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第5話『「何か妖怪?」お寒いギャグに噂話に事件勃発?』の巻

『都市伝説!』どこにでもある噂話ですよね?ちょうどこの時期には持って来いの階段かも?「えっ?昇るんですか、それとも下り?」いえいえ、単なる予測変換ミスってやつでして…?ヌウマさ、たかが一度や二度の暗殺未遂ぐらい笑って誤魔化そうよ!…じゃなかった、水に流そうよ!人間生きてりゃいろんな事もあるさ!♪人生楽ありゃ、雲あるさ♪ってずっと思ってました!「どういうこと?」(←単なる変換ミスです!下らないので本題に移りましょう!」)


 それは印旛沼での研修を終えた1か月後の出来事。俺達は、毎回研修を終えたその日の内に夕方班ごとに軽いミーティングを行うことが義務付けられていて明日予定されている素潜り湖底調査に於ける係分担等を入念に話し合っていた。するとどこかの班が打ち合わせを既に終えたらしく、何やらそれとは別の話題で話が盛り上がっている事に気づいた。


「祟り?印旛沼の妖怪に…江戸幕府の役人13人が瞬殺されたっていう…?」

「話によると満更嘘でも無く、その慰霊碑が建てられた!って話じゃない!」

「馬鹿馬鹿しいったらありゃしない!迷信だって!作り話もいいとこ、フェイク

に決まってるってよ!その慰霊碑なんて一体どこにあるんだい?」


 ヌウマは一応班長として明日に備えて班員をまとめる役を担当していたものの嫌が応にも傍から聞こえて来るひそひそ話が気になって気になって仕方なく聞き耳を傍立てては打ち合わせそっちのけで進行ストップ状態!


「おい、ヌウマ!ぶっちゃけ明日のことは明日になってからでいいじゃん!

ぶっつけ本番で適当に調べときゃいいって!どうせそんなもん、何の役にも立ちゃしないんだからさ!」

「そう、そう!いざとなったら調査資料捏造して出してもバレないよ!」

「新人さんのやること、幹部にとっちゃ単なる罰ゲームにすぎないんだから…!」

「そうそう!新人部下苛めの何物でもない!」


 班メンバーにそう言われてはっと我に返るヌウマではあったが、

これだけ話題に上るってことはきっと何か深い理由があるに違いないと思い、

古利根平八郎にも話を振ると…?


「おい、ハッチ!お前はどう思ってるんだ、実際のところ?

妖怪は居るのか、居ないのか?単なる都市伝説じゃないんだろ?

今もこのあたりで幽霊が夜な夜な住民を驚かせているんじゃないのかい?」


 平八郎はじっと一点を見つめたまま微動だにしない様子!そう正にフリーズ、

硬直状態の彼!何かに憑りつかれていると言った方が妥当かも知れない!

そういや、怪談話をすると‟霊障“と言ってそこへ幽霊が引き寄せられる!

ってネット記事か何かに書いてなかったっけ?


「おい、八!ちょっとお前、大丈夫?気は確かか?」

 横顔の平八郎を力強く揺さぶるヌウマ!周りに居たメンバー達も

半ば呆然として静観!


「ん…?ちょっと、ちょっと、平八郎君!君が見ているのは厨房の方なのかな?

だ、だめだ、こりゃ?目がハート型になっている!

恋愛に憑りつかれたスケ八なんて…面白くも何ともない!」


 その言葉に即反応するかの如く振り向き様、古利根沼平八郎はこう答える!


「なんか妖怪?」「(←「それ、ダメ!もう鉄板中の鉄板ネタ!『布団が…』

より寒過ぎる!」)


一同「……。」

 

 班員曰く「何だよ、気を失ってないじゃん!つまんねぇ!行こ、行こ、夕食に!」

ヌウマも呆れてその場去ろうとすると平八郎が彼に向かってこう呟いた。


「結局のところ、あれだろ?実際『江戸幕府の干拓政策に不満をもった地元住民らが皮肉を込めて創作した話』だって…Wikipedia にそう書いてあったぜ!」


「何だ、しっかり話聞いていたんだ!気絶した振りして…心配して損したよ、

全く…!」(『コイツ、真面目なのか、ふざけてんのか?時々分からなくなる!』)

 そうつぶやくヌウマの言葉に一切無反応の古利根沼平八郎!

「あぁ、我が愛しの姫こと、鯉アヤメちゃ~ん!今からそっち行きますからね!LOVE!」

そう言うと平八郎は全速力で食堂へとまっしぐら!もちヌウマを残して一人勝手に…?

