00 関八州略地図/主要登場人物など
【関八州略地図】
※赤字は堀部・上杉の勢力圏
※※絵心なくてごめんなさい。現在の県境と様相が違うところは手書きで修正しています。海岸線もです(古地図の白地図、データで欲しい)。湖沼の様子もかなり違うのですが……。川の線を入れる勇気が出なかったorz
【鴻巣館、芳春院周辺図】
(兵の配置は第5話開始時点)
【江戸城周辺図】
【江戸城周辺拡大図】
(整合性持たせて図面描くって難しい 溜息)
【登場人物】
紗絵(with さえこ)
15歳。関東管領に人質に出されていた堀部忠久の長女。前作で殺生石の破片・さえこに憑依され、さらに合体融合。於佳津と同様の半人半狐となる。顔は忠久似で、気丈で人を喰ったような言動が父親譲り。本来なら堀部家もろとも無名の存在で終わるはずが、関東管領・上杉憲政の正室兼旗本衆取締となり、小狐姫、今巴(今巴御前)などと呼ばれている。憲政とは互いにべた惚れ。体は憲政と狐御殿の女たちに骨抜きにされている。呪いは緒江、於佳津に及ばないが、戦いの技量は抜群で、稽古では於佳津と五分。戦闘では相手を見下した態度で圧倒し、九尾の狐らしさの片鱗がうかがえる。軍略にも明るい。前回は名前が平仮名だったが、「文書に平仮名の名が混じると読みにくい」という話で、名に漢字が当てられるようになった(於佳津以下も同様)。身長4尺7寸(141cm)、見た目も15歳。
於佳津(with 玉藻前)
23歳。大沢宿領主の和華(元・尼僧)の片腕で家老格の女侍。九尾の狐・玉藻前と心身ともに一体化した半妖半人。顔以外の全身を毛が覆い、頭部に狐耳、脚は獣脚、臀部に九本の尾がある。スレンダーな美女。剣の腕前は武蔵国最強級で、緒江と組めば、呪いの力で神獣・朱雀に匹敵。怜悧で軍略・兵站への造詣も深い。人の恐怖心を糧に呪いの力の器を広げ、九本の尾から女性器の生気を吸い上げる。マニアックな惨殺魔。それらの面は領民に知られておらず、童からは狐姫と呼ばれて親しまれている。身長4尺9寸(147cm)、見た目は18歳。
緒江(with こだま)
19歳。劇中で呪いの潜在能力は最大。九尾の狐の変化である殺生石の小破片から復活した九尾の狐・こだまが憑依。玉藻前と於佳津に篭絡され、享楽的な性格に変貌した。こだまの狐耳や九本の尾を可視化して自分の姿に重ね、半狐に見せることもできる。力強さは於佳津に劣るが、技・知力は於佳津と同等、呪術のコントロールや威力は於佳津を上回る。こだまが「恐怖」を好むせいで、人をむごたらしく殺すのは於佳津と同様。直感的で切れ者だが、面倒なことは於佳津や紗絵に任せきり。身長4尺8寸(144cm)、見た目は15歳。
茉
17歳。元は津山の姫君で氷室郡戦役の最中の田上城中で於佳津・緒江に出会う。その後、母親ともども大沢宿に引き取られ、手なづけられている。呪いと剣術の厳しい稽古をつけられ、紗絵の側近として仕える。剣技の上達が著しい。元々の立場は似ている紗絵に対しての羨望が強い。身長4尺9寸(147cm)
涼
15歳。大沢宿の百姓の娘だったが、母親ともども狐御殿に奉公に上がった。呪いの力の器を見込まれており、茉とともに呪いと剣術を厳しく仕込まれている。紗絵の側近としての役目についているのは、茉と同様。彼女も殺生石の破片の依り代にと期待されている。百姓娘だった同じ境遇から、緒江に可愛がられている。身長4尺7寸(141cm)
堀部掃部介忠久
