乙女ゲームのヒロインに転生したけど、格闘ゲームになった件
☆STAGE 1:乙女ゲームの崩壊編
◇◇◇
プロローグ:転生先が平民ヒロインだった件
気がつくと、私は質素な部屋のベッドで目を覚ました。
鏡を見ると、素朴だけど可愛らしい茶髪の少女が映っている。
記憶が蘇る──これは『薔薇と蝶のセレナーデ』という乙女ゲームの主人公、サクラ・サークラ。
平民出身で王立学園に特待生として入学し、悪役令嬢からいじめられつつも4人の王子と恋愛する運命。
サクラ「……つまり、いじめられながら恋愛しろってこと?」
私は鏡の前で拳を握る。
サクラ「うーん……まずは様子を見てみるか」
◇◇◇
第1章:悪役令嬢のイジメに困惑する件
王立学園の入学式。
原作では悪役令嬢のローズマリーと出会って、いきなりいじめが開始されるシーンだった。
ローズマリー「あら、これが噂の平民特待生?」
金髪ドリルの典型的悪役令嬢が取り巻きと共に現れる。
ローズマリー「身分をわきまえなさい。ここはあなたのような者が来る場所ではありませんの」
サクラ「あ、はい……」(なんで頭にドリル2つ装備してるんだろう)
一応、原作通りの反応をしてみる。
ローズマリー「お分かりになって?なら、さっさとお帰りになることですわ」
取り巻きA「そうよ!」
取り巻きB「平民は平民らしく!」
サクラ「……」
私は待った。
何か来るんじゃないかと。
(沈黙)
サクラ「……あれ?」
ローズマリー「何ですの?」
サクラ「えーっと……これで終わり?」
私は首をかしげる。
サクラ「いじめって、こんなもの?もっと髪の毛引っ張ったり、あんなことやこんなことしないの?」
ローズマリー「なんでそんな野蛮な!?」
サクラ「あ、いや、そうなのか……でも……」
私は立ち上がる。
サクラ「ヌルいんだわ。本気度が伝わってこない」
ローズマリー「本気度って……」
サクラ「だって口だけでしょ?手も出さないし」
ローズマリー「て、手って……レディがそんな野蛮な……」
サクラ「あー、そういうことか。つまり、この世界のいじめってさ?『お上品』なのね。でもそれじゃあ……」
\\ROUND 1! FIGHT!!//
【スキル:《淑女の瓦割り》発動!】
ドガァン!
ローズマリーの横の机を一撃で粉砕。
ローズマリー「きゃああああ!?」
サクラ「迫力が足りない!これくらいやらないと相手に伝わらないんだわ。」
取り巻きA「ひいいい!」
取り巻きB「逃げましょう!」
ローズマリー「あ、あなた何者ですの!?」
サクラ「サクラ・サークラよ。そして今からお前たちにイジメの本気度を教える存在。」
ローズマリー「お、教えるって……」
サクラ「まずは基本から!ローズマリー!パン買ってこい!」(机粉砕)
ローズマリー「ひ!ひぃい!何パンが欲しいんですの?」
サクラ「美味しそうなやつだよ!」(怒号)
ローズマリー「ひいいい!具体的に言ってくださいませ!!」
サクラ「うるせー!とっとと買ってこいよ!」
ローズマリー「あの……お金は……!?」
サクラ「は?なんて?」(圧)
ローズマリー「お金……なんでもないです!」
サクラ「早くしろよ!走って行け!」
ローズマリー「走る!?レディが走るなんて……」
サクラ「いじめようとしてたんだからいじめられる覚悟があんだろ!無いならやるな!」(机粉砕)
ローズマリー「ひいいい!」(ダッシュ)
ローズマリーはダッシュを覚えた。
\\K.O.!PERFECT!//
\\You Win!!//
──リザルト画面──
スコア:+5000
ローズマリー:ダッシュLv.1 ← New ‼︎
恋愛フラグ:0
友情フラグ:+1
観客1「なぁ?リザルト画面ってどこに出てんの?」
観客2「読者の脳内だろ」
