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超懐中電灯

 闇とは人類に対してもっとも恐怖の象徴である。


 人類と闇の戦いは、きっと永遠に終わらない。だがドクターLはこの戦いに終止符を打とうとしていた。


「人間の恐怖とはつまるところ無知、()()()()()という事象に対して恐怖する、しかし暗闇を照らせば見えなかったものが見えるようになるから恐怖が消える。」

「だからこそ人類は火を扱えるようになり闇を克服し、乗り越えてきたのですねドクター」


 助手がそう答えると、ドクターLはこくりと頷いた。


「そう、そのために開発しているのが()()()()じゃ。」

「しかしその為には、擬似太陽自体にアンチ重力装置が不可欠です。現在の人類の科学では実現は不可能かと」

「そこで、擬似太陽の前段階として超懐中電灯を開発してきた。太陽もしくは同等の明るさを出力できることを目標に日々改良を続けた結果…………」

「いよいよ試験テスト段階までこぎつけましたね」

「うむ、明日海底トンネルの入り口からこの超懐中電灯で出口を照らして光が届けばいよいよ実用化段階に移行する」

「明日が我々の記念すべき1日になりますねドクター」


 翌日ーー。


 助手は海底トンネルの入り口から超懐中電灯を照射する役割でドクターは出口から光検出装置の数値を確認する配置についた。


「ドクター聞こえますか?どうぞ」

「こちらいつでもOK。どうぞ」

「では、超懐中電灯照射します」


「3,2,1…………オンッ!」


 ガシャン


「うおあおおあお、こちらドクターL。完全に明るくなっておるぞ。どうぞ」

「本当ですかドクター。ならば試験テストは成功ですね。おめでとうございます」

「ありがとう。君がいたからこそ成し得たことができたのだよ。そんな他人行儀にするでない」

「そんなつもりでは…………ただ一つだけお伝えすることがあります」

「なんだ?今の私はすこぶる機嫌がいい。遠慮なくなんでも言いたまえ」


「ありがとうございます…………実はですね、超懐中電灯のスイッチをオンにしてから私の目の前がずっと真っ暗なんです」

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