夏本番ですね。これまでの人生で体験した怖い話まとめて書いてみます
別に私は霊感体質とかそういったものではない。
生粋のオカルティストで心霊大好きな人間だが、そういうスポットに行ったりだとかはしない。
平凡に生きている人間である。
そんな私が体験した怖いかもしれない話をいくつか書いていこうと思う。レツゴー。
・トンネルの人影
林間学校で、肝試しを行うとて集合していた時の話だ。
辺りには民家もなく、宿泊するロッジと調理場、駐車場があるだけの山奥。
何かの施設が昔あったのを再利用したというこのロッジには、小山を通り抜けるトンネルがある。
特有のオレンジライトがついたトンネルの向こう側は真っ暗闇で、その手前に当たるこちら側も街灯がピカピカしているわけでもなく暗い。
教師一同の注意事項を聞き流しながらトンネルを見ていた私は、ふとそのオレンジライトの中に黒い人影を見つけた。
照らされているのに漆黒の謎の人影はふらふら歩いたかと思うとふっと消えた。
私は絶対あのトンネルを通るのは嫌だと思い、具合が悪いといって肝試しを辞退した。他に辞退した生徒はおらず、私は教師の横でじっとしていた。
その後、ロッジで寝るとなった時に同室の子に人影について訊ねたが、そんなもの見てないという返事があるばかりだった。
・背中を押す手
高校生の時分の話である。
放課後にパソコンルームに所用あって向かって階段を上がっている最中、ふっと背中を押す「手」を感じた。
友達かな?と振り返るが誰もいない。
足音さえしなかったことを思い出した。
肩掛けカバンや制服が揺れての動きなどではなく、本当に背中の中央にそっと触れる「手」を感じたのだ。
私はその後、駆け込んだパソコンルームで、部室にいる友達に連絡して迎えに来てもらった。降りる時が怖くて仕方なかった。
翌日にはケロリと忘れていたような話だが、体験直後はどうしようもなく怖かった。
・吐息
故郷を出て一人暮らしを始めた頃のこと。
真夏の深夜、心霊動画を見てから布団に潜り込んだ。
エアコンとパソコンデスクのあるほうに背中を向けて、横向きに寝ようとしていた。
すぐ寝られるわけではないのでじっとしていると、ふと背中の方――エアコンやパソコンのある方から「男性の息遣い」がしてきていることに気付く。
階段の上り下りをした後のような少し乱れた男性の呼吸が、すぐ後ろでする。
心拍数はブチ上がり。緊張しながらその息遣いがなくなるのを待つ。
体感時間は一時間にもなったろうか。息遣いがなくなって少ししてからばっと起き上がって電気をつける。
家の中は無人だ。
ワンルームで、ドアやクローゼットの開け閉めも音がする。窓や玄関も施錠している。人が隠れる余地はない。
壁が薄いにせよ、「背中のすぐ近くで男性の呼吸がする」ような音を、隣の部屋から出すのは無理がある。
その日はパソコンで雨音の動画を流してイヤホンで聞きながら寝た。
・青い影
同じく一人暮らしを始めてまだ日の浅い頃。
視界の端にはドアに嵌め込まれたガラス越しに玄関方面が見えるわけだが、そのガラスに青い影がすっと映り込んだ。
日差しの加減か?と思って不思議に思いながら立ち上がって確認しに出る。
しかし気付く。
夜である。
ドアスコープの小さな穴から投影されたものがあったとして、影となる時間である。あの青い影にはならない。
その日は猫の動画をメチャクチャ見た。
番外編:
ある日、夜中にインターホンが鳴った。
それまでは寝る前のチルタイムを楽しんでおり、特にウーバーや出前を頼んだ覚えもない、どころか深夜23時。
怪しいと思ったので無言のままモニターを見る。
見たことのない男性がインターホンのカメラに映っている。
何度も押してくる。
玄関のドアノブもガチャガチャされている。
私は静かに110番通報した。
結論から言うと男性は隣人で、私がうるさいので注意してやろうと思ったとのこと。しかし私は寝る前だったから騒ぐこともしていない、というか基本的にすごく静かに生活しているのでクレームが来ることがまず有り得ない。パソコンだってイヤホンをつけっぱなしである。
最終的に隣人は出ていった。彼がどういう理由で虚言の注意勧告をしようとしたのか、私は知ろうとも思わない。
いかがだったろうか。
ちなみに今現在は番外編含めた体験談のある家ではなく、別の家に住んでいる。
この家ではデリのヘルなおねいちゃんが下の階と部屋を間違えてやってきた以外不審な来客もなく、またアヤシゲな現象もなく静かに暮らせている。やったね。
皆さんも思い返してみれば「あれって……」みたいな体験、ないだろうか?
あれば感想欄に書いてみてください。私が喜びます。