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旅日記  作者: 山菜歩
4/20

P.04:〜旅の途中で〜

少しネガティブ風味有り。

苦手な方は閲覧注意願います。

私は歩。

旅が趣味の人間である。

旅の相棒は大きな革のトランクひとつ。

気の向くまま、時間の流れるまま、私はどこまでも行く。

そんな旅の途中の話である・・・。


―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―


旅に出るときに、彼に必ずやるやりとり。


「今度はどこまで行くんだ?」

"うーん。・・・行ける所までかなぁ?"


「必ず帰ってきてくれるか?」


いつも彼はこう聞いてくる。


"当然。どうしたの?"


「時々不安になるんだ」


"何が?"


「歩が旅に出るたびに、二度と帰ってこないんじゃないかって・・・」


"・・・・・・・・・・・"


「なあ、答えてくれよ。帰ってきてくれるよな?」


私は不安そうな彼の顔を見る。



―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―


私は実は、何度かこのままいなくなってしまおうと考えた事があった。

家族、友達、そして恋人全て捨てて、本当にこの世の果てまで歩いていって・・・。

終着駅も決めていた。

それは・・・壮大な岩々が連なる峡谷。


彼の方が先に見て、私に写真を送ってくれた。

それは私も見てみたかった景色だった。

彼が見た同じ景色を、一度でいいから見て、


そして、その後は。




私はまだ、その選択肢は捨てずにいる。


―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―*―



でも、私は笑顔で


"何言ってるの。ちゃんと帰ってきますって"

"お土産もたくさん買ってくるし、土産話だってたくさんしますから"


彼はほっとした顔になった。


「わかった。楽しみにしてるよ。いってらっしゃい」


と、笑顔で送り出したくれた。



さて、今度はどこに行こうか。

そろそろ桜のシーズンだよなぁ。

どこか桜のキレイなところに行こうか。


私はトランクを担ぎなおし、見送ってくれている彼に大きく手を振った。



fin...


旅日記シリーズ〜旅の途中で〜、また書くことが出来ました^^



今回は、ちょっと私の暗黒面に触れてますが・・・。気分を害しちゃったらゴメンナサイ。



*歩が見たかった景色

「グランドキャニオン」の事です。

ある人曰く、その場に佇み、景観に圧倒されて、その場で涙する人もいるとか。

「自分って何てちっぽけな存在なんだろう」「何て壮大な景観なんだろう」と思うようです。

とても感動的な風景なんでしょうね。


そこで夕日と星空を見てみたいと思っている歩でした。



・・・念のため書いておきますが、ちゃんと帰ってきますからね?


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