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最高の火葬。沖縄民謡ちゃーが・めちゅり

作者: ヒロモト

棺桶の向かって三線を弾く女。唄う女。舞う女。


「いい歌やねぇ」


「お父さんよかったねぇ」


生前『沖縄民謡』をこよなく愛していたらしい故人の為に参列者にいた『たまたま民謡を歌える女』と『たまたま三線を弾ける女』と『たまたま沖縄伝統の舞を踊れる女』が急遽火葬の前に故人の持っていた三線を使い、歌い踊る事になった。


「えーいさー。あいやーられ。おおてぇてぇこぉ。みいーてえこはなはなれ。みぃこうすふにぃ~♪ちむけいれぇ。みーどーばーさぁ~」


ベンベベベベベベベン。ベベベン。ベンベベベベベベベン。


「はーやさー。はーよーれ!はーやさー!」


歌う女は踊る女のゆっくりとしなやかな舞いに惚れ惚れし、踊る女は歌う女にうっとりとしていた。


「うーみんちゅう~たぁ~」


ベベン。


三線は棺桶の中に入れられた。


「それでは最後のお別れとなります」




火葬中の控え室。全員が黙っていた。







(適当に沖縄っぽい曲を弾いたけど何とかなるもんだなぁ)


(適当に沖縄っぽい歌を歌ったけど何とかなるもんねぇ)


(適当に沖縄っぽい踊りをしたけど何とかなるんだねぇ)


三人の女は誰も沖縄には行ったことがない。


(さっきの三線適当だったよなぁ)


(さっきの歌。沖縄の方言じゃなかったわねぇ)


(さっきの踊り。ただゆっくり動いてただけだったなぁ)


皆が皆空気を読んで黙っていた。たった一人を除いて。


「いやー。良かったよぉ。おめーらにゃ言えなかったけど、わし。沖縄には行ったこともないし興味もないし三線は格好つけて買っただけだったけどありゃあ良かったよぉ。お姉さん方ありがとねぇ」


帰宅後。全員が『なんだかんだいい式だったな』と思ったそうだ。





にふぇーでーびる。

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