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ともかくダンジョンを造り始めよう。


俺はダンジョンのシステムとライブラリの間にパスを繋ぎ、ダンジョンクリエイトに関するあらゆるリソースを可視化させる。

こういう場合は本型よりタブレット型の方が勝手がいいな。と思うそばからライブラリの形状がイメージのままに変化した。便利だ。


──────────

【名称】NON NAME(未顕現)

【配下】なし

【階層】なし

【ダンジョンポイント】8000

【ダンジョンマスター強化率】0%

【コア充填率】0%

──────────


ダンジョンポイントというのは俺にとって分かりやすくするための便宜上の言葉だ。他のダンジョンマスターにとっては数値化されるようなものでもないだろうしな。


ダンジョンを顕現させるために必要なのは一階層以上の設定のみ。

極端な話、洞穴ひとつ作ればダンジョンとして成り立つということだ。

実際にダンジョンマスターが強い生き物だった場合はそれだけでもある程度機能する。

出来たてほやほやのダンジョンだと人間に知られると欲に駆られた大群がコア目掛けて押し寄せるから、却って何か強い魔獣の巣穴だと思われた方が永らえることさえあるくらいだ。


とはいえ俺は自慢じゃないけど戦闘に自信などこれっぽっちもないからこれはパス。


とりあえずどんな配下をクリエイト出来るのか見てみよう。

俺は【配下】の項目をタップした。


「なんじゃこりゃ。」


思わず独りごちる。


──────────

【作成可能配下】

・ヴァンパイア  10000

・エルフ     10000

・イフリート   1000

・ノーム     1000

・インキュバス  100

・ブラウニー   100

・ゴブリン    10

・スケルトン   10

──────────


ヴァンパイアとエルフが共存するとかどんなダンジョンだよ。まぁポイント足りないけどな!

それに比べてゴブリンやスケルトンのポイントのささやかさも、いかにも使い捨て感があって世知辛い。


しかしこれは悩みどころだ。

配下を作成する一番の目的は、戦闘能力のないダンジョンマスターである俺を守ってもらうことだ。

ポイントの足りないヴァンパイアとエルフは論外として、次に強力なイフリートの説明は『ヒト型の炎の魔人。暑苦しい。強さ:並』だ。並ってなんだ。牛丼じゃないんだぞ。

ノーム、インキュバス、ブラウニーはそもそも戦闘に向かない種族だし、『強さ:弱い』のゴブリンやスケルトンを量産するのもなんだかなぁ。


ところで皆さんはお気付きだろうか。

イフリート、ノームはいてシルフやウンディーネはおらず、インキュバスはいてサキュバスはいない。その心は?

見事に男型ばかりだよ!


なるほど、俺の因子から生み出される配下は性別も同じものが引き継がれるのか…。

別にハーレムを目指すつもりはないけれど、あまりにもむさ苦しいのはイヤだ。これが動物型ならまだしも、ヒト型の男ばかりっていうのは切実にイヤだ。


実質イフリート一択の配下選びは保留してどんな階層を作成できるのか見てみよう。

最悪罠だらけでモンスターはほとんどいないダンジョンでもなんとかなるかもしれないし!


──────────

【作成可能フロア】

・鉄筋コンクリート一戸建て  100000

・木造一戸建て        10000

・ログハウス         1000

・鍾乳洞           1000

・洞穴            100


【設置可能拡張機能】

フロアを選択してください

罠機能を解放するにはダンジョンマスターの位階が足りません

──────────


…俺は住宅情報サイトでも見ているのだろうか。タップしたら間取りも見れるよ!上の三つはバストイレ寝室付、拡張機能で二階建てにも出来るよ!


しかもこれって、俺にとって快適な家タイプを選択した場合、イフリートとの相性って最悪じゃないか?

ダンジョン設備は燃えないとかそういう設定はあるのだろうか。


うーん、一見普通の一軒家。なのに訪れた生き物は誰も帰ってこない…とかもはやダンジョンじゃなくてホラーだろ。


こうして見ると8000ポイントはかなり少ない。生前の俺のリソース全てつぎ込んだはずなのにな!


そこでふと【ダンジョンマスター強化率】に望みを見た。もしかして俺自身を強化して無双するパターンか!


──────────

【ダンジョンマスター強化率 0%】

ダンジョンが吸収したエネルギーの50%がダンジョンマスターの強化に使われます。エネルギー配分率を変更しますか?

──────────


んんん?これはポイントじゃないんだな。生き物を吸収することでダンジョンマスターは勝手に強化されるということか。

ポイントつぎ込んで無双の夢は一瞬で散った。


ということはもうひとつも…。


──────────

【コア充填率 0%】

ダンジョンが吸収したエネルギーの20%がコアの充填に使われます。エネルギー配分率を変更しますか?

──────────


よく分からんな。コアを充填したらどうなるのか。

ダンジョンコアについてライブラリで検索をかけても知っているような情報しか出てこない。

ライブラリは俺の知識欲に応えるための魔法だから、まだ閲覧できるレベルに達してないということだろう。


それはそうとして残りの30%のエネルギーはどこに行くのだろうと色々調べていると、ダンジョンポイントになることが分かった。

ダンジョンポイントにしてダンジョンの拡充に使うか、ダンジョンマスター自体の強化に使うか、コアを充填するか。

まだよく分からないためエネルギー配分率はそのままにしておこう。後からでも変えられるしな。




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