\\STAGE CLEAR!NEW STAGE UNLOCKED!//
☆STAGE 2:王子バトルラッシュ編
◇第2章:第一王子が助けに来たけど必要なかった件
数日後、ローズマリーが仲間を連れてリベンジに来た。
ローズマリー「今度こそ思い知らせてやりますわ!」
今度は男子生徒も連れている。本格的だ。
その時、第一王子アレクシスが現れる。
アレクシス「やめたまえ!女性に対してそんな……」
\\Here Comes a New Challenger!!//
金髪碧眼の美形王子。
原作では颯爽とヒロインを助けるキャラだった。
男子生徒「なぁ?今のNEW CHALLENGERって声、どこから聞こえた?」
取り巻き「空からだよ」
しかし──
サクラ「王子、下がってて」
アレクシス「え?」
\\ROUND 2! FIGHT!!//
私は拳を構える。
サクラ「なよなよしたボンボンを集めたところで私に勝てるとでも?」
男子生徒A「平民の分際で!」
拳を振り上げてくる。
【スキル:《ティーカップジャブ》発動!】
ティーカップを持つ手首のスナップを活かした、まるで砂糖をかき混ぜるような円運動から生まれる連打。
優雅に見えて実は重い。
サクラ「平民だからって舐めるなよ!平民は生きるために強くなるのよ?」
男子生徒B「囲め!」
【スキル:《舞踏会スピンキック》発動!】
華麗なドレスの裾を翻すような回し蹴りで周囲の敵を一掃。
サクラ「囲んでも無駄ね。技術の差ってやつ?」
ローズマリー「そ、そんな……」
アレクシス「すごい……君は一体……」
サクラ「社交界デビューに向けて勉強してた内容が役に立って良かったわ」
(沈黙)
ローズマリー「違う世界線の社交界にデビューしようとしてますわ!?」
アレクシス「君は……本当にヒロインなのか?」
サクラ「……」
ふと我に返る。
そうだ、私はヒロインのはず。
サクラ「……これでいいのか?恋愛ゲームなのに?」
一瞬の迷い。
でも──
サクラ「まあいいか!」
サクラ「恋愛フラグ?興味ないね。私には理想の相手がいるし」
ローズマリー「えっ……誰ですの?」
サクラ「……まだ秘密だ」
サクラ「おい!ローズマリー!今日はプロテイン買ってこい!味はチョコ!」
ローズマリー「チョコ味……いえ、バナナ味では!?」
サクラ「ふざけんな!筋肉はチョコで育つ!」(ベンチ粉砕)
ローズマリー「ひぃいいい!?」(ダッシュ)
ローズマリーのダッシュのレベルが上がった。
こうして王子との初対面は、助けられるどころか圧倒的強さを見せつけることになった。
\\You Win!!//
──リザルト画面──
スコア:+5000
ローズマリー:ダッシュLv.2
恋愛フラグ:0
友情フラグ:+2
\\STAGE CLEAR!NEW STAGE UNLOCKED!//
◇第3章:王子たちとの出会いと格闘交流
その後、残りの王子たちとも次々に出会うことになった。
◇◇◇
・第二王子ルカとの地下闘技場バトル
ルカ「サクラ……君の戦いを見てみたい」
黒髪に鋭い瞳の武闘派王子。
サクラ「えー……めんどいな……」
地下闘技場にて。
観客「新人は平民の女か?」 「王子に勝てるわけないだろ」
ルカ「手加減は無しでいいか?」
サクラ「はいはい。いつでもどうぞ。」
\\ROUND 3! FIGHT!!//
ゴング!
【スキル:《薔薇園ダッシュ》発動!】
花びらが舞うような美しい軌道で距離を詰める。
【スキル:《午後の紅茶アッパー》発動!】
優雅にティーカップを持ち上げるような動作から繰り出される必殺のアッパー。
【スキル:《淑女の嗜み連続コンボ》発動!】
刺繍をするような繊細な手つき→ピアノを弾くような指先→バイオリンを奏でるような腕の動き!
