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泪の色  作者: 井黒薯蕷
3/3

問い

教室にやってきた 麓は

当然のように言葉を発しようとは

しなかった


椅子に座り直し

麓に


『 お前なにか 隠してるだろ

誰にも言っていない秘密を 』


と 僕は 解いた


彼女は 呆然と立ちすくしていた


『 昨日見たんだ お前と

小さな子供達が笑いながら遊んでいるところを』


麓の表情が変わる


『 ずっと 何も言わず 自分から動こうと

しないお前が なんで 2つの顔を

持っているのか 疑問に思ったんだ 』


麓の 額には少しの汗が 見えた


『 喋らないのはどうでもいいけど

ムカつくんだよ そういうの

何か 隠し事があるなら言えよ 』


僕は 彼女に問いただした


無音の空間に風が吹き荒れた


すると 麓は 震えながら 口を動かした


『 関係ない...』


そう 言い放った瞬間

颯爽と教室の扉を開け

走り去っていった


僕には 何がなんだかわからなかった


その時 僕は 1つの言葉を思い出した。


『 前に進むことは 変わることじゃなくていい

背中を押してくれる分だけの 後悔があれば

充分だ。 』


それは 亡くなる前 父が残した

最後の言葉だった


父は 僕が 幼稚園入学の時に

命を落とした

膵臓癌だった。


父の こともあり 母さんは変わってしまった

のかもしれない


父はいつも僕の味方をしてくれて

少し陽気な所もあり とても優しい人だった


父が亡くなったと知らされた直後

目の前が真っ暗になったような感覚がした

前を見る気力もなく 周りを見るのが

怖くなった、


何も見えない世界でたった1人

何をしていいのかもわからず 何をするのが

正解なのかもわからない


逃げ場の内 迷路の様な。


普段とは違う麓の姿を見た時

何かを感じたのかもしれない


自分と同じ何かを_

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