夏至祭り
庭のねむの木が大きく花開き
その濃いピンク色が大きな木を覆えば
夏至がやってくる。
夏至の日は昼が長くて
短い夜祭はあっという間に終わってしまう
あれはもう何年も前
夏至の夜の夜祭であの人は言った
必ず戻ると
夏至の夜に初めて会った
夏至の夜だけの短い恋人
夏至の夜は短いから
あの人がわたしの家の戸を叩く前に朝になる
ああだから仕方ない
仕方がないのだ
ほら今日も気がつけばもう朝
夏至の日は終わり
ただ庭のねむの木が満開で
枝と緑の葉を隠すように大きく花開く
夏至が来たのだとわたしに知らせるように
夏至はもう過ぎ去った明るい光の中で楽しげに笑っている
今年もお前は1人だと
美しい満開の花が笑っている……。