最終的に私の勝利。
サクラ「ふん。なかなかやるじゃない?」
恋愛フラグではなく、ライバルフラグが立った。
観客「この格闘技、年齢制限あるんですか?」
隣「CERO:Zだな」
◇◇◇
・第三王子エドワードの策略を物理で看破
エドワード「サクラさん、少し相談が……」
サクラ「は?自分で解決しなよ?」
銀髪に紫の瞳、知的な美青年。
案の定、倉庫に閉じ込められた。
エドワード「平民は平民らしく、大人しくしていれば良いものを」
サクラ「なるほど、これが知略?」
\\ROUND 4! FIGHT!!//
私は扉を見つめる。
【スキル:《メイドの掃除キック》発動!】
箒で掃くような優雅な足捌きから繰り出される強烈な蹴り。
ドガァン!
扉を蹴り破って脱出。
サクラ「世の中知力より筋力よ?」
(*個人の見解です)
エドワード「そ、そんな馬鹿な!?」
◇◇◇
・第四王子ガレスとの正式決闘
ガレス「サクラ殿、僕と勝負してください!」
赤髪に熱い瞳の騎士王子。
サクラ「おお!話が早い!」
\\ROUND 5! FIGHT!!//
王立学園の訓練場で正式な決闘。
【スキル:《社交界ボクシング》発動!】
社交辞令のように軽やかでありながら重い拳。
【スキル:《貴婦人の嗜み関節技》発動!】
レースの手袋をはめるような優雅さでガレスの腕を取って綺麗に極める。
ガレス「参った!素晴らしい技だ!まるで踊りのようだった!」
こうして四人の王子全員と戦友関係を築いた。
*ローズマリーのダッシュが超ダッシュに覚醒
\\You Win!!//
──リザルト画面──
スコア:+5000
恋愛フラグ:0
友情フラグ:+3
◇◇◇
◇ 第4章:悪役令嬢への逆指導開始
ローズマリーが再び現れた。
今度は涙を浮かべている。
ローズマリー「サクラさん……私、どうすれば良いのか分からないんですの……足だけ早くなりましたの……」
サクラ「どうしたの?」
ローズマリー「みんな、私を怖がって近づかなくなって……でも、あなたへのいじめは全然効果がなくて……」
サクラ「ああ、そういうことね」
私は理解した。
サクラ「ローズマリー、あんたのいじめは根本的に間違ってる」
ローズマリー「間違って……?」
サクラ「いじめってのは相手より強くなければできない。あんたは弱すぎるのよ」
(*個人の見解です)
ローズマリー「弱すぎる……」
サクラ「だから鍛える!」
こうして悪役令嬢の特訓が始まった。
特訓メニュー:
- 朝:10km走
- 昼:基礎筋トレ
- 夕:実戦格闘術
一ヶ月後。
ローズマリー「はあああ!」
美しいフォームでパンチングバッグを破壊する悪役令嬢。
サクラ「よし!今度は私と戦ってみろ!」
ローズマリー「はい!」
【新技:《令嬢式正拳突き》発動!】
扇子を閉じるような優雅な動作から繰り出される正拳突き。
私も本気で受け止める。
サクラ「いいぞ!今度こそ本当のいじめができるな!」
ローズマリー「でも……いじめって悪いことですよね?」
サクラ「だったら正々堂々決闘だ!それが一番フェア!」
ローズマリー「決闘……それは確かに貴族の嗜みですわね!」
こうして悪役令嬢も更生完了。
\\STAGE CLEAR!NEW STAGE UNLOCKED!//
☆FINAL STAGE:学園祭武闘会決勝戦
ついに学園祭。
原作では舞踏会で王子たちとのロマンチックなイベントがあるはずだった。
アレクシス「サクラ、今夜は舞踏会ですが……」
サクラ「ぶとう会?」
アレクシス「はい、舞踏会です」
サクラ「よし!武闘会!!」
私は目を輝かせる。
数時間後──
バァン!