37歳。氷室郡の国人で、北武蔵の氷室郡・田上郡、さらには山内上杉家家宰として、上野も掌中に収めている。『孫子』の一部を諳んずるほどの策謀家・軍略家で、稲荷明神の加護を受けた無銘神剣の使い手。呪いの力はほとんどないが、神剣を使えば、於佳津・緒江とも五分に渡り合える剣技を繰り出す。神剣が自衛の戦い以外の「悪事」を拒絶するが、何とか使いこなしている。狐たちや憲政も含めた堀部家のヘッドクオーター。天下統一までのグランドデザインを描く。身長5尺5寸(165cm)
上杉憲政
15歳。関東管領。本来の歴史では後年の河越合戦で北条家に大敗を喫し、越後に追われ、上杉家の名跡と管領職を越後守護代・長尾景虎に譲り渡した。このタイムラインでは堀部家に自軍が大敗し、無力感と厭世観から管領職を投げるつもりで堀部陣営に身を寄せた。頭脳は明晰。武芸も新陰流の高弟に。逃避的な性格を周囲にサポートされ、さえや狐御殿の面々とは肉体関係でハーレム状態。しっかり神輿役を果たし、忠久と狐御殿の面々の覇業に協力している。身長5尺(150cm)
上泉伊勢守信綱
28歳。上野国生まれの戦国屈指の剣豪にして兵法家、新陰流の始祖。本来の歴史なら箕輪長野家に仕え、その滅亡後に官職名を武蔵守に改め、諸国を放浪するはずが……。主君・長野業正が史実より早く死去した混乱中に主家を出奔し、憲政の直臣に。憲政を堀部家に出奔させるよう手助けし、大沢宿に身を寄せる。関東管領剣術指南役として、大沢宿に集まった武者に武芸を仕込み、早くも新陰流を創設する。身長5尺6寸(168cm)
足利左兵衛督晴氏
第4代古河公方。30歳。第3代古河公方・高基の子。公方・関東管領の相続争いで起こった関東享禄の内乱で、若くして古河公方の地位を自力で保った辣腕武将にして、下総・下野を領する事実上の戦国大名。関八州きっての文化人でもある。里見氏や真理谷武田氏に助けられた小弓公方・義明の反乱に悩まされているが、北条氏との提携で乗り切ろうとしていた。北条と対立関係にある両上杉家との関係は今は冷淡。寺社に対する羽振りは良いが、呪いなど霊的な力については無理解。身長5尺6寸(168cm)
禰々子
利根川を根城にする河童たちの女棟梁。性格は狂暴で、人の尻や口から内臓を引きずり出すという残虐さが、「尻子玉を抜く」という風に伝わり、幼少時から教え込まれた武将が多い。人の世の広がりとともに、利根川上流に追い込まれていた。元は人で、かなりの美人。妖怪化した経緯が於佳津と似ているため共感し、協力し合う。於佳津は物の怪が出て気安くなる世を作る一方で、利根川沿いでの戦いに禰々子は力を貸す。身長5尺(150cm)
富永直勝
江戸城3城代の筆頭。27歳。北条の精兵・五色の「色備え」の一角である「青備え」の闘将。父親が対扇谷戦での戦功の多さで、城代筆頭に抜擢され、それを継承した。江戸城の北側の本丸(子城)を預かる。正常な歴史では、永禄7年(1564年)の第二次国府台合戦で討ち死にする。
遠山綱景
江戸城3城代の第2席。25歳。江戸城中央の二の丸(内城)を預かる。後北条氏開祖・早雲の盟友の血筋である御由緒衆の一員。家格は3城代で一番高く、実質的には筆頭城代だが、一歩下がって年上の富永を立てる。父親からの継承なのは富永同様だが、好対照な知将。正常な歴史では、永禄7年(1564年)の第二次国府台合戦で討ち死にする。
太田資高
江戸城3城代の第3席。40歳。一番南の外城(三の丸)を預かる。道灌の孫。道灌を謀殺した扇谷上杉を恨み、北条を引き入れて江戸城を奪取させた。氏綱の娘を娶っており、今や江戸城周辺の軍略に不可欠な有力外様衆。富永、遠山とは先代からの付き合いで、2人を後見する江戸城の人間関係の接着剤にして謀将。正常な歴史では天文16~17年(1547~1548年)ころ病没(?)。
※年齢は数え年で表記