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[ソロアサ 二次創作]

微睡の中から零れた価値は?

作者:

※こちらの作品は 高鳥瑞穂様の『「そんなの、ムリです!」~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~』の二次創作になりますm(__)m

 思いついたネタを書き殴ってみたので、敬称・設定諸々が無茶苦茶になっているのでご了承ください。


廿六章の閑話より少し前 ニンカ視点・セリス視点になります。

「せっかくのお祭りなんだし、本チャンの会場で着る衣装とかあったらなあ……」


 若干眠気を覚える中、急に頭の中に降って湧いてきた言葉が、今まで騒がしかった会議室の中でやけに響いたような気がした。


 サザンクロスはゲーム内のギルドではあるけれど、ボスに挑んだり配信のアレコレに準備が必要になったりと、ある程度メンバーを揃えて会議や事前準備を挟んだりする事がある。

 そして今度の公式大会に向けても、ギルドの方向性から困っているメンバーへのフォローまで、下手な組織よりも積極的に動いてくれる体制は羨ましい程だ、と語ってくれたのは誰だったか。

 参加は任意とは謳っているけど、サザンクロス(会社)側だとリーダーとロイドさん、それにドリアンなんかが取りまとめたり仕切ったりするのも、最早見慣れた光景でもある。

 今日もそんな会議が行われる中……ふかくにも眠気に襲われウトウトとしていた。


 ……言い訳をさせてもらえるなら、大会に向けて普段考えないような事まで思案し尽くし、学業に配信にといつもの活動にも手を抜かずに動いていたら、自分の想定以上に疲れていたらしい。


 会議室には6人掛けのテーブルがいくつか並び、要件が合う人同士で寄り添い合って話を進めている。

 今も戦闘組・装備班・研究偵察班に、リーダー達の運営組と顔ぶれもまばら。

 そことは一歩引いた位置にあたしと、色々と渡された情報を吟味し始めたセリスが座っている。


 会議も進み本題が大まかに片付いて、話題が方々に散って行って気が抜けたからか、いつの間にやら左肘をついて突っ伏すような姿勢になっていた。


 あたしの様子に気づいていても、今はそっとしていてくれる皆の気づかいに感謝しつつ、ぼんやりと周りを見回しながら大会の事を考えてみる。


 世間を巻き込み色んな人を仰天させた超豪華な会場。

 それに釣られながらも、今か今かと待ち焦がれてきた公式大会に向けてプレイヤー達の意欲も十分。

 リアルで大会出場者達を呼び寄せ、想像以上の大舞台を体験させたり色んな所へ売り込んだりと、流石はリーダーの実家だと皆が口にする大規模な催し。

 そしてそんな大舞台に立つチャンピオンコンビに、現地に参加できるあたし達……。


 ふとした思いつきも、それだけだとちょっと足りないかな?という漠然とした印象に足踏みをしていたら、


「…………ンカさん!ニンカさん!」

 頭の中に響いた声に驚き、セリスが肩を揺らしながらこちらを覗き込んでいる事に気が付いた。

「……んんー?」

「疲れているのに悪いな。ニンカ、さっき呟いてた衣装ってどういう事だ?」

 声をかけられ、さっきまで誰も居なかったセリスの隣にリーダーが座っていて、あたしの事を気づかうように見ているのに気がついた。


「なにやら面白そうなので、私にもぜひ詳しく」

 おっと、あたしの隣にもドリアンが飛び込んできてる。


 …………。


 やっぱりこっちに比べて、セリス達の距離感っておかしくないかなあ?


 隣の席からこちらの様子を伺うドリアンと比べても、ほとんど肩が触れ合っているのにお互いに意識していない正面の二人は、遠巻きにこちらを眺めながらにやついているメンバーに気づくのだろうか?


