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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

幼馴染は死んだ

作者: 瑠李
掲載日:2026/02/05

幼馴染は死んだ。――四歳の頃の彼女は。


こんにちは!もう2作品目だすとはおもってもいませんでした!良ければ見ていってっくれると嬉しいです!!

幼馴染は死んだ

今日も平凡な毎日を送っている。「しゅん、まってよ。」後ろからいつも聞く声が聞こえる。

「今日も、走ってきたのか。お前、ギリギリに出るのやめろよ。」こいつの名前は、美紅みく。俺の幼馴染だ。

「だって。漫画読んでから出ないと一日が始まる気がしないんだもん。」美紅はほっぺを膨らませて、こちらを見てきた。

「そうか。でも、早起きしてみればいいじゃないか?」美紅は俺の言葉がクリティカルヒットしたようだった。

「いやぁ。だって〜朝起きるの苦手なんだもん。旬も知ってるでしょ。」俺は呆れながら言った。「お前なあ、夜の2時にメールしてくるやつが、言っていい言葉じゃないぞ。早く寝ろよ。」「だって、夜もやることあるんだもん。」美紅はニコニコで俺の顔を覗き込んだ。「美紅。約束思い出せた?」「いや。全然。ごめんね。覚えてないの。」美紅の歩幅が少しずつ小さくなっていく。「大丈夫思い出したくないことまで、思い出しちゃうかもしれない。ごめん俺が軽率だったよ。」僕は美紅に謝った。

「おはようございます。」美紅と僕は、校門に立っている先生に挨拶をして、学校に入っていった。「俺はこっちの教室だから。」「来年は同じクラスになれるといいな!」美紅は別れるのを少しためらっていた。

「もう、俺は行くぞ。」俺は自分のクラスに向かって歩いていった。


一限目の国語の時間、大きなあくびと共に、まぶたが重くなってくる。

「旬くん。友だちになってくれませんか。」懐かしい声だ。「美紅ちゃん。僕達もう友達なんじゃないの?」「え?私達もうお友達だったんですか?」「そうだよ!いっつも一緒に遊んでるし、僕はてっきり友達かと。」「そう...そうです私達はお友達ですよ!でも私、旬くんのことが好きなんです...。お友達じゃ将来私と結婚できませんかね?」「いや。僕も美紅ちゃんのことがずっと好きだったんだ。だから、将来は結婚しよう!」「うん。絶対だね。約束だよ。」「じゃあ、指切りげんまんね!」ガタン僕は、思いっきり立った。「おいおい、どうしたいきなりたって。」国語の先生が笑いに変えてくれた。「すみません、虫がいたもんで。」僕も咄嗟に嘘でカバーした。

懐かしい夢を見たな。そういえばそんな約束もしてたな。あのときは確か、4歳で家の近くの公園で遊んでいたな。でも、美紅の家庭環境は、俺が想像もできないようなものだった。

「おい。お前寝てただろう。」後ろの席から話しかけ来たのは、川口だった。「だからなんだよ。いいじゃん。いつもお前も寝てるだろう。」僕は適当にあしらった。

美紅の父はギャンブルに依存しておりあまり家におらず、母は美紅の妹の世話に、手を焼いていた、と聞いたことがある。そのため、美紅は、両親の温かみを感じずに育った。そのせいだろうか、当時の美紅はやけに、お嬢様みたいな雰囲気があったのを覚えている。今思えば、少しでも両親に好かれようとしていたのかもしれない。俺もその雰囲気にのまれ、一人称を僕にしてたんだっけ。

そして、事件が起きた。美紅の父が、多額の借金をしていることがわかり、毎日のように、借金取りが来る毎日を過ごし、母は妹と一緒に首を吊った、と。一人だけ残された、美紅は母のお母さんに引き取られた。けれど、母が自分のことだけを置いてけぼりにしたことで、美紅の心には大きな穴が空いたようだったらしい。そして美紅は4歳の時の記憶を、なくしてしまったそうだ。4歳の美紅を知っていた当時の俺は、美紅が美紅ではなくなり、本当の美紅が死んだようだった。だから僕は、今の美紅へどう接すればいいか、わからない。

「おい、旬。旬ってば。」川口から、肩を叩かれた。「なんだよ。」俺は川口を睨んだ。「おまえ、あと3番で一文読みの番だぞ。」「えっ。マジどこどこ。」僕は思った。こいつ意外と頼りになる、と。




