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私の中で眠りなさい  作者: 夜追
40/51

40,伝説の独占欲

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「——確認できましたのでロック鳥の討伐の報酬を振込ました。ギルドカードお返ししますね」

 ミーリアとは別の受付嬢リサからカードを受け取る。リサは人族だそうだ。金髪碧眼美女でこれまたボンキュッボンだ。「ここはボンキュッボンしかいないの?」とレオンにこぼすと「ルナだってボンキュッボンだったじゃないか?もう少し年齢を重ねればリンだってそうなるんだから」と言われる。そうなのかとほっとする。今まで出会った女性はほとんどボンキュッボンだったから。——つまり女性として羨ましかったの。

 今回の報酬は男前レオンは「俺達はパーティーだし折半でいい」と言ってくれたので、有難く受け入れるといきなり小金持ちななった。ロック鳥1体で金貨3枚で折半なので私は金貨12枚を手にした。やったー!

「次の店に行こうか」

 レオンに抱っこされたままギルドを後にする。



「リン、ここだ」

 レオンに連れてこられたのはギルドから近い『デヴィド・ティーナ』がある通り沿いにある。看板がゴールドで黒字で『マーク・ハリストン』って彫られている。

 白の両開き扉から入ると広めに作られたロビーがあり、その先にカウンターがある。白を基調としてアクセントに金色が使われおりまるで高級なホテルの内装である。カウンターには仕立ての良さそうな黒のスーツを着たモノクルを鼻に掛けた壮年の男性が迎えてくれる。

「いらっしゃいませ。——お久しぶりでございます、レオンハルト様」

 洗練した身のこなしで挨拶する。 

「久しぶりだ、マーク」

「レオンハルト様の腕にいだかれている方は番様ですか?」

「そうだ、アメトリンという」

 レオンは私に微笑みかけながら答える。

 マークはレオンを見ると片眉を上げ「冷静沈着の代名詞と云われるレオンハルト様も番様にはそう優しく微笑まれるのですね」と言うと穏やかに微笑む。

「——ああ、そうだ。今日はペアリングを買いに来たのと、番の首飾りの制作を頼みたい」

 マークはペアリングと聞くと目を見開かせる。

「おめでとうございます!この事はミュゲー公とラインハルト様は知っておられるのですか?!」

「——まだ話していないが、俺が番を見つけたことは知っている」

「——先日の竜族の咆哮でしょうか?」

「おまえは……まあいい。——ところでペアリングを見せてもらえるか?」

「はい、かしこまりました。ではこちらにどうぞ」

 応接室に案内される。応接室はロビーと同じく白を基調にしてある。

 マークは私に微笑むと「私はレオンハルト様のミュゲー家と懇意にさせていただいております。レオンハルト様の父君のペアリングを私が制作いたしました」とレオンとの関係をおしえてくれた。

「ペアリングって重要な物なんですか?」

 レオンとマークの話しを聞いているとペアリングって恋人同士がつける物だと思っていたが、結婚指輪みたいな物に思えてくる。

 私が聞くとマークはレオンを睨む。

「レオンハルト様、番様に説明をきちんとなさってください」

 レオンはマークに言われると苦笑いする。

「後から話すつもりだったのだ。——リン、ペアリングとは番同士で持つ腕輪だ。婚姻を結んでいる証明にもなる大切な物だ」

 わーお!結婚指輪ならぬ結婚腕輪だった。

「——うん、わかったよ」

 ソファーに腰かけると、マークがいろんな種類のペアリングを出してくる。テーブルには5つのシンプルな腕輪が並べられる。

「まずは素材ですね。素材はミスリル、プラチナ、ホワイトゴールド、ゴールド、シルバーの材料どうしましょうか?」

「俺は銀色で強度のあるミスリルがいい。番の色だからな」

 私の髪の色ですか?!

