インターネットの真実
ある一人の人間が夜な夜なネットに書き込みをしていた。
「この首相のアホ面は笑えるわ」
「クソ芸人死ねばいいのに」
「なんでこんな仕事で金もらえるんだよ低俗が」
「低所得の女のくせに出しゃばるなよ」
「炎上するのはクズの証拠だろ」
※
ところ変わって、ある会社の一室。
ディスクには数十台にもなるパソコンやスマホが置かれている。
今それを大勢の人間が慌ただしく使っていた。
「おい、こっちの書き込み減ってるぞ。どんどん悪口を追加しないか!」
「すみません。悪口のパターンが尽きてしまいまして!」
「だったら今直ぐ悪意ある文章を作れと各部署に連絡を回せ! 今夜は書き込み量が何時もの二倍はあるんだぞ!」
「そんな! どうして!」
「分からない。とにかく俺たちにできることは人員を増やすことだ! 悪口を色んな所に書きまくるんだ!」
「そんな色々な悪口なんて普通は思いつかないですよ!」
「やるんだよ」
「私達だけでは間に合いませんって!」
「それでもやるんだよ!」
「え」
「俺達だけでやらなくて、どうやってインターネットの公平性を守れるというんだ!」
「それは」
「あんなコメント書いてるのが本当は数人しかいないってバレたら可愛そうだろ!! 俺たちでインターネットの真実を守ってやるんだよ!! みんなで悪口書いてるんだって彼らに信じさせてやれよ!!」
「はい、分かりました!!」
人呼んでインターネット悪口センター。
彼らの戦いは日夜続く!