「もう一回気絶してくんねぇかなぁ?」そう心から願う友人思いのテガヌウマであった。


    ~“夕食はいつ通り大広間にて開催!”ってことで~「いただきま~す!」


「ヒヤ~旨い、旨い!流石印旛沼のウナギの蒲焼は最高!浜名湖のそれにも負けてないくらい絶品だよ、全く…!俺もう虜になっちゃった!お代わり下さ~い!」あちらこちらで厨房スタッフさんへの感謝を込めてお礼の言葉が飛び交う中、厨房からアヤメが顔を出し、一言お礼を述べると大広間のボルテージはMAX状態に!コンサート会場化!


「みなさぁ~ん、お褒めの言葉にお応えしちゃってアヤメ特製デザートの完成でぇ~す!初めて作ったのでぇ、自信ないけどぉ、良かったら食べてみて下さ~い!うふふ!」

「え?アヤメちゃんが作ってくれたの?だったら食べない訳ないっしょ?俺達、全員残さず完食しちゃいま~す!」と野郎たちの大合唱!ファンクラブ?親衛隊?正にその者ズバリ!(←「本当カワイ子ちゃんに弱い男の習性って凄いね!感心するよ、此畜生!」)


 ところが約1名だけ気乗りせずデザートを残そうとする輩が居た!そう誰を隠そう、テガヌウマ本人!『なぜ?』って聞かなくても理由は…お分かり頂けたと思う!(←「心霊動画?」)

「アイツのすることだ!俺の分だけ毒が仕込んであるってことも無きにしもあらず…かも?」

そう思えば思うほど疑心暗鬼が湧いて来て碌に食事が進まないヌウマの横でガツガツ食い漁る古利根平八郎!そんな彼を尻目にヌウマは溜息つき箸を置いて一言ポツリ!


「お前さぁ、幾らお腹が空いてるからと言ってもうちょっと綺麗に食事できないのかよ、平八!見苦しいったらありゃしない!おいおい、食べながらこっち向いて話すんじゃねーよ!下品!」

「ん?何か言ったか?今日に限ってお前、全然食べてないじゃん!

デザートだけは絶対残すんじゃねーぞ、ヌウマ!」


 そう言うとまたむしゃむしゃ食べ続ける彼!呆れてものが言えないヌウマは突然、目の前に飛び込んできた光景に驚愕!びっくりして我が目を疑う事に…?


               「な、何じゃこりゃ?」


 そう、一緒に食事をしてた12名中10名全員が「うっ!」と言って口に手を当て洗面所へ猛ダッシュ!水道の蛇口捻って何やら嘔吐していた!


         「うぇ~!」「ペッペッぺッぺ!」「げ、げぇ~!!」


 ヌウマは直感で状況を把握すると急に立ち上がり、厨房へ向かうや否や後ろ姿のアヤメに向かってキツ~イ言葉を連続噴射!(←「“よくスマホや携帯でメールとかラインの文字打ちよりも素早く”と申しましょうか?」)

「おいっ!このスナイパー野郎!お前、デザートに一体何入れやがったんだよ!えぇ?

俺だけならまだしも関係ない者まで巻き添え喰らわすなんて…一体どういう

つもりだ?事と次第によっちゃ女の子でも容赦はしないぞッ!」(←「大激怒!」)


 余りの剣幕にアヤメはその場でわんわん泣き出すと厨房責任者の中年男性が彼女を庇うようにヌウマの前で平謝り!何度も何度も頭を下げてヌウマへ詫びを入れることに!

 ヌウマへはヌウマで幾らその男性がアヤメとの関係を知らずとは言え、いきなり厨房へ行って怒鳴り込んでしまったことについて猛省し、誠心誠意頭を下げて謝罪した。


          「こちらこそ、本当にすみませんでした!」


“デザートのプリンにかけるカラメル”…お醤油に似てるっちゃあ、

似てる…のかも?『アイツ、初めて作った!』って言ってたっけ?

何かちょっと可愛そうなことしたなぁ!…そっちのほうも

『ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ!』(←「心の叫びってやつです!」)


 ヌウマは広間に戻るとまたまたビックリ!俺の分、デザートも含めて全て空状態に…!


               『う、嘘?マジで…!』


「おい、ヌウマ!食べ残しは絶対許しまへんで!」(←「“忍たま”、絶対好きだよね!」)

「それはいいけど、お前!お腹何ともないの?」ってヌウマが聞くと

ハート目の平八郎が幸せそうにこう答えを返す。

「ああ、勿論だよ!ちょっとしょっぱいかなぁ!って感じはしたけど、これって恋の味だよね!鯉ちゃんだけに…?!プーッ!ウケた?LOVE、LOVE!アヤメちゃ~ん、いつも有難う!これからもおいしい手料理楽しみにしてま~す!うっしっしー!」

          『恐るべし!愛の力の成せるわざ?』

 ‟古利根平八郎…コイツ、中々できるな!曲者!ヌウマは更に警戒を

強化することを固く心に誓った!(←「前回もそういう終わりだったような…?」)


    次回もよろしく            のがみつかさ


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