表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/77

36話 確かめなきゃ

 ケータイでのやり取りが続いていた。

「ちょっとそれってどういうこと?じゃあなんでリュウヤはあんなこと言ったの?」

 私はボタモッチーという謎の芸人に問いかける。

「僕もこいつの真意がわからんのです。ジョークのつもりで言ったとしか…」

「ええっ?そんなことジョークで言うことじゃないでしょう?」

 この一瞬で、この芸人はバカじゃないの!と思った私。

 あの場面をジョークと受け取るなんて、頭がマヒしてる!

 まぁそんなノータリン芸人だから売れてないのかもしれないけど。


「す、すいません。僕の言い方が間違ってました。ジョークじゃないですよね(⌒-⌒;」

と、私のテレパシーが通じたのか知らないけど、すぐに訂正したボタモッチー。

 でも彼の声は明らかに動揺しているよう。

 カチンと来ていた私は、そんな彼に強い言い方をしてしまう。

「あなたも芸人さんなら、今後のためにも軽はずみなことは言わない方がいいと思いますよ」

「はい…気を付けます」

 ケータイの向こう側でも恐縮しているのがわかる。


 少し脱線したので私はすぐに話を元に戻した。

「リュウヤは誰にも相談せずにあんなこと言ったの?」

「ええ、たぶん。マネージャーにも相談してなかったようで…それに。。」

「ん?それに?」

「ええ。それに司会者の誘導尋問もウマかったから、予定外のこともしゃべってしまったって言ってましたよ」

「ちょっと何でそれをもっと早く言わないのよ!!」

「すんません。忘れてました^^;」

 やっぱりこの売れない芸人はノータリンだ。


「ねぇ、あなたとリュウヤは今どこにいるの?」

「今はこいつのアパートなんです。酔い潰れてるから叩いても起きる気配がありません(-_-;)」

「リュウヤに事情を聞いてみたい気もするけど…」

「是非そうしてもらえないですか?」

「うーん。。。」

「あんなこと言っちゃあバッシングが自分に集中するに決まってます。ちょっと考えればわかりそうなもんなのに…」

 私は心の中で『お前もな!』と反復していた。


 今思うに、もうひとつハッキリしないことがある。

 それはリュウヤが酔い潰れている理由。

 世間のバッシングに怯えてのことなのか?それともリリアと別れが原因なのか?

 そのことをこの冴えない芸人に聞いてみると、これまた不思議な答えが返って来た。


「いえいえ、そういうわけでもないんです。こいつは後悔はしてないって言ってましたから」

「ええっ?後悔してない?」

「はい。逆に『これで良かったんだ』ってブツブツ繰り返し言いながら飲んだくれてましたもん」


 益々謎を呼ぶリュウヤの言動。

 推理ドラマではないけれど、まさにそんな感じ。

 でも、私は深く推理しないことにした。前と同じことになるから。

 こんなことで推理を楽しんでるように思われたくないし、今は本当にリュウヤが心配だから。

 なら私はどうしたらいいのか?

 答えはすぐに出た。行動あるのみ!


 行こう!リュウヤの元へ。今すぐに!とにかく確かめなきゃ。


「ボタモッチーさん、そこのアパートの場所教えて」

                      (続く)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