「私はレオンの金色がいいな。いつも身に着けるのならレオンを傍に感じさせてくれる髪と瞳の色の金色がいいよ」

 マークはレオンと私の意見を聞くと腕を組んで考えている。

「——ではミスリル素材に石をシトリンかイエローダイヤモンド、アメジストのどれかをつけましょう。——いかがでしょうか?」

「ミスリルにアメトリンの石をつける。ミスリルとアマトリンは用意してある。刻印はミュゲーは使わずに、後で俺が刻印をつける」

「承知しました。アメトリン石は伝説の石と云われています。それをお持ちとは流石レオンハルト様。素材はお帰りの際にお預かりしします。——さて番様の首飾りの話を進めましょうか」

 マークに言われると私は異空間から袋に入った真珠を袋ごとマークに差し出す。

「これで首飾りを3つ作ってほしいです」

 私がそう言うとマークは受け取った袋の中を確認する。

「美しい真珠ですね。しかもこんなにたくさんの大粒の物は私は初めてみましたよ。デザインはどうしましょうか?」

「ビーズみたいに真珠珠に穴を開けて、それを絹糸で通すのでいいのかな?あと留め具を付けてほしい。43センチの長さを1つと3メートルの長さを2つ作ってください」

「43センチのほうは真珠を全て通してもいいですが、ここにあるものだけで3メートルの長さは数が足りなくて難しいですね」

 真珠の数が足りないなら……代用できる物を探す。

「——球体に多面に鏡面加工をほどこした…ミラーボールを代用します。それを真珠とミラーボールを交互に通してもらうのは?——ホワイトゴールドのミラーボールと真珠の組み合わせがいいかも……」

 マークは私の話を聞くと顔を輝かせる。

「多面にミラーカットを施したボールは煌めいて美しいですね!初めて耳にする技術です!——もしよろしければその技術を買わせてください。当店で販売したいと思います。他にも真珠のアクセサリーなども販売できたら素晴らしいでしょう……」

 ミラーボールはここの世界にはなかったのか。ミラーボールの技術と真珠の輸出でダンジョンに収入が入るように算段する。

「ミラーボール技術を使ってくれるのは歓迎します。真珠はこれからも手に入れられるので売ることができます。では完成した時に完成品を見てからいろいろと決めましょうか?完成すれば材料費、加工費がどのくらいかかったのかわかりますよね?」

「おお!ありがたいです!できあがりましたらレオンハルト様に連絡をさせていただきます」

「マーク。俺は月影にしばらくいる、連絡を取るのならそこへ。——ペアリング、楽しみにしている」

 レオンはマークに素材が入った袋を渡す。

「中にミスリルと大粒のアメトリンが2つ入っている」

 マークは中に入っている物を確認する。中には白銀の塊と直径10ミリ以上のアメトリンが入っている。

「おお!伝説の宝石のアメトリンしかも大粒を初めて見ました!とても美しいです!——まるで番様の瞳の様ですね」

 マークが感嘆の声を上げる。

 アメトリンは私のいた世界では探せば見つかる、しんなに珍しい石ではなかったはず。

「——そんなに珍しいの?」

 マークは頷いて見せる。

「はい。今ではとても珍しいですね。——伝説によると創造神ソル様が伴侶ルナ様の瞳が番様の様に金色と紫色のオッドアイだったのです。その瞳に似たアメトリンを自分以外所持するのを甚く嫌悪なされ、世界中から石を全て取り上げてしまったそうです。現存するのは皇都にある神殿に1つだけです」

 私は恥ずかしくなり両手で顔を隠す。レオンが強い独占欲でやった事が後年まで伝わっているとは……。レオンはどんな反応かなと指の間から覗くと……レオンは平然としていて……あ・た・り・ま・え・だ・ろっていう顔をしている。指の間から覗く私に気付くと微笑んで「リン?どうしたんだ?」と聞いてくる。

 えっ?!ソルがやった事だから他人事なの?!独占欲があるの公に知られても平気なの?!

「——神殿にあるのは初代竜王の持ち物だ。亡くなる時に壊そうとしたができなかったみたいだな」

 レオンはマークに補足するかのように話す。

 1個も許す気がないのねー?!私はソルの過剰な独占欲に辟易させられた。


 

 





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