ありがとう
ちょこっとだけ実話です。
好きになるのに時間はかからなかった。
いつも一生懸命で、さりげなく優しい彼に・・・私は気付いてしまった。
最初は気にしてなかった。
でも、
友達の一言で私の心は・・・。
動き出してしまった。
「好きらしいよ。」
そんな事言われたら・・・。
気にしなかったものも気になるようになっちゃうよ・・・。
そうなると・・・
いつも何気なく一緒に帰っていた帰り道も・・・。
よく質問に来る君の一生懸命な姿も・・・。
話し方も・・・。
気になって気になってしかたない。
いつの間にか好きになってる自分がいた。
友達の一言がきっかけなのは本当で、それってどうなのかなって自分でも思うけど、でも好きになってしまったのは本当だから。
この気持ちは本物だから。
いままで気にしていた男子のことも全然気にならなくなって・・・
代わりに、君と目が合うとドキドキが止まらなくて。
微かな喜びを感じていた。
手を振ると振り替えしてくれて、
冗談を言い合えて、
腕相撲なんかしてみたりして、
一緒に帰って・・・
目が合う。
いつも君の瞳は痛くて。
私の恋心を甘く、切なく、痛める。
問うてみたくなる。
「ねえ、私の事が好きって本当?」
でも、
どうしても言えない。
いつも君といるときに感じる視線があるから。
彼女の方が私より先に君の事を好きになって、
それを私は知っていて・・・。
どうしようもない。
言えるに言えないこの気持ち。
だめだって分かっていても
どうしても君と一緒にいたかった。
一瞬でもいいから、君と話していたかった。
彼女の視線が痛くて。
でも君を好きな気持ちも止められなくて。
彼女は言う。
「もう好きじゃないよ。」
でも。
そんなの嘘。
知ってる。
知ってるよ。
本当は好きなんでしょ?
嘘言わないで・・・。
そんな言葉を聞いたら、私の心は黒い喜びを知ってしまうよ。
じゃあ、いいの?
私が彼を好きでいてもいいの?
そんな言葉が脳裏をいつまでも回り続けてしまう・・・。
友達は言う。
「どっちを選ぶかはアイツ次第でしょ。」
じゃあ・・・。
好きでいてもいいの?
「好き。」
強い衝動に押されて口から転げ落ちた・・・。
「えっ?」
電話越しに聞こえる君の戸惑った声。
不意に君の声が聞きたくなってかけた電話。
君の優しい声を聞いていたら・・・。
思わず・・・。
私の頭は真っ白で、
言っちゃった・・・。
どうしよう・・・。
この二言がぐるぐるぐるぐる・・・。
「うん。う〜ん。え〜と。うん。」
電話越しに聞こえる君の声はそればかりを繰り返していて。
私は今にも泣き出したい衝動を必死に抑えてて。
どっちなの?好きなの?嫌いなの?
友達から聞いた一言が本当である事を願っていた。
「え〜と。うん。俺も。俺も好きです。」
やっと聞き取れた一言。
思考回路が揺らぐ。
「本当に・・・?」
信じられなくて・・・。
少しの期待も、言ってしまったらあっけなく崩れ去って。
そんな中、聞こえた君の声が信じられなかった・・・。
「なんか、こういうのって照れるね。」
って君の声。
そんなの・・・愛おしすぎるよ・・・。
「ありがとう・・・ありがとう・・・。」
私を好きになってくれて・・・ありがとう。
流れた涙はほんのり温かかった・・・。
読んでいただき、有難うございました。
好きな人に「好き」っていってもらえるのって、すごく嬉しいんですよね。
まだまだ未熟な物しか書けませんが、これからも頑張っていきますので、出来れば、感想などいただけると嬉しいです。