扉を蹴破り、私は道着姿で登場した。
サクラ「私の相手はどこだ!!」
会場がざわつく。
生徒A「あ、あの平民……道着で来たぞ……」
生徒B「気でも狂ったのか……」
ドレスに身を包んだ貴族たちは動揺したが、金髪の第一王子アレクシスが一歩前に出る。
アレクシス「サクラ……せっかくですし、僕と踊りませんか?」
差し伸べられる手。優雅な誘い。
……だが私には挑戦状にしか見えなかった。
サクラ「いいだろう。受けて立とうじゃない?」
私はゆっくりと拳を構える。
その瞬間──
観客の悲鳴と歓声が入り混じり、舞踏会はそのまま「格闘大会」に変貌した。
⸻
\\ROUND 6! FIGHT!!//
第一戦:サクラ vs アレクシス
【スキル:《ティーカップジャブ》】
【スキル:《舞踏会スピンキック》】
優雅な音楽に合わせて繰り出される拳と蹴り。
観客「きゃー!なんて情熱的なダンス!」
……いや、これは普通に殴り合いだ。
アレクシスは防御一辺倒、最後はリング際に押し込まれ──
\\You Win !!//
⸻
第二戦:乱入者ルカ
黒髪の第二王子ルカがリングに飛び込む。
\\Here Comes a New Challenger!!//
ルカ「俺ともやれ!」
サクラ「望むところだ!」
\\ROUND 7! FIGHT!!//
拳と拳が激突。床板が割れる。
観客は「なんて激しいステップ!」と拍手喝采。
最終的に僅差で私が勝利した。
\\You Win !!//
⸻
第三戦:知略王子エドワード
銀髪の第三王子はリングに上がりながら笑みを浮かべる。
\\ROUND 8! FIGHT!!//
エドワード「頭脳戦こそ王者の戦い方だ」
しかし。
【スキル:《メイドの掃除キック》】
私の一撃で策は粉砕。
観客「掃き掃除のように華麗なステップ!」
エドワードはリング外に転がされ、観客は大爆笑。
\\You Win !!//
⸻
第四戦:騎士王子ガレス
赤髪の第四王子ガレスは剣を持って現れた。
\\ROUND 9! FIGHT!!//
ガレス「真剣勝負を!」
サクラ「武器?上等だ!」
【スキル:《社交界ボクシング》】
【スキル:《貴婦人の嗜み関節技》】
素手で剣を叩き落とし、関節を極める。
観客は総立ち。「なんてスリリングなダンス!」
ガレスは潔く降参。
\\You Win !!//
⸻
決勝戦:サクラ vs ローズマリー
薔薇色のドレスを翻し、ヒールで床を蹴るローズマリー。
道着姿の私は拳を握りしめて前に立つ。
ローズマリー「サクラさん……鍛錬の成果を、ここで全部ぶつけますわ!」
サクラ「望むところだ!かかってこい!」
その瞬間──
\\FINAL ROUND ! FIGHT!!//
会場が爆発するような歓声に包まれる。
舞踏会は、完全に格闘大会の最終ラウンドへと姿を変えていた。
ローズマリーの体から、赤薔薇のオーラが噴き出す。
床を蹴った瞬間、残像が十字に、円に、螺旋に走り回る。
ローズマリー「ゲージが溜まりましたわ!これが私の全力……!」
【スーパーアーツ:《ローズマリー・ローゼス・インフィニティダッシュ》】
男子生徒A「ゲージってなんだ?」
男子生徒B「細けぇことはいいんだよ!」
ドレスの裾が羽のように広がり、百連突きのハイヒールラッシュ!
会場中に風圧が吹き荒れ、観客が悲鳴を上げる。
サクラ「ぐっ……速いッ!これが本気のローズマリーか!」
その時!私のゲージも最大になった!
