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かつて私達を見下した者達へ  作者: A-ten
カスミ視点
5/9

初めて出会った時の記憶・前

ユリ視点のお話...の前に、ユリとカスミが出会った時のお話です。

私がまだ8歳の頃。

窓の外はこれでもかというくらいの大雨が降り注いでいた。

これでは大好きなパンが買いに行けないし、お母さんにセットしてもらった私の可愛い髪の毛が台無しになってしまう。


「うぁー。ゆーうつ...」


お母さんはよく憂鬱と口にしていた為、当時の私はそれが伝染して口癖になっていた。

今考えると、8歳で憂鬱と口にするのはなかなかどうかと思うけど。


「こんな雨じゃ、パンも買えないし、遊ぶのもむりだよね...ひまだーっっ!!」


お母さんは街の中心部分にあるギルドの受付をしているらしい。そのせいで家にお母さんが夜までいなくて暇なのだ。


「なんでこういう時に限ってお父さんもいないのかなー...きょうだいが欲しいぃ〜...」


私の父親は冒険者だ。ゴツイ身体してる癖して、大剣だとか、斧だとかそういう武器を使わない。

ムキムキな癖にヒーラーなのである。

その身体はなんの為に鍛えたんだ。


「せめて妹か弟がいればなぁ...」


私は生粋の一人っ子だ。

そして友人と言える存在も多くない。外に出られない日はかなり暇なのだ。

憂鬱な気分になりながら窓の外を眺めていると、奇妙なものを見た。


「んん...?なあんだろ、あれ。こんな大雨なのに!」


門の方から歩いてきたのだろうか。

窓の外に居たのは、桜の花を模したヘアピンが特徴的な黒髪サイドテールの女の子だった。


━━しかし、その女の子の目は。

まるで何も見えていないのか。

見ようとしていないのか。

光を宿していなかった(・・・・・・・・・・)

後編は明日。

親友になるまでのお話。

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