 そしてなんとなく分かった気がする。

 これなら絶対に映えるんだと。




 目の前に座るニンカさんがウトウトし始めた時、心の中で少しほっとしていた。

 ここの所人一倍頑張ってギルドやグライドさん(恋人)のために活躍する様子は、どうみてもオーバーワークだったのだから仕方がない。

 ……人の機微を見てさり気ないサポートを的確に行っていたニャオ姉の偉大さを嚙み締めつつ、イベント本戦に出場を決めたライバル達の情報をまとめたファイルを眺めている。


 そんな状況だったのに、ふと彼女が零した一言でこの会議室に居た面々の思考が止まった気がした。


 そもそも私達は「大会本番でどうするか?」について、それを主題に据えて色々な事を進めて来ている。

 それなのに彼女が放った一言は別の視点であり、彼女は何に気づいたのか?

 少し取り乱した思考をまとめ、目の前で小さく丸まっているニンカさんを見やる。


 ……なんというか、こう、無防備な子猫みたいになっている時のこの人って、本当にズルいくらい可愛いんだよなあ。


 そんなバカな事を考えていると、他のテーブルからやってくる人が。

「セリス、ニンカとは何か話してた?」

「いえ、疲れていたようなので様子を見ていただけです」

「だよね、こっちから見ててもそんな感じだったし。……何か思いついたのかな」

 そんな確認を取りながら、やって来たリーダーさんは私の隣に腰掛け、珍しそうに彼女を見やる。

「彼女ならではのアイディアというのも気になりますね」

 こちらとは反対側、ニンカさんの隣にやって来て腰掛けるドリアンさんも、どこか面白そうに笑っている。


 ……うん、これは起こさないとダメだろう。

 持っていたファイルなんかを一旦下ろし、ニンカさんを起こすべく手を伸ばし、少ししてから反応があった。

 リーダーさんとドリアンさんの問いかけにも反応して……こちらを見て小さく笑った?


「今回のイベントは西生寺グループにとっても大切だ、って話をしてくれたよね?」

「ああ、そうだな」

 いきなり実家の話を振られ、リーダーさんは表情を硬くする。

「そしてこれでもかってくらいゴージャスな舞台を用意して、VRゲームやオンラインゲームの大会を一手に引き込もう、そんな憶測が出る程大きな祭りを用意した」

「ええ、そうですね。初動のインパクトから、世界中を見渡しても類を見ない程の設備と環境。これらが正しく活用されたら、西生寺グループの存在感はこれまでどころの話じゃなくなります」

