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読書感想文

作者: WAIai
掲載日:2026/06/29

国語の先生が教壇の上で言う。


「本を1冊読んで、感想を書きなさい」


皆、えーとか、げっ、とか騒ぎ出したが、俺は手を挙げて言う。


「先生!! 何の本でもいいの?」


すると先生は眼鏡をかけ直し、答えてくる。


「何でもいいわけじゃない。自伝や教科書に載っている作家の本にしなさい」


さらにブーイングが上がったが、先生は気にせず、テキストを整える。


ちょうどチャイムが鳴り、

「それじゃあ、俺はこれで」

先生が去っていく。



俺は早速、彼女のところへ行き、顔を覗き込む。


丸っこくて、白い肌。

思わず抱きしめたくなるような可愛さだった。


「どうする、本?」

「今から図書館に行こうか? ランチタイムだし」

「そうだな。行くか」


彼女が席を立とうとして、足をふらつかせる。

俺はぎょっとして受け止めると、彼女は手を出して支えてくる。


「ありがとう。ちょっと疲れているのかな?」

「それは、ピアノとダンスと歌を練習していればな。あんまり無理するなよ?」

「うん。大丈夫」


笑顔を浮かべたので、髪の毛を撫でてやる。

顔が白いのは元々だが、貧血でも起こしているのだろうかと気になる。


「保健室に行かなくていいか?」

「ううん、平気。図書館に行こう」


彼女は元気そうに言い、先に動き出す。

俺はその後を追い、図書館に着いた。


ランチタイムだからか、あまり人はおらず、閑散としていた。一言、発しただけで、皆の耳に入りそうである。


「何の本にしようかな?」


俺は声を落とし、彼女に囁くような感じで口を開いた。

彼女は本棚に進むと、背表紙を撫でる。


「簡単に書かれたほうが良いんじゃないかな?」

「簡単に? そんな本、あるのかよ」


俺が上を向いて嘆くと、彼女がくすりと笑う。


「ここからはバラバラに行動しよう?」

「おう。分かった」


俺は彼女から離れ、本棚を見つめていく。

古びた埃のような香りがし、思わず鼻をすんと鳴らす。

普段は図書館なんて来たことがなかった。


「誰にしようかな…」


迷いに迷う。

かっこいい人がいいなと思っていると、1冊の本と出会う。


「ナポレオンか。それなら、俺も名前を知っている」


嬉しくなって本棚から抜き出すと、本を開く。

字は小さくなく、これなら俺でも読めそうだった。


早速、彼女のところに行くと、もう1冊の本を持っていた。


「何にしたんだ?」


気になって聞くと、彼女は本を差し出す。


「キュリー夫人にした。ノーベル賞をとった人の話」

「へえ…。何か難しそう」


俺が変な顔をしたのがおかしいのか、くすくす彼女が笑う。

別に彼女に笑われるなら、構わなかった。


「よし、本を借りて教室に戻ろう。ご飯を食べ損ねてしまう」

「そうだね。…お願いします」


図書館の先生に手続きを頼むと、俺と彼女は本を胸に抱き、図書館を後にする。


その足取りは、軽かった。

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