食べたもの
蒼冬「……………」
幻「な、何?」
蒼冬が幻の口周りの匂いを嗅いでいた。
蒼冬「…………『梨』」
幻「へ?」
次に蒼冬は寂滅の口周りを嗅いだ。
蒼冬「…………『トマト』」
寂滅「?」
叡智「どうした?」
蒼冬「…………『コーヒー』」
叡智「コーヒー?」
蒼冬「無糖の」
それだけ言って蒼冬は行ってしまった。
次の日、また蒼冬は匂いを嗅いでいた。
蒼冬「………『食パン』」
幻「食パン」
蒼冬「………『人肉』」
寂滅「じ、人肉!?」
蒼冬「………『コーヒー』」
叡智「……」
蒼冬「ミルク入り」
後日、叡智は仮説を立てた。コーヒーにミルクと砂糖を入れて口に含み、蒼冬に匂いを嗅がせる。
叡智「…………」
蒼冬「………コーヒーにミルクと砂糖を入れたな」
叡智「当たり。前から何言ってるんだって思ってたけどただ単に食べたもの当ててただけなんだね」
蒼冬「うん」
なんだ、絡繰がわかれば大したことないな。そうして叡智は好物のブラックコーヒーを淹れることにした。
叡智「…………あれ?」