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坂の多い街  作者: ぴーたろう
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昼の湯気2

 どうやら根津の向こう側、動物園の近くに銭湯があるらしい。ここからだと結構歩くが、弥生の門を抜けていけば良いだろうか。豪は早速銭湯に行く準備を始めた。


 自慢できることではないが、研究室に泊まることは珍しくないため、ロッカーの中には風呂に入る用意は揃っている。豪は手早くタオルと石鹸、着替えを肩掛けに纏めると、研究室を出た。

 

 外は良い天気だった。研究室に籠ることが多いので気付かなかったが、春が近づいているらしい。風のなかに梅の匂いがする。豪は気分が良くなって講堂の方角へ歩き出した。

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