男子生徒A「だからゲージってなんだよ?」
男子生徒B「うるせぇ!細けぇことはいいんだよ!」
私の背中に【天】の文字が浮かび、道着が青白く発光する。
拳にすべての力を込める。
サクラ「じゃあ……こっちも全部出す!!」
【スーパーアーツ:《平民の意地真空波動拳》】
拳からエネルギー波が放たれ、リング全体を覆う。
薔薇の残像と光弾がぶつかり合い、轟音と閃光が会場を包み込む。
ローズマリー「きゃあああああああ!」
決着──。
光が収まり、静寂が訪れる。
次の瞬間──二人の拳が正面からぶつかり合った。
ドガァァン!!
床石が割れ、シャンデリアが揺れる。
互いに吹き飛び……最後に立っていたのは私だった。
\\K.O.! You Win!//
⸻
サクラ「ローズマリー……速かったな。最高だったぜ!」
ローズマリー「ふふ……楽しかったですわ!」
二人は拳を突き合わせ、観客はスタンディングオベーション。
アレクシス「……舞踏会が武闘会になった?」
◇◇◇
エピローグ:新たな世界の誕生
それから数年後。
王立学園は『王立武道学園』に名前を変え、格闘技を教える学校になっていた。
私は師範として、生徒たちに武道を教えている。
サクラ「いいか!筋肉は裏切らない!」
生徒「「「はい!師範!」」」
アレクシス「サクラ師範……僕たち、君から多くを学びました」
ルカ「戦うことの本当の意味を教えてもらった」
ガレス「正々堂々の精神を!」
エドワード「戦略だけでは勝てないことも」
ローズマリー「私も今では立派な指導員ですわ!相変わらず足は一番速いですけど!」
確かに。
いじめも陰湿な争いも全部正々堂々の勝負で解決。
明朗で分かりやすい世界になった。
サクラ「恋愛も大事だけど、まずは筋肉だろ?」
みんな「そうですね!」
サクラ「私はずっと恋をしている。スティサム様に」
私は遠くを見つめる。
ローズマリー「どんな方ですの?」
サクラ「ボウズのヒゲマッチョ」
王子たち「「「……僕たちとは正反対だ」」」
サクラ「でもお前達も今では立派な戦士よ。胸を張りなさい」
そして今日も、王立武道学園では元気な生徒たちの掛け声が響いている。
サクラ「みんな、ありがとう。でも私は旅に出る」
アレクシス「師範!どちらへ?」
サクラ「私より強いヤツに会いに行く」
私は道着に着替え、小さな荷物を背負う。
ローズマリー「サクラさん……」
サクラ「ローズマリー、学園のことは頼んだ。あんたなら立派にやれる」
王子たち「僕たちもいます!」
サクラ「そうね。みんながいれば安心だ」
私は振り返らずに歩き出す。
夕日が私の背中を照らしていた。
── 私より強いヤツに会いに行く
~完~
◇◇◇
ゲーム発売告知
『薔薇と蝶のセレナーデ』は、『BARA 2 CHO FIGHTERS』としてリニューアル発売されることになりました。
ジャンル:異世界恋愛(物理)格闘アクション
プレイ人数:1〜2人(対戦可能)
対応ハード:Battle Station 5(BS5)
特別モード:「悪役令嬢更生道場」搭載
隠しキャラ:「スティサム」参戦(DLC予定)
「恋愛要素?そんなものより拳と拳の熱い語り合いこそ真の愛だ!」
乙女ゲームとしてリリース予定だった本作ですが、開発中の予期せぬバグにより格闘ゲームに変貌。
しかし、テストプレイヤーからの評価が予想外に高く、そのまま格闘ゲームとして発売することが決定いたしました。
「恋愛要素?そんなものより拳と拳の熱い語り合いこそ真の愛だ!」 ─── 開発責任者コメント
なお、乙女ゲーム版をお待ちいただいていたお客様には、深くお詫び申し上げます。
