第二話
スカイトレイン第2話です!1話読んでくださった方ありがとうございます!2話が初めてだよって方よろしくお願いします!前回は主人公楓原の叫びで終わりました。その続きです。楽しめるかわかんないですが楽しんでください!
「これで良かったのか?」
ついさっき大衆を愚民呼ばわりした人間発言とは思えない言葉が第二声目だった。それを受け渚はコクッと頷く。周りの生徒達だけでなく武本まで急にどうしたのだという顔で叫んだ張本人、楓原秋人を見ていた。
「演技だよ俺は別に君達の事、愚民とは思ってないし俺みたいな陰キャが大声出したら誰でも驚くでしょ?それに君達そのまま騒いでいたらまた犠牲者が増えてたよ」
パニックになっていて気づいていなかった事実それはこれからも人が死ぬことがある。これは現実なのだという事実を突きつけたことで車内がしんと静まり返る。
「何でお前そんなに冷静なんだよ・・・」
「んーまそれは後にして今は武本先生の話聞いたほうが良くない?」
生徒1人の問いに返事をする。その言葉で車内にいた生徒達全員が気づいた。彼らが殺された理由は武本の話を聞かなかったから、機嫌を損ねたからだ。全員が静かにし、話者の武本に集中する。それを確認し溜め息をついた後武本は口を開き始めた。
「お前らはなぜこの学校に入学できたか知っているか?成績?違う。内申点?違う。何かしらの才能があるからだ。お前らの同級生には自主的に入学試験を受けていない者もいるそれどころか違う学校に受かっていたものまでいる。ではなぜこの学校にいるか?才能があるからだ。世界中の各分野のトップ達見込んだ才能のある人間をこの学校に半ば強制的に入学させている。わかったか?お前らの選択肢はたった2つ『死ぬ』か『才能を開花させる』かの2択だ。これはそのための試験の1つなんだよ」
全員が黙った。黙らざるをえなかった。入学前ここは才能を伸ばすための学校だと聞いていた。それがどうだ現実は才能がなければ死ななくてはならない。しかも他の学校に合格していた人がいるということは他校の入試の合否に干渉できるということだ。
「武本っんのやろぉ!」
馬を連想させる鬣のような頭の生徒が立ち上がり武本に殴りかかる。その拳は武本の頬に直撃し運転席のドアまで殴り飛ばした。
「貴様ぁ教師を殴るとは教育がなっておらん!やはりお前のような奴を入学させるのは反対だったんだ。まあ良いおい鬼道お前には体罰が必要だな」
そう言うと武本は真っ直ぐ鬼道と呼ばれた少年の方に歩いていく。鬼道は「ああ?やるか?」など言って威嚇しているが当の武本は気にせず距離を詰めていく。鬼道が腕を引き殴りかかる体勢に入り走り出す。そして武本の腹・・・鳩尾に拳を打ちつける。「ぐっ」っと短く唸るのを無視し二発目を打とうと鬼道が左腕を振り上げると同時に武本の左手が鬼道の頭に触れる。その瞬間鬼道の頭が文字通り弾け飛んだ。四方に脳髄が、脳漿が飛び散り鬼道の体が崩れ落ちる。全員の顔に恐怖が戻る。ほぼ全員が考えていた、武本がこのまま死んだりしてくれれば安全なのではないかと。甘かった。甘すぎた。よく考えればわかる事だ。武本がボタン1つで生徒達を殺すことができたとしても生徒全員で押さえれば何もできないその対策をするなど当たり前ではないか。
「世立天生高等学園到着でぇーす全員お降りくださぁーい」
先程と同じ人を馬鹿にしたような声が赤い車内に鳴り響く。その後すぐにドアが開き武本は何事もなかったかのように降りて行った。だが生徒は誰1人降りようとしない。学校全体でこの死の試験を行なっているのだならば他の教師も当然のように自分達を殺すだろうそう全員が思っている。先程大声で叫んだ楓原もそうだ。だが、
「早く降りよ」
「え?」
渚は楓原の袖を引き、歩き出した。その瞬間全員の視線が2人に集中した。「こいつら降りるのか?」とか「正気か?」みたいな目に晒される。それはそうだ学校全体が敵かもしれないのに、車内の方が安全かもしれないのに。
だが人間とは単純なものだ。誰かが外に出るのならと懐疑的になりつつも1人また1人とスカイトレインから降り始めた。
その後の教室までの道のりは何もなくそれぞれが自身の教室に向かって行った。教室では寮生3人を除いて来ており、黒板には大きく「4」縦棒を挟み横に「41」という数字が書かれていた。教室の入り口でクラスを見渡してみると違和感があった。先に来ていた寮生の顔色が明らかに悪い。その表情で通学組の全員が理解した寮生も殺されたのだと。来ていない3人はもう死んでいるのだ、と。
「何しているんですか?」
唐突に後ろから声がした。ひどく穏やかで聞き慣れただがこの場においてはとても不快になる声、担任教師の片山転留だ。
第1話で読み仮名とか振れるのわかんなくてそのままにしてたんですけど主人公の楓原って読み方「かえでばら」ですはらじゃないんですよ〜あと天生高等学園って読み方「てんじょう」です。すみません_(-_-)_