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かつて私達を見下した者達へ  作者: A-ten
カスミ視点
6/9

初めて出会った頃の記憶・後

後編です。ユリちゃんのロリ母性が発揮されます。

やっぱこの子色んな意味で濃いよね。

私は、傘をさして急いで女の子の元に駆けた。

でもその女の子は、私が近づいて傘をさしてあげても、気づいていないのか。

虚空を見つめている(・・・・・・・・・)


「ねえ、きみ!大丈夫?こんな雨の日に外に出ると風邪ひいちゃうよ!こっち来て!」


私はその子が風邪を引かないよう、家に招き入れて、暖かいお風呂へと入れてあげた。

身体を拭いて、暖かい部屋に迎えて、お母さんが用意してくれていたであろうスープを食べさせた。

なんで知らない子にここまでしてあげたのか。

当時の私は分からなかった。

友達が欲しかったか。目の前の子を見捨てられなかったのか。


「ほら、スープ食べて!身体をとにかくあたたかくしないと!」

「...ぁ」


全然食べてくれようとしない。

無理やり食べさせようとすると、彼女が小さく口を開けてくれた。


「なんだ、聞こえてるじゃん!ほら、あーん!」

「...んぅ」


よかった。食べてくれている。

二口目を食べさせようとすると、今まで言葉を発さなかった目の前の女の子が、口を開けた。


「...な、んで...たすけてくれたの...?」


か弱く、細い声だった。まるで、助けを求めているような。そんな、悲しい声色だった。

...幼かった私でも、この時は理解した。

━━もう、手遅れだったのだろう、と。


「...うーん。なんでって言われても。私は!正義の味方なのだ!ってね!あなたを助けなきゃって思って、体が勝手に動いたの!」

「...そう、なんだ.......へんな、ひと」


グサッ。心にダイレクトアタックされた。


「失礼な!変な人とか!名前も分からない人から変な人認定されたのはじめてだよ!」

「名前が分かる人からは変な人認定されたの...?」

「...........................私、ユリって言うの!ねぇ、あなた名前は?」


これ以上はいけない。私のHPがもたない。

泣き出しそうだ。誤魔化すため、目の前の子の名前を聞いた。


「...ふふっ...ごまかした...私の、なまえ...カスミ...。カスミっていうことしか...私のことがわからないの。」

「...そう!分からないなら分からないままでいいの!いつかきっと思い出せるから!」

「...ほんと?」

「うん!私が協力してあげる!だから、私達は今日、今!友達になったの!よろしく、カスミ!」

「...ともだち...」


友達。その言葉を聞いて、カスミは涙を流していた。

眼に光を宿して(・・・・・・・)


「わああ、どうしたの!?私と友達になるの嫌だった!?」

「ふ、ふふっ...あはははっ!ううん!なんだか、ぽかぽかしてきちゃった!すっごく、嬉しい!」

「...!そ、そう!く、くるしゅうない!」


口調が変になる。目の前のカスミが、本当に心から直接伝わってくるくらい、嬉しいという感情が溢れていた。

それを見て、なんだか気恥ずかしくなってしまった。

いつか、カスミが幸せになれるように。

もう二度と、あんな目をしないように。

私が傍でカスミを守っていないといけないんだ。

ユリちゃんええ子や...

次は本当にユリ視点で技を編み出します。


ユリちゃんの刀、特殊な形状なんですよ。

次回、それに触れます。

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