3,2人の出会い
宜しくお願いします。
ヒロイン視点です。次話から複数視点は side~ を使用します。
修正が多くてすみません。
ソルさんと別れてから、どのくらいの時間が過ぎたのか、わからない。
「――――!」
「――――!」
「――――!」
さっきからなんか声がする。なんかソルさんに似て懐かしいバリトンボイス。
――ソルさん?ソルさん傍にいるの?
私は目を開いて辺りを軽く見渡してみる。なんか森林の中にいるみたい。
すぐ近くに人の視線を感じて、上半身だけおこして視線をむけると、大人の男性が跪いて私を見つめている。彼は背中の真ん中までの長さの金髪を後ろに一つに纏め、金色の瞳、中性的で神かがった秀麗な美貌。漆黒のローブを纏っている。しかも、何故か頬をうっすら赤くしている。
ん?私、おかしい?って視線を落として自分を慌てて見てみる。
私!何も身に着けてない!髪は長くなっており、色はプラチナになっている。
「きゃー!」
髪の毛で胸とか大事な所?!は隠れているけど、両手で少しでも体を隠そうとする。すると全身に黒い靄が集まり、すぐに胸から脚までを覆いワンピースみたいに変化した。
――え?!魔法なの?!
黒いオフショルダーの踝丈のワンピースは胸元と裾に繊細なレースが贅沢に使われていて可愛い。
「こんにちわ?」
取り敢えず彼に声を掛けてみると、彼は目を見開き、膝を前に進める。
「俺はレオンハルト・ミュゲー・グランドールだ。俺の唯一」
私の頬を右の掌で優しく触れながら、イケメンの破壊力抜群な微笑みを浮かべ――私を強く抱きしめた。
キャー!心の中で叫ぶ。
「会いたかった……。名前をおしえてくれ?」
抱きしめられて、なんかウッド系の落ち着く好い匂いだと堪能しつつ思考を巡らす。
前の名前は好きじゃないし、どうしよう?何て名乗る?だって、プラチナの髪で、『まなかほのか』はないよね?うーん。
そういえばソルさんがわからないことが、あったら『ステータスオープン』を唱えてみてといわれたなな。思い出して心の中で、唱えてみる。すると……
(はじめまして、私はソル様から貴女をサポートするように命じられた『スキル・バトラー』です。詳しくは後程説明します。マスター、御名前のことでお困りですね?)
頭の中で女性の声で話しかけてくる。機械音声サービスみたいな?しかも察しがいい。
(そうなの。どう名乗っていいんだろ?『バトラー』さん)
(はい、マスター。ソル様がマスターをこの世界に受肉させた時に器である御身体には名前がつけられておりました。名乗る事で御身体と御魂が深く繋がりますので、是非お使いくださいませ。マスターの御名前はアメトリン様と申します)
「私、アメトリンっていうの。私は本当にレオンハルトさんの番なの?」
さらに強く抱きしめられ、髪を撫でられる。
「――レオンハルトだ。番は宝石の名前なのだな」
「レオンハルト?」
体を離され、レオンを見るように顔をむけさせられる。再びイケメン・スマイルが!
「そうだ。普段はレオンと呼んでくれ。俺もリンと呼ぼう」
私に向ける表情はとても甘やか。私をとても愛しているって金色の双瞳が訴えてくる。レオンに惹かれていくのが自分でもわかる。
「レオン。私を迎えに来てくれてありがとう。うれしい」と、私から抱きついてしまった。
彼の美しい金色の瞳に私が映っているなと思ってなんとなく眺めていたら、顎をくいと持ち上げられ、唇が重なった。
――私の初めてのキスがレオンでよかった……。
「初めてのキスがレオンでよかった……」が、声に出てしまったのをレオンに聞こえ、すごい嬉しそうに微笑み「番の初めてを貰い重畳」と強く抱きしめられた。
あれからバードキスがしばらく続き、お互いの顔と心が解け切った頃、レオンが切ない表情を浮かべ、これ以上は止められなくなると言って体を離した。名残惜しい……。
漫画と小説を読んでこれから先が何をするのがわかるけれど、まだ怖い。それにここは外だ。初めてはちゃんとした場所がいい。
続けて投稿できるよう頑張ります。




