再逢の約束
掲載日:2026/08/10
園路の両縁から伸びて、天井に弧を描く枠組みと、それを覆う緑に、夏花が闇を貫く鮮やかな色を落としている。
グュリムとファロリエヌの二人、そして御附の幾人かが、そこを歩いていた。
グュリムは、婚約者の方を向きながら、わざとらしくその輪郭を避けて、連なる花々に視線を走らせている。
夜空に張る葉々の隙間に目を遣ると、彼は、月が覗いては隠れ、そのたび星々に表情の移ろいゆくのを認めた。
「よく手入れされた庭園ですね」
夜宴の余韻を引いたグュリムの、情念を過分に含んで揺蕩う心から、思わず漏れ出たような言葉が、よく響いた。
「秋になると、より鮮やかな景色をご覧いただけますわよ」
彼は、苛烈な夏の雰囲気を漂わせる庭園に、酷く浮いているように思われたファロリエヌが、途端にその一部となるのを見た。




