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ふと、思い出して  作者: 櫻美
8/24

電車の景色を思い出しながらだらだらと

歩いているうちにいつの間にか

家の前に着いていた。

玄関の扉を開ける前に一度立ち止まり

自分に対してどうしたものか、と

扉に手を当てたまま少し考えながら

止まっていると、中の方から扉が開けられた。


「どうかしたの?」と少し心配した様子で

母が出てきた。

どうかしたのかと聞かれると、確かに

どうかしているだろう。そう思いながら

「いや、何でもない。ただいま」とだけ言い

母を避けるように横を通り抜け

自分の部屋へと逃げ込んでしまった。

天井を見つめながら再び思い出す。

頭の後ろで手を組んでみたり、

右へ左へ寝返りを打ってみたりしてみても

中々身体が落ち着かず、自分の部屋に居るが

なんだかそわそわしていた。

ようやく落ち着き始めた頃、母がご飯だと

呼びに来た。「いただきます」

食べ始めてから暫くして母が

「今日は学校どうだった」など

「勉強の具合は」だのと、いつもの調子で

私に尋問し始めた。

その問いにあまり考える時間を使わずに

「まぁまぁかな」とか「別に」だの

適当に答えておく。すると母がこんな事を言い出した


「好きな子はいないの?」


いつも私をみている母が一体何を感じたのか、

初めてこんな事を聞いてきた。

不意を突かれて少々、返答に困ってしまい同時に

耳が少し熱いような気がした。

「いない」やっとでた短い言葉で答えると

母は「あら、そうなの?いないの。」と

つまんなさそうにしながら、お椀を持ち上げて

食事を続けていた。

「ごちそうさま」と食べ終えてから

部屋に戻り、先程の母との会話を思い出し

なぜ母があんな事を聞いたのか。

その意図がどうしても気になった。

一生懸命に考えていたが、わからぬまま

段々と面倒になり

さっさと風呂に入り、床に入る。


次の日、学校に着き式を終えて

午前中には学校が終わった。今日から夏休みだ。

部活がないとの事で帰りは藤野と一緒だった。


「夏休み何かするのか?」と藤野が言う。

「別に、かな?墓参りぐらいかな」

「そうか、なら部活がない日は

お前の家に遊びに行っていいか?」

「あぁ、いいよ」

「川まで行って釣りに行くのもいいな」

そんな会話をしながら最寄りの駅まで帰ってきた。

藤野とは駅が一緒で家も歩いて

二十分程の距離だった。

「じゃあ、またな」と「あぁ」それで藤野と別れた。

藤野といても無意識に彼女を探していた。

藤野に話すとどんな反応をするだろうか。

そういえば、藤野とは仲が良いがそんな会話

まるでした事がない。

お互いに言わないし、聞かない。だが

お互い気にはなっているんだと思う。

家に帰り明日から学校が休みだと思うと

少し寂しい心持ちがした。

約二ヶ月ほどは彼女に会えないからである。


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