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再びファーデルからピーシへの輸送前編

依頼というのは意外とすぐに来るものだ。

「オルスだ。康太殿、聞こえているか?」

「聞こえていますよ。輸送依頼でしょうか?」

「聞こえているようだな。どうにも人が目の前にいないのに声だけ流れている状況は慣れないものだな。すまん、話が逸れて。電話をした用はその通りだ。ファーデルからピーシーまで調度品を運んでほしいのだ。なんでも南の海を挟んだ王国から注文があったみたいでな。急ぎで頼みたいのだ。」

「分かりました。それでは今から伺いましょうか?」

「良いのか?もう日が暮れる時刻だというのに。」

「ええ、少々報酬に色を付けて貰えると嬉しいですが。」

「勿論だ。この時間に輸送をしてくれるのは聞いたことが無いからな。」

「では、今回の輸送量を教えてください。」

「大体馬車4台分だ。」

「承知しました。」

車両の配車調整は事務がやってくれている。私にどの車を使い、どのアンドロイドと一緒に出発するのか脳内に直接伝えてくれる。私が決められたJLTV GPに乗り込むと、助手席にアンドロイドが一体座った。

「ご一緒します。よろしくお願いします。」

「よろしく。」

今日は馬車四台分の荷物を運ぶということもあり、JLTV Utilityが4台、夜間輸送であることを加味してM2ブラッドレーが2両、そして私が運転するJLTV GPが1台の計7台の出動となっている。途中、夜間ということもあり、夜行性のモンスターに襲われた。

「12時の方向、追尾してくる脅威あり。距離400、捕捉済み。」

「了解。脅威を確認、射撃を許可する。」

M2が25㎜機関砲でモンスターの体に穴をあけていく。

「グワー!」

藻掻きとも威嚇ともとれる大絶叫を残してモンスターたちは消えてゆく。遺体の回収は周囲のモンスターが集結する時間を作ってしまうことから列を乱さずにファーデルに向けて走り続けた。そして門の前に辿り着くと門を開けてもらった。流石に昨日のようにはならなかった。むしろ今回は別のことに感心した。それはファーデル商会の権力である。本来日没後は閉門しているのだが、ファーデル商会の権力によって開けられた。街の規則を捻じ曲げられるのだから相当なものである。

「お待たせしました。」

「いや、やっぱり素晴らしいな。荷物は裏の倉庫にあるからそこで積み込んでほしいのだが、その長い筒を付けたのは何なのだ?」

「これは護衛の車両です。夜間輸送になりますので随行させています。この筒は武器です。」

「この筒の意味を知れば、体が震えてきてしまう。もしかしてこれはあの場所での戦闘でも使ったのか?」

「勿論です。良く分かりましたね。これが主力になって戦ったんです。今は拠点の警備にも使用しています。うちは倉庫もしっかりと完備していますから、この武器と合わせて保安面はかなり高いかと思います。」

「それはかなり耳寄りな情報だな。で、私がピーシーに出向かなければならないのだが、可能だろうか?」

「可能です。私が運転する車に乗ってください。あまりいいおもてなしは出来ませんのでご容赦願いますが。」

「それは大丈夫だ。」


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