表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/17

【最終話】本当の気持ち

次の日、颯人は休み時間に明日香に言う。


「ちょっと話あってさ、みんなが帰るまでここに残って貰ってもいいかな?」


「うん。わかった」


そして授業後。みんなが帰った後に颯人は明日香に言う。


「ちょっとトイレ着いてきて」


「え?トイレで話すの?」


「いや。ただ俺がトイレに行きたいだけなんだけど、着いてきて欲しくて」


「うん。わかった」


そして、2人で教室を出る。トイレを済ませた颯人は明日香と一緒に教室に戻る。颯人が席に座ると明日香も同じように席に座った。


「んで、話なんだけど...」


颯人はそこで口を噤み、しばらく黙り込んだ後、再び口を開く。


「俺、明日香が好き」


「え?」


「ごめん。晃河と付き合ってること知ってるのに好きになった」


「ううん。いいんだよ。俺なんかのこと、好きになってくれるなんて嬉しいし」


明日香はそう言ってニコッと笑う。


「ありがとう。でもね、俺、明日香に酷いことしちゃったの」


「酷いこと?」


「うん。最近俺、明日香と距離近かったでしょ?」


「うん」


「それ、晃河を嫉妬させるためだったの」


それを聞いた明日香は驚いた表情を浮かべる。そんな明日香を見て、颯人は続けて言う。


「晃河を嫉妬させて、2人の距離を離れさせて、最後は明日香を俺のものにって」


それを聞いた明日香は驚いた表情のまま、何も言えずにいた。


「失望したよね。俺は明日香が思うようないい友達なんかじゃないんだよ」


颯人のその言葉に明日香は無言のまま、俯いた。


「それで明日香は、まだ晃河の事好きなの?」


颯人がそう聞くと、明日香は顔を上げて言う。


「好きだよ。大好き」


「そっか」


颯人はそう言った後、ニコッと微笑む。


「明日香は晃河の何が好きなの?」


「え?」


「なんでそんなに晃河なのかなって」


「えっと...」


明日香はそこで口を噤み、少ししてからフフッと微笑んだ後、口を開く。


「本当は寒がりのくせに強がって寒くないって言っちゃうとことか、お揃いが好きなところとか、ご飯を幸せそうに食べるところとか、実は結構甘えん坊なところとか、ちょっとした事ですぐ嫉妬しちゃうところとか...なんかもう、全部全部大好き」


明日香はそう言ってニコッと笑った。そんな明日香を見て、颯人もニコッと笑った後、言う。


「だって。晃河」


「えっ」


教卓の裏からそう聞こえた後、晃河が出てくる。


「晃河!?」


明日香が驚いてそう言うと、晃河は恥ずかしそうに目を逸らす。


「あ、あの...」


「何。晃河。盗み聞き?」


「えっと...」


そこで言葉を詰まらせる晃河を見て、颯人が言う。


「俺がやらせたの。これが明日香の本音を手っ取り早く聞く方法かなって」


颯人はそう言ってニコッと笑う。


「えっ...じゃあ、今までのは全部嘘?」


「いや。言った事は全部本当だよ。じゃあ、最低な友達はそろそろおいとまするね」


そう言って颯人はカバンを持って教室を出ていった。教室に残された2人の間にしばらく沈黙が走る。


「...晃河、ごめんね。俺、晃河の気持ちちゃんと考えれてなかった」


「ううん。俺もごめんね。明日香の事信じないで、あんなこと言っちゃって...」


晃河はそう言って俯く。


「さっきので分かったでしょ?俺が晃河をどう思ってるのか」


「まぁ...」


晃河はそう言って顔を赤らめる。


「俺、これからも晃河の恋人でいてもいいかな?」


「いいよ。でも、俺嫉妬深いところは変わらないけど大丈夫?」


晃河はそう言って不安そうな顔をする。明日香は、そんな晃河をそっと抱きしめて言う。


「もちろん。言ったでしょ?ちょっとしたことですぐ嫉妬しちゃうところも好きって」


「明日香のそういうところ、大好き」


晃河はそう言って明日香を抱きしめ返す。明日香はそんな晃河にふふっと笑った後、晃河の頭をそっと撫でた。


「じゃあ、帰ろっか」


明日香のその言葉に晃河はコクリと頷いた。

夕暮れの道を二人並んで歩く。しばらく無言で歩いた後、明日香が口を開く。


「なんか久しぶりだね。こうやって二人で帰るの」


「そうだね。俺は利久と帰ってたし。明日香は颯人と帰ってたの?」


「ううん。一人で帰ってたよ」


明日香のその言葉に晃河は驚く。


「...颯人と帰ってると思ってた」


「なんか、一人で帰りたくなって。晃河と帰ってないのに他の人と帰るのは嫌だし」


「寂しくなかったの?」


「寂しかったよ。晃河がいない帰り道は、なんかいつもより長く感じたし」


明日香のその言葉に晃河は申し訳なさそうな顔をする。


「ほんとごめん。俺のせいで」


「晃河のせいじゃないよ。俺が全部悪いの」


「明日香さ、優しいのはいいけどちょっと優しすぎない?」


「そう?全然そんなことないと思うけど」


「ううん。優しすぎ。もっと俺に厳しくしてよ。じゃないと俺調子乗るよ?」


「調子乗る?」


「うん。わがままな恋人になっちゃうかも」


晃河はそう言ってニヤリとする。


「へぇ〜。でも俺、晃河のわがままなら何でも聞いちゃうかも」


「ちょっと。俺のこと甘やかさないでよ」


「じゃあ厳しくしてみようか?」


「うん。厳しくして」


晃河がそういうと、明日香は立ち止まって晃河の方に体を向け、晃河を自分の体の方に向けさせる。そして、晃河の両肩に手を置き、目をまっすぐ見ながら言う。


「俺以外に興味持つの禁止。俺以外に笑いかけるのも禁止。利久に可愛いって思わせるの禁止。利久と必要以上に仲良くするの禁止。利久に身体触らせんの禁止。分かった?」


明日香がそう言った後、晃河は少し黙った後、口を開く。


「...なんか思ってた厳しいと違うんだけど。あと後半全部利久じゃん。そんなに嫉妬した?」


晃河のその質問に明日香は晃河の肩から手を離し、腕を組んで言う。


「したに決まってるでしょ。俺は晃河と話せないのに、利久は晃河と話せるしお触りもするし一緒に帰るって...結構、いやかなり嫉妬したね」


「なんだよ。明日香にも可愛いとこあんじゃん」


そう言って晃河は明日香の頭をそっと撫でる。


「うわ。今の晃河結構かっこよかったかも」


「え?本当?」


晃河はそう言って嬉しそうに笑う。そんな晃河の口に明日香はそっとキスをする。そんな明日香に晃河は目を逸らした。


「...急になに」


頬を赤らめてそう言う晃河の頭を明日香はそっと撫でた。


「やっぱ可愛い」


「...明日香のバカ」


晃河はそう言って再び歩き出した。そんな晃河に明日香も続く。


「何?晃河。拗ねちゃったの?」


「拗ねてないし」


「いや拗ねてるでしょ」


「拗ねてない」


「どこからどう見ても拗ねてるじゃん」


明日香がそう言うと、晃河は諦めたように言う。


「うん。拗ねてるよ。だから今日は明日香の家でちゃんと慰めてよ」


「わかった。いっぱい可愛がってあげる」


明日香はそう言ってニコッと笑った。そんな明日香に晃河は頬を赤らめながらも歩き続けるのだった。

この二人の物語はこれからもこの先もずっと続いていくだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