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おそろい

そう言って明日香は晃河にラッピング袋を渡す。


「開けていいの?」


「うん」


明日香が笑顔でそう言うと、晃河はリボンを解き、中身を取り出す。


「マフラーだ」


「晃河寒がりだから。クリスマスプレゼント」


「ありがとう。毎日着けるね」


晃河は嬉しそうにそう言う。


「ねぇ明日香。ちょっと手出して目つぶっててよ」


「え〜?何?」


「いいからいいから」


「わかったよ」


明日香は晃河の方に手を差し出して、目を瞑る。明日香の手が晃河の手が触れた後、腕に紐のようなものが当たる。少しして明日香の手から晃河の手が離れる。


「いいよ。目開けて」


晃河のその言葉で明日香は目を開く。腕を見ると、ブレスレットが付いていた。


「ブレスレット?」


「うん。俺とお揃い」


晃河はそう言いながら腕の服をまくり、腕を見せる。


「晃河はお揃いが好きだね」


「え?なんで?」


「ほら、子供の頃も赤いお守りお揃いだったでしょ?」


「あぁ...そうだね。なんかお揃いって特別感あっていいなって」


晃河は照れた顔でそう言う。


「確かにそうだね」


明日香はそう言ってブレスレットを見る。紐のブレスレットに付いた小さいコインのようなものが着いている。そしてそこには、Kの文字が掘られ、その下に紫色のキラキラしたものが着いている。


「なにこれ。宝石?」


「それ、アメジスト。俺の誕生石」


「晃河の?」


「そう。俺のはAの文字とダイヤモンド」


「明日香のAと俺の誕生石ってこと?」


「正解。なんかこれが有名らしいよ。恋人に贈るんだって」


「へぇ〜。初めて知った」


明日香はそう言いながら不思議そうにブレスレットを見る。


「それ、学校でも着けててね。俺も着けるから」


「いいけど...俺たちの関係、バレないかな?」


「大丈夫だよ。みんな俺の恋人は女だと思ってるし。制服も長袖でしょ?」


「まぁ、確かにそうだね。じゃあ学校に着けてくね」


明日香がそう言うと、晃河は嬉しそうに頷いた。そんな2人の元に2つのケーキが運ばれる。


「お待たせいたしました。クリスマスケーキでございます」


店員さんはそう言ってお辞儀をした後、その場を去る。机に置かれたのはカットされたショートケーキとチョコケーキだ。


「美味そう」


晃河はそう言ってケーキをじっと見ている。


「晃河、どっちが好き?」


「チョコケーキの方が好きだけど...いちごも食べたいし...」


晃河はそう言いながら悩む素振りをみせる。そんな晃河を見て、明日香はチョコケーキの乗ったお皿を晃河の前に置いた。


「チョコケーキ、食べな」


そう言ったあと、自分の元へショートケーキの乗ったお皿を引き寄せ、ショートケーキからいちごを取り、チョコケーキが乗っているお皿に乗せる。


「ほら。これでチョコケーキもいちごも食べれるでしょ?」


「でも、明日香もいちご食べたいでしょ?」


「俺は別に大丈夫だよ。ケーキの中にいちごあるし」


「確かにそうだけど...ほんとにいいの?」


「うん。いいよ」


明日香が笑顔でそういうと、晃河は嬉しそうに笑う。


「ありがと」


「うん。じゃあ、食べよっか」


そう言って明日香がフォークを持つと、晃河も同じようにフォークを持った。ケーキを一口にカットして、2人同時に食べる。


「美味っ」


「めっちゃチョコ〜」


晃河はそう言ってチキンを食べた時と同じように目をつぶって幸せそうな顔をする。そんか晃河を見て明日香はふふっと笑った。


「ちょっと、そんな見ないでよ」


「だって幸せそうな顔してて可愛いんだもん」


「だって美味しいもん」


晃河はそう言ってもう一口チョコケーキを食べてニコッと笑った。


「晃河が喜んでくれてよかった」


「俺も、明日香が恋人でよかった」


「なにそれ。照れるんだけど」


明日香はそう言って頬を赤くする。


「明日香が照れてる」


そう言って晃河は明日香をじっと見ながらニヤニヤする。


「ちょっと、やめてよ。そんな見ないで」


「え?何?そんなに照れてくれたの?」


晃河はそう言って嬉しそうに笑っている。


「いや、嬉しいこと言ってくれるな〜って」


「だって本当のことだから。明日香は俺が恋人で良かったとか思わないの?」


晃河はそう言って、少し寂しそうな顔をする。


「そりゃあ思うよ。俺も晃河が恋人で良かったって思ってるよ」


明日香がそう言ってニコッと笑うと、晃河も嬉しそうにニコッと笑った。そして、フォークでケーキを1口分取る。


「はいっ」


晃河はそう言いながら1口分のケーキを明日香の口元へ差し出す。明日香が口を開けると、晃河は明日香の口の中へケーキを運んだ。

明日香が口を閉じると口元からフォークが離れる。


「ん、美味い。いい甘さしてる」


「だよね。激うま」


今度は明日香が晃河の口元へ1口分のケーキを差し出す。


「こっちも食べてみて」


明日香がそういうと、晃河は口を開ける。口元へ運ばれたケーキを食べ、晃河は「ん〜」といいながら目をつぶる。


「晃河の食べてるとこってずっと見てれそう」


明日香のその言葉に晃河はヘヘッと笑い、ケーキを頬張った。

店を出ると、2人の間に冷たい風が吹き抜ける。


「寒っ」


晃河はそう言ってカバンからマフラーを取り出す。そして、明日香に差し出しながら言う。


「明日香、巻いて〜」


「いいよ」


明日香はそう言ってマフラーを受け取り、晃河の首元にマフラーを巻いた。


「はいっ、出来た」


「ありがと」


晃河はそう言って嬉しそうに笑った。明日香はそんな晃河の手を取り、ポケットに入れた後、歩き出した。


「どこいくの?」


「なんか、イルミネーションのショーがあるみたいだからそれ見ようかなって」


「お〜!みたいみたい!」


目を輝かせてそう言う晃河に明日香は微笑みながら歩いた。ショーの場所に着くと、2人立ち止まる。周りにはカップルがたくさんいた。


「またカップルだらけだね。俺たちと一緒」


晃河はそう言ってニコニコ笑う。


「そうだね。でも周りのカップル見てないで俺の事見て?」


「見てるよ。なんならショー見ずに明日香のこと見てやろうか?」


晃河はイタズラな笑顔でそう言う。明日香はそんな晃河の頭を撫でた。


「ダメだよ。ちゃんとショー見て?」


「はーい」


晃河はそう言って少し残念そうな顔をした。そんな晃河を見て明日香が微笑むと、アナウンスが入る。


「それでは、ショーを初めます。皆さん、ごゆっくりお楽しみください」

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