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18 転進

重火砲の一斉射撃って格好良くないですか?

富士の総火演、一度は生で見てみたいです。


今章が思ったより長くなったので暗躍打破編として二章に分けます。

次章を戦争集結編とし、今作の最終章とします。

~ガイウス視点~


『初弾、次弾ともに全弾命中。』


 アサメイ中尉の報告に、作戦の第一段階の完了を確定する。

 ナナサ中尉(正式な肩書は二級二類諜報官だが、軍の階級としては中尉相当になる)からの情報を加味した上での待ち伏せ(アンブッシュ)

 仮に予測が外れたとしても問題は無いため実行された。


『被害は!?』


『撃沈は無し。

 しかしカタパルトを始め、部隊運用機能に被害甚

 大!』


 結果としてはこの通り。

 敵の軍用輸送艦の半数以上に何かしらの重大な損傷を与えた。

 「貴族私兵団は空母を所有出来ない。」元ドギヘルス貴族のナナサ中尉の情報だ。

 しかしレーダーでは、観測した艦の積載数以上の艦載機がいるのは明らかであった。

 では、どうやって多数の艦載機を運用しているのか?

 その答えが輸送艦を改装するというものだ。

 

『周辺警戒!

 敵を見つけろ!』


『はぁ!?

 レーダーには何も写っていないぞ!』


 正式な軍艦の設計をしていないため思った以上に破損が大きく、射線からの位置の割り出しが出来ていない。


「第三射用意。

 射撃後は散開、なるべく位置を特定されないように

 移動しながら射撃を続けるんだ。」


『『『了解。』』』


 いくらステルス装甲でも姿を消せるわけではない。

 しかしなるべく混乱を継続させるのが2班(狙撃班)の仕事だ。

 

「カウント。

 3、2、1、」


ズドンッ!


 ゼロの声は、同時に発射された大口径火器(携帯対艦ライフル)の発砲の衝撃に掻き消された。


「散開!」


バチンッ

















~ピコ視点~


『伏兵だって!?』


『母艦がっ!』


ゴォッ


『しまった!』


 背後への攻撃に浮き足立つ敵の包囲を抜ける。

 予定より多くの敵を連れて来たが、ガイウス達は良くやってくれた。

 おかげでより敵を捌き易くなった。


『追え!

 母艦は気にするな、まだ沈んだわけじゃ』


ドドッ!


 4隻の艦に、それぞれ一筋の白熱が命中する。


ドゴォッ


 その内の1隻が轟沈する。


『やられたっ!』


『あそこだ!

 一機確認した!』


『デブリに隠れてやがった!』


 敵部隊の一部が狙撃班の狩り出しにかかる。

 保たれていたように見えた均衡が崩れる。


『隊長!

 コレ使うっす!』


ヒュウッ…


 二度目の攻撃に空いた隙をついたランナー機から放られた円筒を反射的に回収する。


「弾は?」


『S弾頭っす!』


「いい選択にゃ。」


 渡された武器は携帯式の単発発射機(ランチャー)、いわゆるバズーカというものだった。


『武器が!』

 

『ちいっ!』


『狼狽えるな!

 見たところ一発だ、(かたま)るなよ!』


 ピコの機体に武器が渡ったことで動揺する複数名を宥める(推定)指揮官。

 ピコの機体のアームが掴むバズーカは、先込め式のシンプルな構造であり弾倉はついていない。

 そこから彼は、爆発で一網打尽にされることの無いように指示を出したのだろう。

 広がって同時に仕掛ければ、最悪でも一機の犠牲でピコは再び非武装状態になる。


『当たらないように祈っておけ!』


『俺は運が良いんだ!』


『撃ち落としてやるさ。』


 軽口を叩き合い、勇ましく向かって来る敵部隊。


(“いいところに当たらない”と良いにゃ。)


ボシュッ!


 若干気の抜ける音で弾が発射される。


『来たぞ!』


『各自回避運動!』


シュウゥッ、ドパッ


 バズーカから発射された弾は敵機に着弾する前に弾ける。


『!』


ザッ


 そして弾けた弾頭からは無数の小さな金属球が、広げた隊列を襲う。


ボッ…


 S(shot)弾頭、つまり散弾。

 火薬の詰まった通常弾頭のような威力は無いが、より広範囲を攻撃できる。

 艦のような装甲の厚い対象には効果の薄いS弾頭だが、艦載機のような装甲の厚さが一定以上に出来ない対象には十分な効果が期待できる。


『ぐうっ!?

 …っ、被害報告!』


『被弾は無し、戦闘を継続する!』


『こっちも無事だ。』


『タンクに被弾、燃料漏れ発生!』


『機体は無事だ!

 マシンガンがやられた!』


『…ザッ……ザザッ!』


『被弾したが機能に支障は無い。』


『…駄目だ、機体が動かない。』


 現に、向かって来ていた敵機のほとんどに何かしらの被害が出ているようだ。

 未だに追い縋って来る敵機は3機、散弾一発で1/3以上が脱落。

 

(ん?

 あれは!)


 追いかけて来る残り3機をどう捌くかを思案しかけたところで、敵機の残骸がモニターに映る。


(一周して来たのにゃ。)


グイッ


 発見した残骸を掠めるようなルートに機体を向ける。

 速度はドギヘルスのポッドが上だ。

 じわじわと詰められていた距離が、旋回したことにより一気に縮まる。


『追いついたぞ!』


『避けれるものかっ!』


『!

 おいっ、待て!』


 被弾したことで遅れていた一人が気付いたようだが、引き金に指をかけた2機は止まらない。


ズッ


 掠める距離にある残骸にアームを伸ばし、刺さっていた金属板の柄を掴む。


ブンッ

ダダダダッ

ダダダダッ

 

ガガガガガッ!

ギィンッ!


「ぃっ、はぁっ!」


ゴシャァッ!

『ぐべっ!』

ゴゴンッ!

『ぬおぉっ!?』


 被弾しながら振り抜いた斬艦ブレードの刃が、役割を果たすこと無く敵機にめり込む。

 そして押し出された敵機は、並んでいたもう一機に衝突する。

 

(後一機!)


 ブレードを引き戻して対応する時間はある。


ズキッ


「い”っ!」


 あった筈だった。


『貰った!』


ズドッ!


 弾丸がポッドのコックピットを貫いた。

お気付きかも知れませんが、ストックが切れました。

なるべく毎日更新出来るようにしますが、リアルの都合で出来ないことも多々あると思います。

構想自体は出来ているので、完結は保証します。

気長に最後までお付き合い下さい。



いつも読んでいただきありがとうございます。


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よろしくお願いします。


感想、レビュー等もお待ちしています。

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