私には幼馴染がいる。そいつは、私が知らない自分を知っている、唯一の人だ。

私には、記憶がない。思い出そうとすると、頭が痛くなる。おばあちゃんに聞いても、何も教えてくれない。よくそいつから「約束。覚えてたりする。」と聞かれる。覚えているはずがないのに。でも、嫌味を言っているようには聞こえない。だって、それを聞かれたあとに、「覚えてない。」というだけで、とても悲しそうに見えるからだ。

私は、彼のことが好きだ。でも彼は何かが違う、私のことが好きではないのだろう。

毎日のように、朝の道で会うのは、私が待ち伏せしてるからである。彼の背中が見えたら、追いかけるようにしているのだ。私は、自分自身が怖い。なぜ、何も知らないんだろう。

私は、時々、涙を流すことがある、泣きたいなどと、思っていなくても。自然と。私の心にはとても、大きく深い穴がぽっくり空いている。時々夢を見る。小さい子の上にふわふわと浮いている夢だ、まるで私が、死んだかのように。


「今日も頑張ったね!」隣を見ればいつものように、彼がいた。「そうだな。今日はなんか面白いことあったか?」彼は、私の顔を覗き込んだ。顔が熱い。「う〜ん。サッカーで派手に転んじゃったことぐらいかな。」「何じゃそりゃ。」彼が時々見せる笑顔はとてもかわいい。「逆になんかあったの?」「いや。とくにないな」これがいつもの帰る道だ、中身のない会話で笑い合う、それがなぜか神秘的で、楽しかった。その時、一つの公園が目に入った。「あそこの公園行きたい。」私の足は勝手に、その公園へと、進みだした。

「おい待てって。」公園につき一息してると、旬も息を切らしてやってきた。

「あれ。」とても熱い何かが、私の頬を流れる。「なんでだろう。」止めようと思っても止まらない。私はその場でうずくまった。「止まらないよ。なんで、なんで。」旬にこんな姿見られていると思うと、恥ずかしくて死にそう、でも止まらなかった。「大丈夫。ずっとここにいるよ。」旬は、私の顔を見ないように反対側を向いていた。「絶対にいてね。」私は念押しした。「うん。絶対だね。約束だよ。」


私は、旬に家まで送ってもらった。「ありがとう。気おつけてね。」私はそう言い残し家の中に入った。その日いつもの夢を見た、でも何かが違う。「僕もずっと、〇〇ちゃんのことがすきだったんだ、将来結婚しようね。」一人の男の子が下の子に告白していた。なぜか懐かしい気分になった。でも聞き取れないところもあった。「うん。絶対だね。約束だよ。」私の下の子はそう言っていた。この言葉も、聞いたことがある。目を開けると、もう朝だった。「あれ。なんで、いつもと。」鏡に写った私は、泣いているけれど、笑顔だった。「もう死んじゃだめだよ。」どこからか、そう聞こえた。





俺は、美紅を家まで送り、家に帰った。帰り道、雨は降っていなかったはずなのに、俺が通る場所だけポツりポツりと濡れていた。「こらえてたんだけどな。」俺は、なぜ感情的になってしまっているのだろうか。俺は自分の顔を叩いてから、家に入った。

その日の夜、夢を見た。「美紅ちゃん。僕の好きなとこっろ、どこなの?」「優しいとこ、私が泣いてても、ちゃんと話を聞いてくれるし、そんなところが大好きなの。逆に、私の好きなところはどこなの?」「えっ。恥ずかしいけど...。僕は笑顔がすき。美紅ちゃんは笑顔が世界一似合うんだから。」「そう?それなら、泣かないように、強くならないと!」

目を開くと朝になっていた。「そうだ、俺は美紅の笑顔が好きだったんだ。」何かが目にじわじわと溜まっていく、彼女は死んでなんかいなかったんだ。俺が殺してたんじゃないか。





6年後。僕のとなりには彼女が立っている。「旬なにボーとしてるのよ。今日結婚式よ。」「あれそうだっけ。」僕は冗談っぽく笑った。「はぁ。あんた本気で言ってるならぶん殴るよ?」冗談は通じなかったようだ。「冗談だよ。美紅。」「まじ、笑えない。ねえ、旬私結局...」「なに、変な顔してるんだよ。俺は君の笑顔が大好きなんだから」俺達は、2人で生きていくことにした。次は俺が、彼女を生かす番なんだから。


どうでした?感動できたでしょうか?よければいいねよろしくお願いします。

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