〜神様に誓った日〜
《もう売れない》
ヒラキからそう伝えられるが
私「じゃあさ、30でどう?」
ヒラキ「え?」
私「30万あげるから売ってよ。」
ヒラキ「えっ…わかっ…でもさぁ」
私「じゃあいいや、いらないんだね?他探すから」
ヒラキ「ちょっと待ってよ!わかったって!!30ね!」
私はヒラキに30万をすんなり払う
当時まだ18歳だ。
いつものようにアイスを受け取り
自分の部屋で快楽に溺れていたときだった
ゴキブリが大量にみえバッドに陥り酷い幻覚をみてパニックになる
だけど母親に気付かれたら終わりだと
私は必死に叫びたい声を抑え全身をプルプル震わせ目を強く瞑った
小さな声でぶつぶつ
私「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいもうしませんごめんなさい許して…」
今までで一番最悪なバッドだったことをよく覚えている
そして
私は泣いた。
きっとバチが当たったんだ。
ドラッグを使用すると切れたときに反動で
なにも手付かずになる
その影響で当時付き合っていた彼氏も失い。
いつの間にか私がドラッグを使用しているという噂が高校の同級生
皆に知られ連絡先も切られたのだ。
気づいた頃にはもう遅く
いつも気に掛けてくれていた明菜ちゃんまで連絡は取れなくなってしまった
私「なんでこんなことになったの…成功してたじゃん!ひとりぼっちじゃん私が全部悪いんだから仕方ないよ…でも、なんでたったこんな小さなパケに入ってる粉のせいでこんな目に遭うの!?」
《どうしたら…いいの?》
体育座りでプルプル震わせた身体を自分で強く抱きしめ
私はついにドラッグを断つと決意する。
私「こんなもののせいで人生終わらせたくない…だれかたすけてよ…!」
涙が止まらなかった。
〝ドラッグを使用すると全て失う〟
そんなことは都市伝説だと思っていた
しかし
待っていたのは〝確かな事実〟
彼氏も友達もお金もドラッグに漬け込み失い
空っぽ
それでも、そんな私を神様は見逃さなかった
普通なら禁断症状などが現れるなか
使用しないと決めた
その翌日も
またその翌日も
決してまた、やりたいという気持ちが不思議なことに1mm足りとも感じなかったのだ。
これは唯一私にだけ神様がもう一度チャンスをくれたのだと。
このチャンスを無駄には絶対にしないと。
私は〝大きく誓った〟
そして私にはやらなきゃいけないことがあった。それは大きな決意表明をする必要
そう…。
辞めるという決意表明の為に
母親に全て打ち明けるということだ




