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11 片鱗

本文、[ここからが正念場だ!]あたりからを書いている時、EDF5のあのbgmが脳内再生されていました




A(アサシン)R(レッド)S(スパイダー) 頭領視点~


『はっは!

 いいとこに当たった!

 ダブルキルだ!』


『さすが兄貴だぜ!』


 ハンター7の撃ったミサイルが獲物のエンジンに大ダメージを与え、はしゃぐハンター8。

 予定外に長引いた、この仕事の終わりが来た。

 だが、あの老兵(ロートル)は諦めが悪いらしく、残るエンジンを最大出力で維持し、逃走を謀っている。

 

「全機、反転。

 一旦、離脱しろ。

 編隊を組み直せ。

 ハンター5、ハンター7、前に出てバルカンの

 標的(タゲ)を取れ。

 ハンター8、残りのエンジンを狙え。

 確実に当てろ。」

 

 このままでも十分追いつけるが、だめ押しする。

 追いつくまでが早くなる程、回収に使える時間は長くなる。

 さすがに増援も、これ以上遅れる程、愚図ではないだろう。

 もっとも、増援の奴らがノロマだったおかげで、お宝が手に入るのだから、感謝すべきだろうか?


『……。

 んん?

 何だ?』


 ハンター8が何かに気付いたようだ。


「どうした。

 問題か?」


『問題といえば…問題なのか?』


 俺に聞くな。

 はっきり言え。


『あー…何だ?

 ハッチが開いてる。

 あ、獲物のな。』


 ハンター5も確認したようで、報告を受ける。


『奴ら、歓迎してくれるってか?』


『はっ!

 そりゃぁいい。

 ま、なんにせよぶっ殺すけどな。』


『おい、なんか出てきたぞ!』


「標的から物体の…。

 射出?発艦?を確認。

 確認する。」


 馬鹿兄弟が冗談を言うなか、獲物に動きがある。

 今頃、艦載機を出す?

 それとも、切り札を切ったか?

 解析の結果を待つ。


「解析できた。

 あれはスペースポッドらしい。」


 あの老兵(ロートル)、ついに気が狂ったらしい。

















~WP1コックピット ピコ視点~


パシュッ


 機外の減圧に伴い、機体データとリンクしたスーツが自動で加圧を行う。

 相変わらず嫌な感覚だ。


「敵機はどこにゃ?」


 懸念された砲火に晒される事無く、出撃することができたが、敵機の位置がわからない。

 レーダーの範囲外にいるらしい。


『WP1、当艦のレーダーとリンクさせます。

 距離感の違いに注意して下さい。』


『ピンッ!』

 

 レーダー表示範囲が広くなり、赤い光点が4つ表示される。

 その内、3つには5、7、8と番号が振られ、残る1つに比べ、とても速く動いている。


「11時方向。

 射程まだ。

 逆三角編隊(T T F)にゃ。」


 敵機の、大体の位置は把握した。

 上部装置のスイッチに指を置き、パルスガンをいつでも撃てるようにする。


『ピッ』

 

 無線が起動する。


『おい、そこのポッドのパイロット。

 悪いことはいわねぇ。

 艦に引っ込んでな!』


 敵機からの共通回線(オープンチャンネル)を使った通信だ。

 降伏勧告ともとれる、その通信に応えること無く、スイッチを一瞬オンにする。


タタンッ


 視界に一瞬、光の線が走り、遠ざかっていった。


『うおっ!?』


『あいつ、銃を撃ってきた!』


『ポッドじゃ無いのか!?』


 全員がオープンで無線を入れっぱなしにしているようで、3つの反応がかえってきた。

 様々な罵声を浴びせるつもりだったのだろう。

 悪趣味だ。

 少しスカッとした。


『予定変更だ!

 先にあの野郎をやる!』


『おう!』

『分かった!』


 うまく連中を引き付けられた。

 ここからが正念場だ!


「そう簡単にやられると思うにゃよ!」


タタンッ タタンッ タタンッ


 接近して来る敵機をパルスガンで牽制する。


『どこを狙っている!』


『当たんねぇよ!』


 前二機が左右に分かれ、後ろの一機はこちらから見て、右について行く。


「そっちにゃ!」

タタタタタンッ


『おおっ!?』


『危なかったな兄弟。』


 後ろの一機はおそらく、ミサイル持ち。

 そうで無くても、複数機側を牽制できる。


『伍長っ!

 後方敵機!』

ガガガッ!


「っ…!

 大丈夫にゃ!

 5ミリは耐えれるみたいだにゃ!」

 

 被弾するも、機能に問題なし。

 軍用合金で無いとは言え、さすがは作業機体。

 頑丈である。


「お返しにゃ!」

ヴオオオォッ


 左上方に通り過ぎる、敵機の後ろに向かって、6ミリを容赦なくばら蒔く。


『グァッ!

 当ててきやがった!』

『敵機5番に命中!』


「よし!

 やってやったにゃ!」


『テメッ!』


 退避した二機の内、8番が急速旋回。

 真っ直ぐ向かって来る!


『敵機ミサイル!』


 とっさに左レバーを引く。

グィンッ

…ドォッ!


 衝撃で、機体が後ろに一回転する。


『伍長!

 状況を!』


「うぅ…。

 無事にゃ!

 左を持ってかれたにゃ。」


 目が回ったが、怪我は無い。

 装甲板のおかげで、左アームが破壊されるだけで済んだ。

 敵ミサイルを消費させられたのは、むしろプラスだ。


『チクショウ!

 そんなんアリかよ!?』


 機体を右旋回させ、パルスガンを向ける。


『後ろがガラ空きだ!

 至近距離なら!』


 後ろ上方から来る!


ガガッ!ガキュッ!

『ピピーッ』


 破損警告が鳴る。

 パルスガンが破壊された!

 そのまま前下方に抜ける軌道(コース)


「うにゃあぁっ!」


 気合いとともに、接地脚を展開。


ガッ!ギャリリリィッ!

…グンッ


 接触の後、加速Gがかかる!

 うまいこと掴まえた!

 チャンスだ!


『うおおぉっ!?

 マジかよ!?』


「迂闊だったにゃ!」

ヴォッ

……ガキン


 バルカンがまともに当たる。

 穴だらけになった敵機を解放(リリース)する。


ドッ…ドウッ


 敵機は小爆発を起こした後、爆散する。


『あ、兄貴ィー!

 野郎!

 ブッ殺してやる!!』


 敵機8番が、正面から、怒りにまかせ突っ込んで来る!

 至近距離は不味い!

 左に回避軌道をとりつつ、バルカンを撃つ!


タタタタタタタタ

…ヴォオッ


ガガガガガガガガ!


 射撃が敵機にコンマ1秒遅れた。

 機体が激しく揺れる。

 ……。

 コントロールを失った敵機が浮遊物体(デブリ)に激突する。

 少し遠かったのだろう。

 敵弾は機体正面に、数発着弾したものの、貫通はせず。

 右側面は外装が吹き飛ばされていた。

 


 もうまともに動ける敵機はいない。

 任務完りょ…

『後方敵機!

 特攻!』


 機体を左旋回させながら、敵機を確認。

 エンジンから火を噴く敵の機体が迫っていた!

 急いで回避を…

『ピーーー』

キュウゥゥン…。


 システムパネルを見る。





〔 EMPTY 〕





 !?

「しまっ…」

ドガッ!

…ボンッ!




 

 


 


 

いつも読んでいただきありがとうございます

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