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速度の変わらない想い

作者: 彩葉

 俺は急いでいる。

早く彼女に会いたい。

しかし俺の体はこれ以上早く進めない。


 こんなに必死に走っているのに、体は言う事を聞いちゃくれない。

それでも出来る限りの力を使って、突き進む。


 早く、早く、彼女に会いたい。


 すると後ろから嫌な声が聞こえてくる。

ちっ。

また嫌味なあいつか。


「よーぅ。まだこんな所にいんのかよ、ノロマ」


 俺の反応も待たず、奴は俺の横を追い抜いて「じゃーなー」と行ってしまった。

腹の立つ奴だ。

ちょくちょく俺をおちょくりに来やがって。

あんな奴じゃなくて、彼女に会いたいんだよ、俺は。


 早く、早く。


 やっと彼女の後ろ姿が見えた。


「やぁ、やっと会えたね、短針」

「そうね、長針。会いたかったわ」


 そういえば、何かで聞いたことがある。

織姫と彦星って奴は年に一度しか会えないらしい。

一時間に一回も会える俺達は、幸せなのかもしれないな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] あいつは秒針か!? 最初は夢の中のお話(夢ってほら、追いつけなかったりするから)かと思っていたので、ラストのオチにびっくりしましたよ! 面白いです!
2019/01/20 21:36 退会済み
管理
[良い点] 恋愛ものかと思ってましたら、最後のオチが楽しいです。 視点を変えるとこんな話になるんですね。 目の前の掛け時計を眺めるとき思い出したい話です。 [一言] 面白い発想ですね。また楽しみにして…
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