 リーダーさんの様子に気づいてか、ドリアンさんが話を引き受け、その答えにニンカさんも頷いている。


「ゲームの大会そのものを楽しむ層だけで無く、今回は会場やソレを活かしていく事にも目線が集まって、自然と大会出場者も注目されて行く」

「そうですね。世間の注目を浴びている大会に乗っかる形で知名度も稼げる、それだけでも本戦へのチケットを渇望する人達が大量に出ています」

 目の前で話す二人を見ながら、改めて規模感がおかしい話だと思ってしまう。

「豪華な会場、抜群の話題性、盛り上がって行く公式大会。 ……だけどそこに登場するあたし達は?」

「んん?……ああ、なるほど」

「……相応しい格好というのもハードルが凄そうですね」

 持ち上げた右手の指を一つ、二つ、三つと立てて見せられ、ようやく彼女の言い分に納得できた。

 ゲームの中で大会に参加する私達が主役ではあるけれど、今回はリアルの会場に集まって観衆の前に立つ事になる。

 悪目立ちするような事は論外として、無難な格好で挑むには荷が勝ちすぎている。


 周りで私達の話に聞き耳を立てていた面々も、そんな状況を想定できたのか溜息が漏れてくる。

「ただね、これは誰も彼もが仮装をしていけって話じゃ無くて」

「……と言うと?」

 持ち上げていた右手の人差し指を伸ばし、くるりくるりと回し始めるニンカさん。

「壮大になっていく今回の大会において、一番相応しい人が思いっきり目立つくらいの格好をしてもらえばいいんじゃね?って思ってさ」

 ピタッと止まった指先が、すっと私の隣を指し示す。

「……チャンピオンである俺達か」

「せいかーい」

 返事に対して満足げに指先をくるりと回し、右手を体側に動かしゆっくりと身体を起こす。


「別にアンバサコンビや運営側の分も用意してくれたらいいんだけど、兎に角リーダー達には『俺らが主役だ!!』って勢いで見栄え100%な衣装を着ておいてもらいたくて」

「……えええ?」

「良いじゃないですか!」

 思わず声を上げた私とニンカさんを交互に見比べ、リーダーさんは納得できていないのか小さく首を傾げている。

「挑むべき象徴、話題性の活用、それに次へ繋がるネタにもなる!」

 なによりご実家(スポンサー)がある以上、多少の無茶で話題性や好印象を稼げるのなら、こちらからの企画も多少通りやすそうではある。


「んんん、確かに悪くはないんだろうけど準備にかかる費用と時間は」

「運営にお伺いを立てて、スポンサー様の許可待ちにはなるだろうけど、見た目特化で予算は極力減らす形にしたらある程度通らないかな?」

 ニンカさんの頭の中で計画が普通に暴れだしたのか、少しずつ調子良さ気に笑っている。

「別に恥ずかしい格好でも笑われる格好でも無いのなら、リーダーは必ず盛り上げる事ができるのモノなら使うよね?」

「……おう」

 配信者としてもベテランであるリーダーさんなら、確実に評価を稼げる美味しい要素があるなら迷わないのだろう。

 未だに納得していない顔の彼を相手に、ニンカさんは押し進める事を止める気は無いらしい。


「リーダーが先頭に立ってくれるなら、事前に参加の決まっている選手達にも話を通してみれば、簡単なコスプレとかを用意してみたりもできそうだし」

「……具体的な案をお持ちで?」

 隣で吟味するように話を聞いていたドリアンさんの問い掛けに、ニンカさんは真っ直ぐ頷く。

「例えば先生や相棒みたいなタイプには、ゲームの中のコテッコテな装備のレプリカを持たせてみたり」

「「「ああー」」」

 形から入れる小道具があれば見栄えも悪くないし、終わってから回収すれば運営の手元に残る便利な記念品だ。

 ゲームの中でもリアルでも体格の良い男性陣に、運営側が用意した精巧なレプリカを持ってもらうだけでもウケは十分良さそう。

 外野でこちらの様子を伺っている面々も、アレはどうだコレならできるかと、少し笑いながら話している。


「それに運営が用意してくれるなら、あたしの車椅子を山羊車っぽくしてもらっていいからね」

「「……ぶふっ」」

 思い切り胸を張って宣言した彼女の一言に、私を含めた数人が撃沈した。

 ……ニンカさんが公式大会でそんな格好をして出てくるのは絶対にズルい。

 おまけに本戦とは別枠で、当日の表舞台に立って動いてくれる事が確定してるのだから尚の事……。


「それとさ、これは完全に運営の判断待ちになるんだけど」

「どうしました?」

 散々剛速球を振り回していたのに、どこか含みを持たせる言い回しが出て来て、ドリアンさんも首を傾げる。

「この話はうちがたまたま思いついたけど、例えば先生やトラキチに話を持っていくとして」

「はいはい」

「衣装については本人には伏せて、運営からデスペナやトラ小屋の方に話を投げてもらうのってどうだろ?」

「それはまた……」

「え、えげつない」

 どこよりも自分達の代表を敬愛してやまないグループに、大舞台で映える衣装を用意してあげてください!なんて案件を渡したらどうなる事やら。

 イタズラを愉しんでいるような笑顔でとんでもない爆弾を放り込まれ、その後どうなるかが容易に想像できるのだから思わず声が出る。


 ニンカさんのいくつかの案にざわつく面々を見渡し嬉しそうに頷くと、右手を高く掲げて視線を集める。

「そして最後に一番重要なのが!!」

「……え?他にもまだ何か?」

 思わせぶりに溜めながら、驚きの問いに笑顔で頷いて、上げていた右手を私に突きつk


「セリス用に『クノイチ』って感じのカッコいいドレスを用意してもらおう!」


 部屋の空気が完全に固まった。


 それから遅れて思考が追い付いた人達からざわめき出す。


 …………?


