ウサギ肉の調達
やっと私用がひと段落着いたので別作品で再開します。応援して下さると幸いです。
薬草を採取し、後処理も済ませた私は冒険者ギルドに戻ってきた。さっき言われた通り冒険者ギルドカードを見せればすぐに通れた。
「薬草取ってきました。」
「おお、仕事が早いな。かなり良い品質でとって来たじゃないか。これなら少し色を付けて報酬は銀貨4枚だな。」
もともとの依頼額は銀貨3枚だったからまあ良いだろう。最も好きなように銀貨、金貨を出せるなら関係ないだろうが。
「これが報酬の銀貨4枚だ。」
「この依頼良いですか?」
「これか?良いぞ。このウサギは結構すばしっこいから捕獲が大変でな、少し報酬が高いんだ。後は肉食だから噛まれないように気を付けろよ。」
「分かりました。」
「大体街の東側に多く生息している。」
「どうも。」
私はギルドを出て街から出るとギルドの親父が言っていた東側でウサギを探した。直観を頼りに草むらをかき分けるとウサギがはねた。私を見た瞬間に目の色を赤くして長い前歯を突き出してこっちに向かって来ようとした。私は咄嗟に小刀を出して振るとウサギの頭と体が分かれた。すると草むらがはねている。ゴキブリと同じようにこいつの体液が他のウサギもどきをおびき寄せているのかもしれない。それで私はアサルトライフルを出し、これもまた直観であるが銃口を色々な向きに向けて撃ちまくった。大体10mほどで引き金を引くようにしている為、かなり忙しかったが、一匹一匹ピンポイント射撃をしていったところ、周囲に遺体の山が出来始めた頃にウサギ共が逃げ始めた。私は一匹一匹頭を切り落としながら収納にしまった。周囲は血の海になったことを付け加えておこう。そして獲得数は55匹だった。
頭を切り落とす作業が終盤に差し掛かった頃、何かが急速に接近してきた。またアサルトライフルを携帯し警戒するとイノシシだった。おそらくイノシシも私という存在もしくは血の匂いに誘われてきたのだろう。そして目の色は赤だった。ウサギもどきの血には何か作用があるのではないかと思った。
私は流石に危ないと思い、イノシシに向けて銃を連射した。確かに血だらけになったが奴の目の色と闘志は変わっていない。もっと威力の高い対物ライフルというもので撃つとイノシシの顔が潰れ、絶命した。絶命の直前までの勢いが余ってまるでスライディングするかのような姿勢で私の目の前まで向かってきた。
これ以上ここに留まるのは危険だと判断した私は迅速に回収してギルドに戻った。
「ちょいと時間がかかったようだな。まああのすばしっこいのだし仕方がないか。それで獲物は。」
「これです。」
「かなり切断面が綺麗だな。血抜きはまだか。血抜きはこっちでやっておこう。肉の状態も良いし、肉屋のミートさんも満足してくれるだろう。で報酬は銀貨6枚だ。」
「どうも。」
「何か他に買い取るものはあるか?」
「では薬草と、ウサギの買取をお願いします。」
私はギルドに入る前に現実の袋に入れておいた薬草とウサギを出した。自分の食事の分もあるからウサギは3匹、薬草は30gを残して全て売ることにした。
「こんだけ狩っていたのか。すごいな。」
「ウサギが群れで襲ってきまして。」
「初心者なのによく無事だったな。」
「ええ、自分でもそう思います。」
「それと薬草で合わせて小金貨5枚で買い取ろう。」
「ありがとうございます。」
精算を済ませてギルドを出ると夕方になっていた。それでつい裏路地に入ったら
「おい、お前、こっちにも金を分けてくれよ。」
「いやです。」
「良いからよこせって。」
「断ります。」
不良に囲まれた。今日で3件目だ。
「親分、こうなったら殺すしかないっすね。」
「お前が悪いんだからな。」
同時に複数方向から剣が振り上げられた。刃はかけているから撲殺するタイプの剣か。私は振り下ろされる直前に宙に飛び、今日何人も殺した刀で背後から首切りを行った。円の外周から刀を持ってダッシュしていく感覚は何とも爽快だった。首の位置に刀を保持すれば軽くスッと頭と体がお別れしてくれるのだから。