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【NON NAME】Level Ⅰ
【種族】ダンジョンマスター
【強さ】並 up!
【固有魔法】ライブラリ 閲覧レベルⅢ
【特徴】人型で知能が非常に高く、比較的温厚。ダンジョンコアを固有魔法に埋め込んだためコアを内包していない。
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【ダンジョン名称】迷いの森の憩い小屋
【配下】ロノ(ホワイトドラゴン)他
【階層】第一層 ログハウス
【ダンジョンポイント】558,513 up!
【ダンジョンマスター強化率】3% up!
【コア充填率】5% up!
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【作成可能配下】
・世界樹エリン 300000 new
・龍騎士グラン 100000
・ヴァンパイア 10000
・エルフ 10000
・イフリート 1000
・ノーム 1000
・サラマンダー 1000
・ドライアド 1000 new
・リザードマン 500
・インキュバス 100
・ブラウニー 100
・ゴブリン 10
・スケルトン 10
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【作成可能フロア】
・鉄筋コンクリート一戸建て 100000
・森林 50000 new
・木造一戸建て 10000
・ログハウス 1000
・鍾乳洞 1000
・洞穴 100
【設置可能拡張機能】
フロアを選択してください
罠機能を解放するにはダンジョンマスターの位階が足りません
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【世界樹エリン】300000pt
【強さ】測定不可
【特徴】世界樹。ハイエルフエリンの進化体。ダンジョンマスターに魂を捧げたため召喚可能。
作成するには魔素濃度が初期で1万ppm、恒常的に3000ppm以上かつ2ha以上の平地または森林地が必要。
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あああ焦った〜〜〜!
よし、まだ慌てる時間じゃないぞ。大丈夫だ。少なくともハイエルフを召喚すれば世界樹絶滅、世界滅亡フラグは折れる!はず!
グッジョブハイエルフ、よくぞ魂捧げてくれた。一瞬しか話してないってのに、何故かは分からないけど!
よく考えてみたらダンジョンなんだから生命エネルギーを吸収して無になるなんて当たり前なのに、ハイエルフが普通に世界樹になろうとしてるからそういうものだと思っちゃったんだよな。
死ぬんじゃなくて蛹みたいに変態するものだとばかり…。
あー危なかった。
さすがに世界滅亡待ったなし!の責任は重すぎる。俺ってばダンジョンマスターになっても小市民なんだなー。とバクバクする心臓を押さえて自嘲する。
落ち着かないからさっさとハイエルフを召喚しちまおう。
ハイエルフを召喚するのに広い平地か森林地が必要とのことで、お誂え向きに増えた森林フロアを作成することにした。魔素濃度はまあコアに充填している分を使えばなんとかなるだろう。
2haって確か200m四方だっけ?学校のグラウンドくらいかな。土地として考えると広く感じるが、森となると狭いくらいだ。フロアとして作成できる森の広さは当然もっと大きいから、ハイエルフの召喚も余裕だな。
お、設定がいろいろ弄れるな。ログハウスを作るときもそうだったんだが、ある程度は設定を調整できるし、ポイントを使えばカスタマイズも結構できる。なるほど、ああしてこうして…っと。
よし、完成だ!
俺は仕上げに【世界樹エリン】をポチっと召喚した。
元からあるログハウスを囲むように半径30km程、迷いの森をダンジョン化。体感では迷いの森の全域の1/10位だろうか。環境は変えずに侵食するだけ。それでも結構ポイントを使ってしまったな。
ポイントは少し残してある。龍騎士のじーさんを召喚するには足りないが、エルフやドライアドくらいなら世界樹が望めば世話役ついでに作成してもいい。
庭にいた魔物たちは森がダンジョン化した途端に森の中に散っていった。
なんだあいつら、本当は森が良かったのか?それでもダンジョンの魔素に惹かれて庭にいたってところか。なんかごめんな。森ダンジョンでのびのび過ごしてくれ。
魔物のいなくなった裏庭の真ん中から緑の若木がすくすくと身を伸ばす。
裏庭は1ha、100m四方ほどしかないので世界樹が育つには小さいかもしれないが、手狭になったら森側に寄せるつもりだ。動かなければ俺が引越しかな。だからあまり急いで大きくなるんじゃないぞ、と若木に話しかけた。
ぴょこんぴょこんと新しい枝が伸び葉を生やし背丈を伸ばしていく。見る間に俺の背を超えた。なんか悔しい。
幹の太さが裏庭の半分ほどになった頃、ようやく成長が止まる。直径50mくらいかな。ダンジョンのどこにいても見えるくらいに高いだろう。
俺のログハウスの日当たりが最悪になってしまったな。とはいえ葉の一枚一枚が淡い陽光を帯びたように輝いていて暗くはない。夜も眩しいのは嫌だなぁ。
しかし家の下まで根っこ張ってるんじゃなかろうか。…ダンジョン内だから地盤は問題ないと思いたい。
ふいに世界樹の幹の中から少女が姿を現した。
世界樹そのもののような茶色の肌に緑の長い髪。肌も髪も全体的に淡く輝いている。神秘的な銀の瞳と長い耳は以前のままに、エリンであって生前の彼女とは本質から違う存在。
「あるじ様。これ以上大きくならないよう、世界樹の成長を止めておいたぞ。おかげで残ったエネルギーで妾もヒト型を取れたのじゃ。あるじ様のおかげじゃぞ。」
…世界樹の化身は、のじゃロリだった。




