二
学校に行くには家から徒歩で15分程歩き
駅まで向かう、電車を降りてさらに10分程歩き
ようやく学校に着く。
家から学校に行くまでさほど遠くはないが
なぜだか恐ろしく長い道のりのように感じていた。
登下校の際、唯一の楽しみは電車で本を読む事。
特別本が好きな訳でもなかったが、
なぜ、夢中で読み続けていたのか今では
さっぱり忘れてしまった。
学校に着き教室へ行くと慣れ親しんだ声で
「川嶋、待ってたよ。宿題やったか?」
当時、仲の良かった藤野。私を待っていたのか
出来上がった宿題を待っていたのか。
そんな事どうでもよく「はい、これ。」とだけ言って
片手で藤野にノートを渡す。渡された後、藤野は
「さんきゅー」とだけ言って自分の席に帰って行く。
藤野とは中学校から一緒だが
中学の頃は殆ど会話もした事がなかった。
受験日の当日、帰り道が途中まで一緒だった所を
向こうが気づいて声をかけてきたのをきっかけに
高校に入学してから親しくなった。
藤野は明るい性格で、サッカーが得意だった。
自分とは真逆の性格だったが、気を遣わず
自然体でいれるので居心地が良かった。
授業が終われば藤野は部活へ
私は家を目指す。門の外に出ると
来る時よりも足取りは軽く開放感で満ちていた。




