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残り火  作者: 天笠愛雅
6/8

地区大会


そういえば、今日佳純が僕を家に呼んだ理由は何だったのだろう。

まさかあれが目的なわけでもあるまいし。

けれど、家に帰って風呂に入ったとき、頭の中には先ほどの佳純の形しかなかった。

それから約一週間が経った。とある月曜日、今日は陸上の地区大会最終日だ。

天候は晴れ。雲一つない晴天だ。

競技場では長距離種目を応援する声が響き渡る。

一方、各校がテントを張るスペースでは、そんな競技場と打って変わって様々な感情が渦巻いていた。

勝って喜ぶ者、負けて悔しがる者、選手を想いサポートをする者…

「やっぱ余裕だったね」

「うん、結構タイムも悪くなかったし良いと思う」

二百メートルの決勝に勝利した僕は、チームメイトが他に誰もいないテントで佳純に脚を氷でアイシングしてもらっていた。

「これ、飲んでおいて」

「うん、ありがとう」

僕は走った後に某健康栄養食品メーカーの錠剤を飲み、早めの回復に努めるようにしている。

それを佳純から受け取り、水で流し込んだ。

「ほんと脚太くなったよね」

「そりゃあ練習してればそうなるよ」

「昔は細かったのに」

「昔っていつだよ」

「小学生の時。細かったのに足だけは速かったんだから」

「『だけ』は余計だろ」

「ふふ、ごめん」

地区大会で余裕の試合だとは言え疲れるものは疲れる。

佳純にアイシングをされていたが眠くなり始めて、佳純の話も飛び飛びでしか耳に入らないようになってきた。

「眠いの?」

眠いことに気が付いた佳純が僕に尋ねてきたが、返事をする間もなく、僕はテントで眠りについた。


 陸上部がクラスにいない理由は大会だからだという。

つまり、私の学校と同じ地区の彼も今日は大会だということだ。

先日、陸上部の友達から彼の名を聞く機会があって私は驚いた。

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