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自惚れ

僕が明依美ちゃんに契約指輪を渡したあと、金髪ポニーテールが僕のことを追いかけてきた。


 明依美ちゃんは、逃げようと言って僕の服の袖を必死に引っ張ってくれた。


 「大丈夫。」


 僕は、僕を心配そうに、見てくる彼女に何度も言う。


 「大丈夫。」


 金髪ポニーテールが電撃を僕と明依美ちゃんに向けて放った。


 明依美ちゃんはこの世の終わりのような顔をしてを僕の服の裾をぎゅっと、握りしめていた。


 大丈夫なのに。


 明依美ちゃんが僕と契約をしてくれたおかげで、僕の関心数は【120】もある。


 僕は僕達に向けて放たれた電撃に向けて右手を上げた。


 電撃を吸い込むことをイメージして。


 そしたら、イメージ通り、電撃は僕の右手にスルリと吸い込まれた。


 気持いい


 僕は自分も戦闘機能を使えたことに感激した。


 金髪ポニーテールの方も、驚いた顔をしてこちらを見ていた。


 これならいける!


 そう思った。


 が、


 金髪ポニーテールの関心数が【5002】も、あると知って、僕は焦った。


 僕の関心数は、【120】


 金髪ポニーテールの関心数には到底届かない。


 僕に勝ち目がないと思い、全力で逃げることにした。


 幸い、先程、明依美ちゃんから、【120】ほど関心数を貰えた。


 切れない程度に関心数をガンガン使って逃げよう。


 僕は明依美ちゃんをひょいと抱き上げ、全力で金髪ポニーテールから逃げた。


 耳元で明依美ちゃんの叫び声が聞こえた。


 耳が痛い。


 ずっと走っていると、金髪ポニーテールは、もう見えなくなっていた。


 僕の後ろが見えていた明依美ちゃんが言うに、金髪ポニーテールは落ちていたバナナの皮に躓いて転んだらしい。

 

 まあ、逃げられて良かった。


 とりあえず、また、見つかったら大変な為、明依美ちゃんの家にお邪魔し、事の詳細を話すことになった。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





 「む、無吾非君!座って座って!」


 「うん。」


 僕は今、明依美ちゃんの家に着ていた。


部屋の壁には、アニメのキャラのポスター?みたいなのとか、自撮り写真で埋め尽くされていた。


 うん。


 華やかで良いと思う。


 僕が大量に壁に貼ってあるポスターやら写真やらを眺めていると、


 「い、いつもは友達を家に招くとき、全部外してるのよ?!今日は急だったし、急いでたし、、、だからしょうがないの!!(`・д・)あんまりジロジロ見ないでよね!!」

 

と、怒られた。


 別に人の趣味にどうこう言うつもりは無かったのだが。


 まあ、明依美ちゃんにとって、今日会ったばかりの奴をプライベートな部屋に入れるのだから何か思うところもあるのだろう。


 彼女の気分を害してしまったのなら仕方が無い。


「ごめんなさい、、、。」


 僕は素直に誤った。


 「、、、、。え〜と、無吾非君!牛乳って、飲める?」

 

明依美ちゃんは、冷蔵庫の中身を見ながら僕に聞いてきた。


 ぎゅうにゅう?ナニソレ?おいしいの?


 落ち着け、無吾非!


 明依美ちゃんが、僕に飲めるかと聞いているのだから“ぎゅうにゅう”は、飲み物なのだろう。


 飲み物なら何故、自分に対してわざわざ飲めるかと聞くのだろうか?


 そもそも僕は今まで飲むという行為をしたことがない。


 今まで自分の鼻と尻の穴に栄養補給線を突っ込まれて、それから栄養補給をしていたため、食べる飲むということをしたことがない。


 だが、それを彼女に言うのは嫌だ。


 むんむんと僕が悩んでいるうちに明依美ちゃんは食器棚からコップを2つ出し、一方のコップに“牛乳”と、書かれた紙パックから白い液体を注いだ。


 1つのコップに“牛乳”を注いだあと、彼女は紙パックの注ぎ口を閉じ、冷蔵庫にその“牛乳”を、戻した。


 一連の流れをじっと見つめていたからだろうか、明依美ちゃんは不思議そうな顔をし、“牛乳”が入っているコップを自分の口元にもっていく。


 コップの中に入っていた白い液体はあっという間になくなった。


 「ぷっはぁ!美味しい!」


 気持ちよさそうに明依美ちゃんはそう言った。


 ゴクリと僕はつばを呑み込んだ。


 そんなに美味しいのだろうか


 僕もその、“牛乳”を、飲みたくなった。


 僕は飲めると返した。



、、、、 、 “牛乳”は、コクがあり、ほどよく冷えていておいしかった。




 「ちょっと待っててね。」


明依美ちゃんはパタパタと別の部屋に行ってしまった。


 彼女は、紙とペンを持ってきた。


 「いろいろまとめるのに必要かと思って!明依美、覚えるの得意でないし、、、」

 

「うん、分かった。」

 

さて、なんと説明したら良いのやら


 人造人間って事は絶対に隠したいし、、、


 「ねぇ」


 明依美ちゃんは僕の目を見て言った。


 「無吾非君は、魔女なの?」


 「?!」


 「魔女だから不思議な力が使えるの?」


「ええと、、、」


 「それとも宇宙人?」


 「へ?」


 「宇宙人だからできるの?」


 「、、、、、。」


 宇宙人?魔女?


 そうやって聞くと言うことは、それらが明依美ちゃんにとって納得ができそうな答えなのだろう


 魔女って、、、悪魔と契約した女のこと、、、だよね?


 そもそも僕は男だし、違う、、、って、まさか僕のこと女だと勘違いして、、、無いよね?!


 宇宙人って、、、宇宙人から来た人のことだよね。


 僕ら人造人間は頑丈な体にするため、骨は粘り気の強い隕石でできてるって確か言ってた気がするし、、、まあ、ちょっと近いかな?


 ああ、でもそれだと宇宙骨になるか!


 「うん、、、、。実はそうなんだ。宇宙人だから、あんまりココ《地球》のこと知らなくて、困ってて、、、。」


 でも、まぁ、自分を宇宙人って事にすれば、世間知らずな事の言い訳にもなるし、人間にはできないことをしても、“宇宙人だから”で、理解をしてくれる。


 僕が内心ホッとしていると、突然両手を掴まれた。


 「大丈夫!明依美がこの星の事、色々教えるよ!」


 彼女は使命感の満ちた目で僕を見つめた。


 「ありがとう。よろしくお願いします!」


 僕は明依美ちゃんの手を握り返した。


 ああ、良かった。


 僕が彼女の隣にいる為のちゃんとした理由が作れた。


 このあと、彼女はこの星の教科書として、少女漫画を沢山読ませてくれた。


僕が“○くの地球を守って”の、21巻目が読み終わったとき、明依美ちゃんは布団に包まってスヤスヤと眠っていた。


 

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