投下しての使用になりそうだ。

 またブラスターの欠点はそのままのため嫌がらせ程度の効果しか見込めず、積載容量を無駄使いするわけにもいかないので半ば“御蔵入り”が決定している。

 似たようなものでもう一つ。

 ドギヘルスポッドの燃料タンクに近接センサーと着火装置を付けただけの「燃料機雷」。

 使い方としてはその呼称通りに任意の場所に設置後、センサーを遠隔起動するだけだ。

 後は近づく物体があればセンサーと連動した着火装置が作動、燃料に引火して“ドカン”だ。

 当たり前だが、機雷のように破壊を目的に製造されていないため見た目程の破壊力は無い。

 しかし見た目は機雷以上に派手に爆発するため威嚇や目眩ましに丁度良く、哨戒ついでに設置が可能ということで順次設置予定だ。


「急場凌ぎとしては中々だと思うぜ?」


 とはシンの評価だ。

 これらの改修武器は正規品の携行武器が足りなくなったら使用する予定だ。

 今のところは対小艦隊(敵駆逐艦4隻)の戦闘であれば一巡分はある。


今回(ガイウスグループ)は無いとして、次回(ルーキーグループ)は半々…。)

 

 早ければディック達が警戒担当の時に最初の敵部隊が来るだろうが、これまでのドギヘルス軍の行動からピコとシンが警戒担当の時に来る可能性が最も高い。

 それから毎回来るとして、最初に改修武器を扱うことになるのは第三グループ(ピコとシン)だろう。


(……いざとなったら機獣で蹴散らせば良いにゃ。)


 整備班の腕を信頼していないわけは無いが改修(ジャンク)品の武器だ、万が一を考えない理由にはならない。

 そう考えると仮に武器が使用不可能であっても問題の無い二名が初回使用者(モルモット)になるのは利に叶っている。

 ただ少し…そう、ほんの小指の先ほどしょっぱい気持ちになっただけなのだ。


















~八時間後~


「それじゃあディック分隊、哨戒任務に出るっす!」


「おう、気ぃ付けなぁ!」


 予想通りガイウスとアサメイ小尉は敵を発見することなく哨戒を終えた。

 ルーキーグループは分隊長に指名されたディックが張り切って率いて行った。


『それじゃジブンとメグ軍曹は周辺を見て回るっす。

 トーマスとユキ伍長はバックアップを頼むっす。』


『了解。』


『りょーかい。』


『了解です。

 …あの、やっぱり一点だけ良いですか?』


 ディックの指示に全員が了承を返すが、ユキ伍長が発言を求める。


『良いっすよ、何すか?』


『バックアップとは具体的に何をすれば?』


 確かに同行経験の少ない彼らには曖昧な指示では齟齬が出るだろう。


『とりあえず僕が指示して良いかな?』


 トーマスが会話に加わる。

 メグ軍曹がディックに付くなら、ユキ伍長がトーマスに付くのは自然なことである。

 更にディックとトーマスであればマルコシアス隊になる前からの付き合いであり連携はばっちりであろう。


『良いっすね。

 それで良いっすかユキ伍長?』


『はい。

 よろしくお願いしますトーマス曹長。』


『こちらこそ。

 …後、僕を呼ぶときは階級は付けなくて良いよ。』


『あっ、ジブンもっす!』


『じゃあディックパイセンとトーマスセンパイで。』


『えっと、私はディックさんとトーマスさんで良いで

 すか?』


『もちろん(っす!)』


 ルーキーグループは上手くやっていけそうだ。



















 

今回回収した伏線はガイウスとハンナの関係。

(え?「伏線になっていなかった」って?)

………。

次回お楽しみに!(強引にスルー)



いつも読んでいただきありがとうございます。


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