 …………わたし?


「ちょっ!?ニンカさん!?」

 椅子を突き飛ばしながら立ち上がってみても、彼女は楽しそうに笑っている。

「なんで私なんですか!?」

「言ったじゃん、相応しい人に相応しいかっこうをって」

「それなr」

「うちの本戦参加者で一番映えるのは誰だと思う?」

 被せるように質問してくるニンカさんだって着飾れば十分すぎるほど綺麗だけど、身体の問題からして衣装の用意には時間がかかって……。


「男性陣の派手さと、女性陣の華やかさ。そういうテーマで運営に投げて、他所の人達に呼び掛けてみたら女性陣は喜ぶんじゃないかな?」

「……そうなると貴女もドレスアップする事になりますよ?」

「セリスと一緒にできるならどんとこいだよ」

 思考が一歩止まっている内に、更にとんでもない事を言い出して。

「無理です!!」

「これから顔出しで配信してくんだから、大いに売り出せるチャンスじゃない?」

「大会前に死んじゃいます!!」

「セリスの魅力に当てられて、対戦相手の方が大変な事になりそうな気が」

「そうなればもっとお得だよね!」

「ドリアンさんまで……」

 茶化すような言葉ならまだしも、そんなありえない事を真剣に考慮されても……。


「そもそもこんな無茶振り、開催が迫ってきている日程で、参加者側から提案して通るわけ無いですよ」

 悪い流れを断ち切ろうと、とりあえず道理を持ち出してみるとニンカさんも頷いている。

「そりゃ何がどう動いているかも想像できない素人には、発言権も提案権も無いからね」

「そうですよ、なのに私ばかり悪目立ちするのm」


「あたし達には何も無いんだよね」


 ……?

 何を当り前な、誰かにはある……!?



 目の前に座るその人のことも正面から見ていたのに、その人の動き出しは全然目で捉えきれなかった。

 音も立てずに、椅子も揺らさずに。

 息を殺し気配を殺し、勢いもつけずにスルリと立ち上がり、この場をそのまま立ち去ろうとするリーダーの動きは、会議のために入退室に制限がかけられているこの部屋から立ち去ろうとするもの。

 半ば目論見を達成できたと言い切れる所に、こちらも負けないほど鋭い飛びつきで待ったをかけたのは彼女だった。


「おっと……どうしたのセリス?」

「ダメです!!」

 何食わぬ顔で尋ねているリーダーに、腕にしがみつきながらセリスが食い下がる。

「俺はちょっとやらなきゃいけない仕事を思い出したかr」

「止めてください!!」

 晴れやかな笑顔で誤魔化そうとするリーダーと、顔を真っ赤にしているセリスの必死さ。

「いや、外部との協議に必要な案件だから早めn」

「ダーメーでーす!!」

 セリスの事を引きはがそうとするも……まともに身動きも取れてない?


 ……あっ、セリスの方がリーダーの右腕の手首を握りしめて、思い切り体重をかけて下側に引っ張り込みつつ、反対側の自分の腕で抜けないように絡み付けて胸元n


 …………。


 ……それはずるくないかな?


