記事1「倉橋レキについて」
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『僕の記憶を取り戻すための冒険』
Author:*倉橋レキ(仮)
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20XX/07/25 23:08
記事1「倉橋レキについて」
感情が遅れてやってくる。
僕は自殺しようとしたらしい。
でも、記憶がない。
正確に言えば、なぜ死のうとしたのか、その動機をまるで覚えていない。
1ヶ月前、僕は僕の住む市営団地の3階から飛び降りた、らしい。
そのとき、頭を強く打った。
奇跡的に命に別条はなかったが、記憶喪失になった。
脳に異常はないらしく、医師によると精神的な理由からくる記憶喪失じゃないか、と。
ただ不思議なことに、勉強のこととか、住んでいる場所とかは、はっきりと覚えている。
僕の名前は倉橋レキ(仮名)、天志館高校(仮名)の2年生だってこと、1学期の中間テストで学年1位だったこと(…自慢)、よく覚えている。
だけど、記憶がないのは…
6人について
その人たちについては、まったく、なんにも覚えていない。
僕には「こよみ」という名前の姉がいて(と言っても二卵性の双子)、彼女の存在すら全然覚えていなかった。だから、こよちゃん(こよみの愛称)も6人のうちの1人。
僕は、記憶を失った人たちについて、ブログを書くことで少しでも思い出せたらいいな、と思ってこのブログを始める。
あと…
僕が死のうとした理由について
なんで死のうとしたのか?
死のうとしたことと、記憶がなくなった人たちとの間に、なにか関係があるのか?
そんなことも、ブログを通じて思い出したい。
思い出したい?
思い出してどうするの?
よく分からない。でも、知りたい。
このままじゃ、また同じことをしそうで、怖い。
だから、読者の皆さん、どうか力をかしてください。
僕の失われた記憶を取り戻すお手伝いをしてください。
よろしくお願いします。
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