夏の俳句(その2)
『下校時の ドヴォルザークと あめんぼう』
小学校の下校時間にはいつもドヴォルザークの『家路』の曲がスピーカーから流されていました。
当時は「もの悲しい曲だなぁ」と思っていましたが、今聴くととても美しい曲ですね。
この季節、小学生の頃は名曲よりも水たまりやあめんぼうの方が魅力的でした。
水面を滑るあめんぼうはフィギュアスケートの選手みたいで面白い生き物ですよね。
飴みたいな匂いがするからあめんぼうなんだそうですよ。誰が最初に嗅いだんでしょうね?
『誘蛾灯 母がポツリと 次は我』
『家介護 泣くや笑うや 雨蛙』
『亡き父の置き傘 雷雨をともにす』
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『亡き父の置き傘 雷雨の雨漏り』
父が入院した時は、今にも消えてしまいそうだった母。
でも退院後はもう、そんな暇あるもんか!──な日々。髪振り乱し、叱りとばす母。ベソをかく父。柔道選手みたいな雄叫びで踏ん張る私。子供みたいに笑う父と泣き笑いの母。
長かったような短かったような10年とちょっとでした。