◇◇◇
\\GAME CLEAR!BONUS STAGE UNLOCKED!//
☆BONUS STAGE:攻略本・おまけ集
◆ゲーム説明書
『BARA 2 CHO FIGHTERS』
・6人のキャラクターが使用可能(サクラ、4王子、ローズマリー)
・必殺技は全て実用的な格闘技ベース
・ストーリーモードは「戦って友情を深める」
・特別モード「悪役令嬢更生道場」
・エンディングは「サクラが旅立つ」
―――――――――――――――――――
◇【サクラ・サークラ】
肩書き:平民ヒロイン(自称・最強のヒロイン)
スタイル:平民流実戦格闘術
使用武器:己の拳(と時々机)
キャッチコピー:「恋愛より殴り合い!拳こそ真実!」
【ステータス】
パワー:★★★★★
スピード:★★★☆☆
テクニック:★★☆☆☆
耐久力:★★★★★
特殊性:机破壊補正
ヒロイン力:☆☆☆☆☆
【技】
・淑女の瓦割り → → + P
・ティーカップジャブ → ↓↘→ + P
・平民波動拳 ↓↘→ + P(長押しで強化可)
・スーパーアーツ《平民の意地真空波動拳》 ↓↘→ ↓↘→ + 強P
【勝利セリフ】
「机が一番いい練習台だったわ!」
「恋愛イベント?ごめん私はヒゲボウズマッチョが趣味なんだわ」
「次はもっと強い拳を見せろよ!」
【敗北セリフ】
「うぐっ……まだまだ修行不足か……」
「負けイベント……?これもシナリオ通りかよ!」
「チクショウ!パン買ってくるから許せ!」
―――――――――――――――――――
◇【アレクシス(第一王子)】
肩書き:王立学園第一王子
スタイル:王家剣舞術
使用武器:サーベル
キャッチコピー:「光と誇りを纏う、王子の剣舞」
【ステータス】
パワー:★★★☆☆
スピード:★★☆☆☆
テクニック:★★★★☆
耐久力:★★★☆☆
特殊性:剣舞で見栄えUP
王子力:★★★★★
【技】
・ロイヤルスラッシュ → + P
・ゴールドセイバー ↓↘→ + 強P
・ブルーローズスラスト ↓↙← + K
・スーパーアーツ《ロイヤルブレード・トライアンフ》 ↓↘→ ↓↘→ + 強P
【勝利セリフ】
「光と共に、剣は必ず勝利を導く」
「僕の剣舞は華やかさでも負けない」
「君に怪我をさせずに済んで良かった」
【敗北セリフ】
「……僕の光が……届かなかったか……」
「これが君の力……見事だ」
「まだ未熟だったようだな……」
―――――――――――――――――――
◇【ルカ(第二王子)】
肩書き:武闘派王子
スタイル:王家武闘術
使用武器:拳のみ
キャッチコピー:「正々堂々、拳で語る」
【ステータス】
パワー:★★★★☆
スピード:★★★☆☆
テクニック:★★★☆☆
耐久力:★★★★☆
特殊性:正々堂々補正
武人気質:★★★★★
【技】
・ストレートラッシュ → + P
・岩割り掌底 →↓↘ + P
・竜牙蹴 ↓↘→ + K
・スーパーアーツ《覇王爆烈拳》 ↓↘→ ↓↘→ + 強P
【勝利セリフ】
「力こそ言葉。これで伝わっただろう」
「正々堂々と戦った結果だ」
「まだ立てるなら、もう一戦やろう!」
【敗北セリフ】
「ぐっ……いい動きだった……!」
「正々堂々……負けも受け入れよう」
「次は必ず勝つ……力に誓って!」
―――――――――――――――――――
◇【エドワード(第三王子)】
肩書き:知略の王子
スタイル:罠・幻惑戦法
使用武器:頭脳と小道具
キャッチコピー:「百万の策略を物理で突破される男」
【ステータス】
パワー:★★☆☆☆
スピード:★★★☆☆
