36,よーいドン!
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ぐったりして後ろのレオンにもたれかかるもたれかかる私。原因は先ほどのキス。お互いの唇が離れて、私が「人が通る所での深いキスは恥ずかしいから止めてほしい」と訴えたところ、レオンがあの時指を鳴らしたのは認識阻害の魔法を使ったんだって。「あそこを通る人は俺達が何をやっているのがわからない状態になっている」さらに「リンのあの蕩けた顔を他のオスに見せるわけないだろう?」と言われて、もう口を閉ざすしかない。これ以上話せば藪蛇になる……。
もうすぐ頂上というところでニュークが足を止めた。
(この先に魔物の気配がします)
「——3体だな」
「私が行くよ?」
(マスター、番様、私も行きたいです)
「俺も行くぞ?」
「じゃあ、よーいドン!の合図で競争する?」
(マスター、それはおもしろそうですね)
「フッ。番に狩が上手いのを見せてやろう」
お互いに顔を見合わせてほくそ笑む。
「「(よーいドン!)」」
3人で空にいるロック鳥へ目掛けて飛ぶ。ニュークは反則な速さ——ロケットダッシュで。レオンは翼だけ竜化して飛翔、私は遅れて浮遊するが遅い。出遅れたー!言いだしっぺがビリなんて恥ずかしい!
(マスター僭越ですが、あの2人に後れを取らない術をおしえますね。空に点を何か所か作ってみてください)
ララが力になってくれる!——空を見上げれば離れたところにロック鳥が1匹飛んでいるのが見える。灰色のとても大きな鳥の魔物だ。
ロック鳥にたどり着ける最短のルートを点を作る。
(——作ったよ?)
(その点を掴むイメージで追ってください)
——掴むって?ボルタリングをやるつもりで、点をホールドに見立てて登りはじめる。そうやって最短ルートをトレースすれば、ニュークとレオンに追いつくことができた。彼らは一瞬で姿を現す私に驚き目を見開く。
(マスター、よくできました。今度瞬間移動をするときは点を追いかけるイメージで行ってくださいね。今回はすぐにできるよう、わかりやすく掴むというイメージでおしえました)
(——ありがとう、ララ)
念話で伝えると、ララが微笑んでくれたような気がする。
私は異空間からバスターソードを取り出し目前のロック鳥の首を狙い大剣を振ればロック鳥を首チョンパすることができた。
魔素でできたバスターソードで魔素で体内を構成する魔物を斬ると血がでないので血抜きをしなくても持ち運べるので便利だ。
「——勝負は引き分けみたいだな?」
レオンはニヤリと笑う。
私が首チョンパした時と同じタイミングでレオンとニュークも倒したらしいとレオンが言う。レオンは大剣で首を切断、ニュークはロック鳥の頭を前後の脚で蹴り飛ばして倒したそうだ。
「レオンの翼を出した状態、初めて見たー」
「翼を出すだけのハーフチェンジで飛んだほうが速いんだよ」
(マスターと番様はとても速くて驚きました)
3人とも倒した時に異空間収納したので回収の手間いらず。
「ところでレオン。ロック鳥の討伐って何体なの?」
「決まっていないが……」
(ほぉ、近辺にまだ数体いますよ)
3人お互いの顔を見合わせて頷きあう。
「「(よーいドン!)」」
レオンは完全な竜化…フルチェンジしてロケットスタート。ニュークも猛スピードで駆けてゆく。魔力探知でロック鳥の魔力を探すとその方向へ瞬間移動する。
私の瞬間移動は視界に入る場所、行ったことがある場所でしか使えないみたい。練習していけば自由自在にできるのかな?
この時にレオンはやってしまった。楽しくてテンションが上がったせいなのか、完全に竜になり狩猟で本能が刺激されたのか……咆哮を上げる。
「グオ————ン!」
今まで私が感知していた魔力が猛スピードで離れて行く。それをレオンが追いかけるのがわかる。
「——私、負けでいいや」
この勝負を諦めることにした。必死で逃げるのを追いかけるレオンに追いつけないから。
私も飛行できるが飛ぶのがメインな種類ではないから、レオン達と同じように長時間飛んでいられない。
(マスター。番様がロック鳥を追いかけてしまいましたが私はマスターの元を離れるわけにはいけないと戻ってきました)
「ニュークが戻ってきたから、ここで待とうか?」
私は苦笑いをする。
(番様は竜王ですからすぐに仕留めてもどられますよ)
レオンが竜王?!——少し驚いたけれど、彼が竜王だとしてもルナの伴侶のソルに変わりはないのだから。私がルナと融合してからはレオンはソルなんだと魂がおしえてくれる。
「よくわかったね?レオン自分からは言ってないはず」
ニュークは目をぱちくりさせる。私、何か変な事言った?
(ダンジョンにいる名前持ちは皆、番様の事を知っています。我々は魂の色が見えるのです。そしてマスター貴女が女神ルナの生まれ変わりだということも)
みんな知っているのねー!自分だけ知らないっていうのは恥ずかしい。
「——私、魂の色見えない……」
見えたらもっといろんな事がわかるのだろうか?
(それは……。マスター、精進してください)
「——うん、そうする」
(マスターはこの世界にきてまだ2日なのです。焦らずに、番様、ララ様にいろいろ教わってください)
「ニュークってララに送られたとか言ってたたけれどララに会えたの?」
ララとは念話のやり取りしかしてない。会えるのなら会いたい。
(ララ様は我々には姿を表さず意思を語るだけです)
——だよね……。私のスキルだもんね……。
「こうゆっくり話せてよかった」
(私もです。いつでも呼んでください)
ニュークは尻尾をブンブン振る。
(——おや?番様が戻ってきます)
ニュークに言われ強い魔力がこちらに猛スピードで近づいているのに気づく。
金色の竜が私達に気付くとゆっくりとスピードを落とすと、人化になって地上に下りる。
「おかえりなさい、レオン。どこまで行ったの?」
「グランドール帝国の沖だな……。つい夢中になって追いかけた」
苦笑いするレオン。
「ごめんね、行かなくて。レオン速すぎるからすぐ諦めて引き返した」
「気にしなくていい。リンがここで残ってくれてよかった」
レオンは私に近づくと抱っこする。
「討伐も終わったから帰るか?」
私とリュークは頭を縦に振る。
(帰りも私にお任せを。空を飛んで帰りましょう?)
「俺が竜化して帰ろう?」
2人は提案してくる。
「私、瞬間移動の練習したいからいい?」
お願いすると2人は快諾してくれた。
「リンの練習なら付き合おう」
(マスターのお望みのままに)
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