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序 フロスト銀河史

取り敢えず第一章ががあと少しで書き終わるので推敲できしだい逐次投稿します。それまではこれで時間稼ぎ(笑)

        宇宙暦概史

ートマス・フロスト著「銀河系年代記」

           第112版より一部抜粋ー


太陽系各地に進出した人類は、西暦2222年を宇宙暦元年として新世界への拡大を始めた。

のちに第一期宇宙開拓時代(ニュー・フロンティア)、或いは新大航海時代と呼ばれるそれは環境、資源と言った旧来の地球上の諸問題を一掃し、新たな活力を得た人々はまさしく大航海時代の再現の様に新世界へ進出していった。


著しい科学の発達は、かつては空想の産物でしか無かった技術を次々と実用化した。

その中でも量子コンピューター、対消滅機関、慣性制御技術の三大発明は有人宇宙船に革命をもたらし、星の海へ漕ぎ出す開拓者にとっての福音だったと言えよう。

惑星間航行に必要な複雑な航路計算を行うために開発された量子コンピューターは従来の演算機とは比較にならない高性能を持ってこの問題を解決しただけではなく、世界全体の情報技術を向上させ新技術開発の基礎となった。

NASAが開発した対消滅機関は原子力さえも超える莫大なエネルギーを生み出すことが可能であり、縮退炉の開発まで宇宙機の主要な動力として普及した。

そして慣性制御技術はこの中で最も重要な開発であり、地球外空間で重力環境を再現することで宇宙空間での人類の長期的居住という宇宙開発における根源的な問題を解消したのである。

まず月面のクレーターに各国の都市が造られ、木星軌道上には資源プラントが置かれた。

政府、民間を問わず先を争って開発計画が立てられ、建てられた数だけ成功が約束されていた。

太陽系の様々な惑星に惑星改造(テラ・フォーミング)が施され、僅か150年余りの間に100億の人類の半数近くが地球の外に「我が家」を持つようになっていた。


無論、障害が無かった訳ではない、広大な宇宙に潜む未知の危険や開拓地で起きる事故は日常茶飯事で、初期の開拓は試行錯誤の連続だった。特に一時期世界的な社会問題となったのは宇宙空間への適応過渡期による医療問題であり、対策が確立されるまでの長い間人類の繁栄に影を落とした。


そして何よりも、政治の範疇に属する争いは、重力の有無を物ともしなかった。拡大した世界に偏在する資源と権利を巡る対立、旧世紀から何一つ変わらない戦争の萌芽は太陽系各地に広がり、大国の利権を巡る軋轢は二次に渡る惑星間戦争に結実する。


宇宙暦184年、アメリカ合衆国を中心とした北大西洋条約機構(NATO)とロシア連邦、中華連邦ら旧東側諸国からなる大陸協定連合(CAU)が内惑星資源の利権を争った第一次惑星間戦争、そして戦争後に生み出された火星連邦の地球連合に対する独立戦争であった第二次惑星間戦争は地球人類が初めて経験する宇宙戦争となり、後世に残る多くの教訓をもたらした。地球不可侵など現在にも続く国際法の基礎となったコペルニクス条約が締結されたのもこの時である。

進歩した科学とそれによってもたらされた天文学的な被害は人類に冷戦以来続く絶滅の危機を再認識させた。

こうして設立されたのが、人類史上初となる統一政体、惑星連合(ユニオン)であった。

宇宙進出による各民族の融合や言語統合によって勢力の再構築が進んでいたとはいえ、成立に至る道は平坦ではなく、様々な紆余曲折を経ることとなる。旧国連の流れを汲み、国家の緩やかな集合体であった地球連合を経て完成した惑星連合(ユニオン)は、当時300億を超えた人類の全てを統べる空前の統一国家となった。


「かのカエサルでさえ、私のペンを持つことは出来ないだろう。」

惑星連合初代大統領、レイモンド・A・カーター



七章のPVにデスラー戦闘空母を発見。続編はあるのだろうか?

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