第7話 倉庫での一幕
「ふぅ。ここでいいかな?」
昼食後、国語の先生に頼まれた荷物を1階の倉庫に運び終わったところで一息ついた。
4階にある自分たちのクラスから、そこそこの質量のある荷物を運んできたので流石に疲れた。
運びに行く時に光姫ちゃんが手伝おうか?と言ってくれたけど光姫ちゃんに荷物を持たせるのは気が引けるし、ちょっとだけ良いとこ見せたかったから1人で持っていったのだが、
ちょっと後悔していたりする。
ちなみに荷物は家庭科のノートと教材、実習の材料などだった。
「ありがとう。佐倉。すっごく助かったよ。」
と言って後から軽快なでも、ちょと息遣いが荒くなってる明るい声で話しかけてきたのは、三浦まりか。腰より少し上まである黒髪に、身長は160後半から170前半ほどのカッコイイ系美人だ。あとなかなかにある。何がとは言わないが。国語の先生で推定年齢30歳の 独 身 だ。独身だ。
常日頃から結婚したいだの、彼氏が欲しいだの言ってクラスの皆を笑顔にしているが口に出している本人だけは、声が笑っていても顔が笑っていないあの三浦まりか先生だ。
「いえいえ。これくらい全然大丈夫ですよ。また何かあったら言ってください。」
「あぁ頼りにしてるぞ。」
と“いつも”の会話を交わす。そう。荷物運びやら雑用は今回が初めてではない。三浦先生はやたら私にこういう類仕事を頼んでくるのだ。私より力がある女の子なんで他にたくさんいるのに。
以前それを疑問に思い「なんで私ばっかりなんですか?」と聞いたら、「何やかんやですぐ手伝ってくれるから。」と返され「えぇ…」となってしまった事があったので、今はもう聞かないようにしている。まぁ「やりません。」と否定出来ない私にも問題があるのかもしれないが。
そんな人使いが荒い?三浦先生が教室に帰ろうとした私に声を掛けてきた。
「そいえば佐倉。おまえ白崎と『あーん』したんだろ。」
「ファ?!//なんで知ってるんですか?!」
「愛しの生徒の恋愛事情だ。知っていて当然だろう。で、何処までいったんだ?」
「まぁ今週の日曜日デートには誘えましたけど……」
「おぉそうか!おめでとう。」
この三浦まりか先生は私が光姫ちゃんに抱いている気持ちを知っているのだ。そのおかげでアドバイスやなんやらをしてくれている。
彼氏とか結婚してないくせにアドバイスだけ一丁前なのだ。
ほんとにこの人どんな人生歩んできたのか不思議になる。何歳なんだろうか。
「おい。佐倉。今余計なこと考えただろ。」
「い、いや。別に考えていません先しぇい。」
「噛んでるぞ。」
「それはそうと先生はなんで私が光姫ちゃんを好きなこと分かったのかまだ納得いかないんですけど。」
三浦先生曰く、私にいつもの雑用を頼みに行こうとして教室に入り私を呼ぼうと私を見たら、丁度光姫ちゃんと喋っていた時でその顔が“雌の顔”というものだったらしい。
それで一緒に雑用所に移動する間に
「なぁ佐倉。お前白崎のこと好きなのか。」
「ひゃぁ?!そ、そうですね。凄くいい友達だと思いましゅよ。」
「違う違うそうじゃない。恋愛対象としてだ。」
「…………………………………………………………」
「…………………………………………………………」
「なんで分かったんですか?」
「ん?やっぱりな。そりゃぁ佐倉が白崎と喋ってる時が“雌の顔”だったからな。」
ということがありバレたのであった。
“雌の顔”ってなんだよ。
その日はその事が頭から離れなかったのはまだ記憶に新しい。3ヶ月も前ではないだろう。
そうやって回想していたら、三浦先生の声が耳に入ってきた。
「なぁ前にも聞いたが告白はしないのか?」
「まだしないです。する勇気がないのが9割なんですけど、告白すると振られたあとの関係が怖いんですよ。」
「友達に戻れるか分からないってことか?」
「いえ。なんかそれよりも複雑なことな気がして、そのことに今の私じゃ踏み込もうとすることも禁忌な気がして…………。」
「そうか。お前らにも色々あるんだな。まぁ告白するタイミングは人それぞれだ。人に言われてするもんじゃない。まぁ私は惚れたら即告白して即振られるんだがな。はは…。」
最後の部分だけ声のトーンが圧倒的に落ちて、遠くを見るような目で下を向いたのは言うまでもないだろう。
もう誰か貰ってあげて!!
「それじゃあな。頑張れよ。」
「はいそれでは。」
頑張れのとこに含みがあったのは気の所為だろう。
そう思い三浦先生は職員室へ、私は教室の階に続く階段へ、それぞれ逆方向に足を運んだ。
***
「ん?天気雨か。狐の嫁入りってやつだな。
はぁ嫁入りか……。仕事しよう。」
いつも読んでいただきありがとうございます。
気づいたらブックマークが7件になっていて、部屋で1人ニヤニヤし続けていたイカリングです。
皆様に読んで頂いて本当に幸せです。
ちなみにですが先生は俺ガイルの平塚静さんをモデルにしています。
(モデルというか名前変えただ⊂( ・∀・)彡ガッ☆`Д゜))
きっとこの小説が投稿される頃には、勉強を必死こいてしてるはずです。きっと……。




