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本編2

「はー、しょーがないから陸さんや栄人さんのこと、家族って認めますー。でも、陸お兄さん、私のこと信じすぎです!勿論人を疑いすぎるのはだめですけど、疑うことも大切ですよ!あ!信じてもらうために、私が二人いるところをお見せしますね!信じる前に、まず本当かどうかを確かめましょう!」

「認めてくれてありがとう」

 ニコッ……って、え?

 えっ、えっ、えっ、あの、しょうがないから認めただけなんですけどー!?いいの、それで!?

 そして信じるかどうかについては無視ですか!?

 陸お兄さんのイメージががらがら崩れていくよー。誰か止めてー……いや、やっぱり止めてくれなくても結構です。

 なんかこれじゃあお兄さんというより弟だなー。しかも小さい子?

 ……あれ?陸お兄さん、今は私より生きてきた日数少ないんじゃない?私の方が誕生日が早くて、二ヶ月くらいの間同い年になるし……。

 ということはつまり、この人は、「私」の義理の兄ではあるけれど、私の義理の兄ではなく、私の義理の弟なんだな。

 よし。

「陸くん!さっそく、お、ね、え、ちゃ、ん、である、わ、た、し、の学校に行こう!」

「……え?」

「さあ、迷子にならないように、道路に飛び出さないように、ちゃーんとお手てを繋ごうね!」

「……へ?」

 ふはははは!私はお姉ちゃんである!

 と不敵な笑いを浮かべながら(?)学校に着いたけど、

「あ、陸くんここの制服ないから入れないし、中にいるはずの私が入ったら変に思われる……ガーン!せっかく来たのにー……」

 ……残念な結果に。

「……美瑠璃ちゃん、考えてから行動することも大事だよ……?」

「うっ……」

 ガーン!私、お姉ちゃんなのにー!

 っていうか、お姉ちゃんって一体どうあるのが正しいの?私、一人っ子だったから分からないなーあははー。

「……という訳で、やっぱり私は妹でいいです……。」

 ぐすん、陸くんはこんなに小さい子みたいなのにー。

 大ショック?いや、超巨大ショーック!

 ……は、ちょっとそこら辺に置きっぱなしにしておいて、私達は公園に戻った。

 これから、どうしよう……。

 帰る家もないし、お金もないし、陸くんは歩いていないのにその場で転びまくってて痛そうだし、体力ないから直ぐに力尽きそうだし、……ん?今何かおかしいものが混じってなかった?家?お金?陸くん?体力?……気のせい?あ、陸くんがまた転んだ……。

「……って、えっ!?陸くん!?何してるの!?」

「美瑠璃ちゃんは頭をぶつけて一年前に戻ったんだよね?なら、僕も頭をぶつければ一年前に戻れるんじゃないかな。」

「……はあ!?」

 な、何故そう思った、陸くんよ……。

「り、陸くん、何回かぶつけてるのに戻らないってことは、きっと、ぶつけたからといっても必ず戻れるとは限らないってことだよ。それに、もし戻れたとしても、私みたいに困るだけでしょ?すごく痛そうだし、服が汚れるから、もうやめたら?」

「そうだね。」

 ふぅ、陸くんから目を離すのは危険だ……。やっぱり陸くんは小さい子……より、何かが幼い。

 ていうか、頭をぶつけるために、何故他のところを怪我してまで転ぼうとするの?塀とかにぶつけるとか、他に色々あったでしょ……?

 こんなので学校とかで皆と上手くやっていけてるのかな……?陸くん、お友達いるのかな……?私、ものすごく心配……って、私ってば、何小さい子の母親みたいな真似を……!

「……あれ、美瑠璃ちゃん?どうしたの?」

「疲れた。ものすごーく疲れた。自分のベッドにダイブしたい。」

「それなら帰ったら?」

「無理だからここにいるんだけど!?」

「この時間なら、今の美瑠璃ちゃんも美瑠璃ちゃんのお母さんも出掛けてるんじゃない?二人が帰ってくる前に、また外に出ればいいんだよ。」

「あ……そっか。陸くんもたまにはちゃんとしたことを言うんだね!」

「誉めてくれてありがとう。」

「……え?」

 あれ?今、私、失礼なことを言ったような気がするんだけど……言わなかったっけ……?

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