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試験的小説及び実験用:新世界  作者: プニぷに
4/4

嘘つき少女2(約4分)

 ここはどこ?

 分からない。頭が痛くて考えたくもない。


「おい! 早く出ろ!」


「…………」


 そう言われたから(おり)から出る。

 考えてみると、そもそも自分がどこにいたかなんて覚えてない。だけど、ここじゃないような気がする。


「おい姉ちゃん。あんたは何してここに来たんだ? 援助交際か? それとも万引き?」


「…………?」


 テーブルと食べ物。

 ここは食堂?


「止めとけってノブさん。そいつは殺人だって看守が言ってたぞ、ノブさんも気ぃつけないとグサッとやられちまうぞ」


 笑いが起きた。

 どうして笑いが起きたのかも分からないし、どうして殺人鬼に対してヘラヘラとしていられるんだろう? 殺されたいのかな?


「……あれ? 私って殺人してるの? してたの?」


(………………。)


「今日は静かなんだね」


「おいおい、大丈夫か? もしかして妖精さんとお話し中かな?」


「いい年して妖精さんとお話かぁ、おじさんも君の妖精さんとお話ししたいな~」


 またしても笑いが起きた。

 自分の知らないところで、また誰かが何かしたんだろうな。頭の中に色々と映像が流れてくる。


 刺して肉が張り、歪み、弾ける瞬間と美しい鮮血。不浄なる汚物が床に捨てたゴミ達のように自分が床にゴミクズどもを捨てて、床のシミにするのは痛快かつ愉快で仕方なかった……という記憶。


「おおぉ! 意外と鍛えられてるねぇ。素敵なお腹だねぇ」


 腹部を触られている……何も感じない。(僕は嫌だよ)(キモッ! 最悪。早くどけなさいよ!)

 殺しておくべき? (それも手だね)(そこまでするの?)


「殺されたいの?」


 質問しておこう。何か、私たちの方に間違いがあるかもしれない。


「アハハ! 違うんだよ、君みたいな可愛い子を触りたかっただけ」


「おいおいノブさん、手が早えよ。俺にもまわしてくれよな」


 三度の笑い声。


「そう……殺されたいわけじゃないのね」


「あれ? いやに素直じゃないか。もしかして、捕まる前にも他のオジサンとこういう事、してたのかい?」


 手が、胸に届いたのを確認。法に触れる内容である。


(滅ぼせ)(殺せ)(汚らわしい! その手を振り払いなさいよ!)(法の下に律せよ)


「採択結果……」


 触る右の子の前にあるフォークで左目を刺しました。ソレは倒れました。折角なので、もっと奥まで刺しました。動かなくなりました。


「ようやく静かになった……あれ? 声が響くわ。うるさいのよ」


(やりすぎだ!)(法の下に罰すればいいものを、どうして君は衝動的なんだ)


「おい! 何やってる!」


 なんだか()までうるさくなったわ。

 倒れた子を見てたら僕、なんだかカワイソウになちゃった。


「左目だけなんて、平等じゃないよね。ゴメンね、もったいないから右目は僕が貰うね」


 テーブルの上のスプーンで右目をすくった……救ってあげたよ。

 食べたことないから食べてみようよ。


「うえぇ……やっぱり嫌いだなぁ、こういう食べ物。イクラとか丸いトマトとか……ブチュってなるのが気持ち悪いんだよねぇ」


「取り押さえろ!」





「どういうことだ? 自分が何をしたのか分かってるのか!?」


 誰だコイツ。

 

「は? 俺が何をしたってんだよ」


「なっ!?」


 あっ! 思い出したよ。私、家の前でうずくまってて……あれから何日だっけ?


「お、おい、大丈夫か?」


「そっか、二日経ってたんだね」


「お前、何を言ってるんだ?」


「ハッピーエイプリルフール! そういうことでしょ?」


 あー、なんて楽しい日なんでしょうね。嘘をついてもいい日なんて……キヒヒッ。


「夢かどうかなんて、些細なことでしょう?」

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