偽り
毎日 毎日 同じことの繰り返し
イジメて 傷つけて 貶して
それでも 彼女は めげなかった。
放課後 1人で クラスに行くと
机を1人で 綺麗にしている
彼女がいた
腹が立った僕は 麓に
『 なんでお前は 変わろうとしない、
なんでお前は全て飲み込んで
終わらせようとするんだ 』
と 言い放った。
すると 麓は 掃除を止め
顔色1つ変えずに 教室を去っていった
僕には 何一つわからなかった
『凛〜 今日俺の家に集まるんだけど どう?』
『 ごめん 今日は用事があるんだ 』
友達との遊びを断り
僕は 学校終わり 彼女の後を
つけてみることにした
校門を出て 麓は 誰とも喋らず
真っ直ぐ家に向かっていった
1時間半かかり 学校から遠く
離れた場所に 家はあり
彼女は家に入っていった
お世辞でも 綺麗とは言えないほどの
ボロアパートだった
数分もすると 扉を開く音が聞こえ
麓が 出てきたと同時に
5人の小さな子供達が一斉に飛び出してきた
その後 公園に向かい
子供達と遊ぶ 麓の 顔には
太陽のような 笑顔があった
彼女の声を聞いたのもこの時が
初めてだった
『 なんだよこれ.. 』
僕は自分の家に帰ることにした。
頭の中が 混乱した
学校と 家での2つの顔
アイツは 何がしたいんだ..
後日 僕は 麓に手紙を書き
放課後 時間を指定し 教室へ来るように言った
太陽が照らす中
放課後 教室へ行くと 彼女はいなかった
少し待つことにした
時間がどれだけ過ぎても 来る気配すらなかった
『 そりゃそうか、毎日あんだけ やられれば
嫌になるに決まってる 』
僕が 席を立った瞬間
ドアの開く音が聞こえ そこには
麓の姿があった_