転生したらハイエルフになったみたいです…
ーこれはとある最強天然少年の物語である。
俺は菊野 明橙。絶賛不登校中だ。年齢…は何歳だったかわからない。
小学生までは学校に行っていたが、中学からはもうめんどくさくなって、
ゲーム三昧の生活である。
(もう数を数えるのもめんどくなったな。)
「あれ…?なんか意識が朦朧と…目が…ぼやけて…‥‥」
(あ、これ死んだな。飲まず食わずだったからかな。ああ、自業自得だな。)
なぜか目が覚めた
「あれ?なんか生きてる?あ…また意識が…」
さっきまではあんなに辛かったのに、なぜか、今はとても心が軽い…
「あぁ、貴方生まれましたよ。」「おまえに似て綺麗な顔だな。」
「でもこの目の当たりは貴方にとても似ていますよ。」
…あれ誰?耳なが!?エルフかな? 声は出る?「んきゃっきゃ!っきゃ!」
え!マジか…、待てよ、という事はもしかして、、
あの有名な異世界転生ってやつ!?
「この子の名前は何にしましょうか?」
「んー…じゃあ<アケビア>にしますか。」
「そうですね。それが良いですね。」
…今世も同じような名前か。まぁいいや
(そういえばここってどんな世界なんだろ。
さっき《ステータス》って唱えてみたけど、無駄だったし。
まぁ今世もまったりしようか)
ーまったり生活して3年目。僕は自力で動いたり、喋ったりできる様になった
ハイエルフは長命だから人間感覚だと10年で一歳的なやつみたいだ。
まさにファンタジー!
この3年間気づいたこともたくさんあった。
まずこの世界は《ミルリ》と言うらしい。
これは創造女神《ミルリファージュ》の名から取ったそうで
《リファージュ教》と言う宗教まで存在するという。
(皆はリーファ教と呼んでいた)
ついでに僕の種族は《ハイエルフ》。
このリーファ様の恩恵を最大限に受けた種族だ。
(ま、最大限って言っても他の種族よりも少し祝福が大きいだけだろ)
次に僕の家は族長の家系だったらしい。
だから一人称を「俺」から「僕」に変えた。
命の灯火が消えると、我々は精霊になるらしい。
徳を積むと大精霊になり、悪業を重ねると悪霊になると言われている。
まぁ要するに死んでも世界に存在するというチートの世界に転生した訳だが、
もう少しまったりしてみよう…
ーもう150年ぐらい経った。ハイエルフ的には15歳程度ぐらいかな?
ハイエルフは120年生きると「恩恵の儀」と言うものが行われる。
まあ簡単に説明すると、
「私はハイエルフです。精霊になりたいので準備よろしくお願いします!」
的な祈り(やつ)だと思ってもらおう。そこで貴族としての「セイ」を預かる。
僕の家系は「アルタリオス」だった。
(そういえば恩恵の儀の時に話したあの女の人一体誰なんだろう?
みんなはそんな人は知らないっていうんだけど、
なんていうんだろう…優しそうな人というか、リラックスできる人というか、)
あと、15歳の誕生日に「ギ」というものがつけられた。
「ギ」というのは「セイ」と「名」に挟まっていうやつだ。
なんかあれ、外国の貴族の人がつけてるイメージのやつ。
そして僕は<アルタリオス・リセム・アケビア>ということになった。
親しい人は<アルケビア>って呼んでる。なんか語呂がいい
あと変わった事は…あ!100歳ぐらいになると刺繍も勉強する決まりで
私たちの〈家紋〉を縫えるまで母からの地獄の特訓だった。
(もうあの時は思い出したくもない…)
ー少し時間が経った。
もう森でもまったりするのも飽きた。…そうだ、この際森の外に出てみよう
だいじに育ててくれた父と母には悪いが、もう森の移ろいを見るのも疲れた
「ここからクヌネ国(王院が一番近いとこ)の王院まで300kmかな
大体10km1分だから30分ぐらいか…そんじゃ行きますか!」
…ついたが、早速何か問題が起きた様だ。王院は学院や王宮などが集まって、
国で一番栄えているから厳しいとは聞いていたが、まさかこれほどとは
…仮住民票に銀貨3枚、てか銀貨って何?
家で使ってた金貨を見せたら驚かれたし、
種族を言ったら怖がられるし、もう一体なんなんだよ!?でも、家の刺繍見せたら
「通行税は要りませんから早くお入りくださいぃぃ・・」
って早く通してくれたし、まあいっか!
ここがクヌネ国王院か・・・おぉ、いろんな種族がいる•••
そんじゃ、探求者登録に行きますか!
ー次回に続くー