テクニック:★★★★★
耐久力:★★☆☆☆
特殊性:トリッキーな罠
策略力:★★★★★
【技】
・トラップセット ↓↘→ + P
・スモークスクリーン ↓↙← + P
・幻惑ステップ →→ + K
・スーパーアーツ《百万の策略・無限トラップ》 ↓↙← ↓↙← + 強K
【勝利セリフ】
「計算通り……とは言え、危なかった」
「君の動きも想定済みだ」
「次はもっと複雑な策を用意しておこう」
【敗北セリフ】
「……そんな……全て崩されるなんて……!」
「百万の策略より、真っ直ぐな力か……」
「くっ……僕の完璧なプランが……!」
―――――――――――――――――――
◇【ガレス(第四王子)】
肩書き:騎士王子
スタイル:騎士剣術
使用武器:大剣
キャッチコピー:「騎士道とは拳で語ること」
【ステータス】
パワー:★★★★☆
スピード:★★★☆☆
テクニック:★★★★☆
耐久力:★★★☆☆
特殊性:演説が長い
騎士道精神:★★★★★
【技】
・騎士剣斬 → + P
・ファイアスラスト →↓↘ + P
・ソードスピン →↘↓↙← + 強K
・スーパーアーツ《紅蓮騎士・剣舞乱舞》 ↓↘→ ↓↘→ + 強P
【勝利セリフ】
「剣は己の信念を示すためにある」
「卑怯な勝ちは、騎士の誇りが許さぬ!」
「良き戦いだった。感謝する」
【敗北セリフ】
「これが……君の信念の力か……」
「ぐっ……剣が……折れた……!?」
「正々堂々……完敗だ……」
―――――――――――――――――――
◇【ローズマリー(悪役令嬢)】
肩書き:悪役令嬢
スタイル:令嬢流ダッシュ格闘術
使用武器:ドレス&金髪ドリル
キャッチコピー:「薔薇のごとく華麗に、蝶のごとく速く」
【ステータス】
パワー:★★★☆☆
スピード:★★★★★
テクニック:★★★★☆
耐久力:★★☆☆☆
特殊性:ドリル髪+ダッシュ補正
令嬢力:★★★★★
【技】
・ローズマリーダッシュ →→ + K
・ドリルヘアダッシュ ダッシュ中に↑ + P
・プリンセスヒールダッシュ ダッシュ中に強K
・スーパーアーツ《ローゼス・インフィニティダッシュ》 ↓↘→ ↓↘→ + 強K
【勝利セリフ】
「私の速さについて来られる方なんていませんわ!」
「薔薇は棘があるものですのよ?」
「次こそ、もっと華麗に勝って差し上げますわ!」
【敗北セリフ】
「はぁ……速さだけでは勝てませんのね……」
「サクラさん……また私を鍛えるつもりですの?」
「くっ……ドレスが……ほつれて……」
―――――――――――――――――――
\\GAME CLEAR!!//
── 次回作にご期待ください
☆あとがき
ここまで読んでくださってありがとうございます!
この物語は、作者の別作品『魔王がポンコツだから私がやる。』の主人公サクラを、
もしも乙女ゲームに雑に放り込んだらどうなるか?──という実験作でした。
結果はご覧の通り、恋愛フラグは全滅、舞踏会は武闘会に、
悪役令嬢はスパルタで鍛えられることに。
……結局どの世界でもサクラはサクラ。世界観の方がバグるんです。
本家の『魔王がポンコツだから私がやる。』では、
鬼のサクラがポンコツ魔王を放っておけず「じゃあ私がやる!」と全部背負い、
世界を笑いと勢いで蹂躙していきます。
今回のスピンオフでサクラを気に入っていただけたら、ぜひ本編も読んでみてください!
◇◇◇
作者への応援は、ブックマーク・評価・感想がめちゃくちゃ励みになります!
机を粉砕しながら全力で喜びますので、ぜひポチッとお願いします!
\\GAME CLEAR!!//