 必至になって縋り付いているのは、確かに仕方のない事だろう。

 目の前の相手をこの場で逃がしたら、自分の身にどんな事が襲い掛かるのか想像すらできない。

 だから足止めをして説得をしなければどうにもならない、そんな彼女は必至過ぎて自分がどんな体勢になっているのかに気づいていない。

 ……そしてそのせいでリーダーの方が、セリスに負けないくらい大変な事になっている事にも気づいていない。


 ……うん、コレ(撮影)は仕方ない。

 こんな美味しいところを報告しなかったら、「愛でる会」からなんて言われるか。


 目の前でくんずほぐれつし始めた二人に気づかれないよう、なるべく音も立てないようにジリジリと距離を取りつつその様子を写真として残してみる。


「な、なあセリス、ちょっと落ち着こう」

「無理です!」

「いや、この体勢はちょっと不味いから」

「リーダーさんがやろうとしてる事を諦めてくれなきゃ無理です!」

「……どうしても?」

「何をやらせるつもりなんですか!?」

 ……必死なんだろうけど、ほとんど抱き着いてる状態なんだよなあ。

「…………」

「リーダーさん!?」

「あのさ」

「はい」

「俺もセリスのかっこいいドレス姿をちょっと見たいなと」

「―――!?」

「いった!?ちょっ、この距離で蹴るのは、痛い痛い!?」


 …………ああー、もういいか。


 本当に、ほんっとうに珍しく先手を打ったスカポンタンと、ほぼほぼ打ち負かされてるセリスを見ながら、なんとか笑い声を上げないように苦労している所に肩を突かれる。

 そちらに顔を向けると、あたしと同じように距離を取ろうとしていたドリアンが、とても良い笑顔でサムズアップしている。

 それに気づきこちらも同じように返すと、ウィスパーモードへの招待が。


「お見事でした」

「ありがと」

 二人に気づかれないよう離れたテーブルに陣取り、賞賛の声を送られて笑ってしまう。

 最近似たような事が起きているおかげで、ナニカが起きた時になるべく邪魔しないよう背景に徹する事に慣れてきたギルメン達も、あたし達と同じように距離をおきつつ目の前の演目を楽しんでいるようだ。

 そして中央にいる二人はお互いの事しか見えていない……と。

「……とりあえず他の皆には各自でやるべき事を進めてもらいましょうか」

「アレは終わらないよねえー」

 同じ結論に辿り着いたのか、仕事のできるこの人は即決で指示を飛ばしている。


[ドリアン : 各自の仕事もあると思うのでこの場は解散します! ぜったいに!二人の邪魔をしないようお願いします!!]

[ :了解]

[ :りょうかい]

[ :この後なんか面白くなったら報告ヨロー]


 そんな返信がダダダダと流れつつ、二人に気づかれないように撤収していく面々の機敏さにも笑ってしまう。

 リーダーとセリス以外のほとんどのメンバーが参加しているチャットルーム、野次馬板なんて言われてる所に先程からの顛末が挙げられ、当事者以外もワイワイと盛り上がっている。

「ところで聞きたかったのですが」

「うん?」

 静かになった会議室とまだ周りに気づかない二人を眺めていると、ドリアンの方から声をかけてきた。

「急に色んな事を提案されていたけど、何かきっかけでもあったんですか?」

「ああー」

 もっともと言えばもっともな指摘なんだろう。

「ゲームの大会について色々と調べてた時にさ、実際に会場に集まる形式の大会の情報も出て来てさ」

「はい」

「そういう所の催しだと本当に色んなパフォーマンスがあって、その中でも美女のコスプレとかウケ狙いの格好をしてるのも一杯あったし、完成度次第でもっと人気を稼いだりなんて話もあったんだよねえ」


 残された画像だけでもゲームのキャラに瓜二つな美女がいたり、筋肉ムキムキでレスラーみたいな男性が甲冑を身に付けてる様が本当に面白いくらい画になっていたり。

 盛り上げるために見た目の派手さってのもバカにできないんだな、なんて一人で納得したのはいつ頃だったか。


「あの二人がバッチリ決めたかっこうで現れて、今回の大舞台で直接対決まで持っていけたら楽しいと思わない?」

「……それはそれで素敵ですね」

 いまだに引っ付きながら揉めている二人を眺め、苦笑しながらそんな事を呟くとドリアンも納得してくれた。


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