神社の平屋
あらすじ。
町の宿屋でいざこざあった後、巫女っちが高熱で倒れた。
神社の広大な敷地のわきにある住まい。平屋で広い屋内の一室に、巫女っちを抱きかかえ運ぶ僕は導かれるように入っていった。
畳を敷き詰められたその部屋に、巫女っちを寝かせ、押し入れから敷布団を見つけそれを部屋に敷くと、巫女っちは自らの足でその布団までふらふらと歩き、仰向けに横になった。
巫女っちの額を再び触れるが、熱は高いようで異様な暑さを感じる。
「薬はどこにある?」
「これくらい……眠れば治りますから……」
そう微笑まれても、そんな荒い呼吸では何の説得力もない。
「……薬は?」
「……薬屋に取りにいかないとないです」
「分かった」
僕は再び押し入れを調べ、薄手の毛布と小さな手ぬぐいをいくつか取り出す。そして毛布を横になる巫女っちにゆっくり被せてやる。
「台所は?」
「あっちです」
巫女っちの指さす先にタイル造りの台所が見える。
僕は台所から水のたくさん入りそうな鍋を探し出し、水をたっぷり入れて重々しく運び巫女っちの側に置く。そして鍋の水で手ぬぐいを一枚しっかりと湿らせ、絞ってから巫女っちの額へと置く。
「すぐ戻って来る」
僕は言葉を残し、薬屋へと町へ向かった。
長らく多忙で病んでいました。毎日少しづつ更新して行く昔のスタイルに戻します。