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序 フロスト銀河史Ⅲ

序文の参考は銀河英雄伝説とスターウォーズですかね、どちらも新作が近いので楽しみ。

第二期宇宙開拓時代(セカンド・グロウリー)は紛う事無き人類の黄金時代の一つであった。

ネーデルマン教授の星間ジャンプ航法は、一つの星系から移動できる星系が限定されることや、ジャンプ(ポイント)の名が示すように恒星の重力井戸から算出される特定の宙域でしか行えない欠点があったが、数光年の距離を日単位で移動できる利点はそれらを補って余りあった。


宇宙暦470年代、「アルカディア」の到着に300年先立って行われたプロキシマ・ケンタウリ開発を皮切りに、星間ジャンプ回廊(レーン)の設置が進められる。惑星連合(ユニオン)の版図は地球を中心として放射状に拡大し、星間ジャンプ・レーンは西部開拓時代のアメリカ横断鉄道のように、希望と野心に満ちた移民達を運んだ。惑星連合は政府主導で移民政策を推進しており、一攫千金を夢見る人々が次々に太陽系を旅だった。


この時代の人々にとって、困難とは乗り越えるべき障壁にすぎず、不可能は〝宇宙の塵〟の如く取るに足らない存在でしか無かった。鋭気と希望が世界に横溢し、万難を廃して開拓が進められた。

発展の最盛期であった宇宙暦620年台の惑星連合を一瞥してみると、傘下には218の有人星系があり、1000近い星系で開発が進められている。人口は500億を突破して久しく、成長曲線は右肩上がりを続けた。栄光と無限に湧き出る利潤を追い求めて、人々は飽くこと無く拡大に邁進していった。


だが、果てなき栄冠の時代にも終焉が訪れる。

惑星連合は余りにも巨大化した、人口は1000億を超えて更に増え続け、政府の統制の目は粗くなった。その政治構造自体にも、逃れ得ない老化現象が広がっていた。人々が連綿と守ってきた民主主義は次第に機能不全に陥り、衆愚政治の様相すら呈している。巨大な官僚機構に付き物の病、汚職と賄賂も蔓延し、巨木を内側から蝕んだ。

その結果地方への統治もおざなりになり、多くの開拓地が志半ばで放棄されることとなる。かつての希望が諦観へと堕し、人々は拡大に倦怠を覚え始めていたのだ。


事態を憂慮した惑星連合政府は、地球を中心とした人類領域中心部(コア・ワールド)への回帰と人口集中による統制の強化を図る。発案者の名前から「ジャクソン・プラン」と呼ばれるそれは一定の成果を拳げたものの、問題の根本的な解決には至らなかった。こうした停滞の時代が続く中。永い間に蓄積された人々の不満を利用して立ったのが後に「宇宙世紀のアドルフ・ヒトラー」と呼ばれるジョセフ・クローヴィスである。惑星連合辺境のイレリア星系出身の中央議員であった彼は地球政府の無能を糾弾。第二期宇宙開拓時代の終焉と共に寂れた故郷に栄光を取り戻すと訴えた。長い不況と停滞に倦んでいた人々は、彗星のごとく現れた力強い指導者を希望として捉え、彼を歓呼して迎えた。

圧倒的な支持を背景に宙域総督となったクローヴィスは次第に独善的な政策を推し進め、全体主義と独裁制を強めることとなる。市民の支持を盾に中央政府による再三の警告を無視した彼は宇宙暦750年、辺境の星系群を糾合して星間同盟(アライアンス)の発足を宣言、惑星連合への独立戦争を挑んだ。



四連装波動砲、燃える、、、

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